イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

エヴァートンが受けた「今季2度めのポイント剥奪」は妥当か。そしてマン・シティはどうなるのか?

10-4+2=8。エヴァートンがPSR違反で2度めのペナルティを受け、新たに2ポイント剥奪という処分が下されました。今回の「罪状」は、2020-21シーズンからの3年の赤字が、プレミアリーグが設定した1億500万ポンドを1660万ポンドほど超過したというもの。独立委員会のなかに、2ポイントの根拠を説明できる人物はいないでしょう。

11月に発表された最初の処分は、2019-20シーズンからの3年で1950万ポンドのオーバー。勝ち点10を奪われたクラブが上訴すると、プレミアリーグは不適切な評価があったことを認め、2月にマイナスは6ポイントとアナウンスされました。これによって、17位から15位に浮上したエヴァートンは、今回の2ポイントロストで18位ルートンと2ポイント差に接近しています。

10から4を引いて2を足すと、8ポイント。残留争いから脱出していたはずのクラブを、厳しいバトルに引き戻したペナルティはツッコミどころ満載です。1950万ポンドで10ポイント、1660万ポンドで2ポイントは、いかなるロジックと数式によるものか。2020年からの3年が赤字なら、1年スライドさせても赤字になる可能性が高く、一定考慮されたとしても結局は二重罰ではないのか?

エヴァートンの経営危機とPSR違反は、パンデミックとロシアのウクライナ侵攻によって当てが外れたファルハド・モシリの失政に起因しています。悪に手を染めたわけではなく、単に失敗したクラブから勝ち点を奪うというお話は、溺れている人の足を引っ張っているように感じられます。しかも、最終盤の激戦の最中に…!

PSR(Profit and sustainability rules)を訳すと、「収益性と持続可能性に関する規則」。本来の目的は、過度な補強や人件費の高騰による経営難を防ぐことで、とてつもない大型補強によってスポーツのフェアネスが損なわれることも視野に入れているものと思われます。しかしその運用は、目的と真逆に作用しているのではないでしょうか。

経営不振のクラブから勝ち点を奪って降格となれば、破産への下り坂の傾斜がきつくなります。しかも失うポイントの基準は曖昧で、クラブの実績が反映されない順位表が出来上がります。PSRのコンセプトを考えると、あるべきペナルティは「経営を立て直すための支出の制限」でしょう。一定期間の補強制限とサラリーキャップの組み合わせなら、妥当性は高まるはずです。

「プレミアリーグは依然として、より簡単に追い込めるターゲットを熱心に追及している印象を与えている。連続犯罪の容疑者の追跡は、複雑で時間がかかるという。しかしそれは、たった一度だけレジに手を突っ込んでしまい、罪を認めて悔いている人々を摘発するために捜査員を全員投入しているようで、115件の強盗を実行したと思われる人は、大手を振って歩いている」

「テレグラフ」のクリス・バスコム記者は、処分自体は必要であるとしながら、エヴァートンには同情の余地ありと主張。同じ時期に告発されたマンチェスター・シティが、快調に勝利を重ねている現状への違和感を表明しています。1件の違反が2ポイントなら115件は…二転三転したエヴァートンに対するペナルティより簡単な算数です。

もちろん現時点では、マン・シティの容疑がすべてアウトと認定されたわけではありません。ただし、相当数が違反とジャッジされた際に、現在のルールと運用を継続するなら、目いっぱい下に降格させるしかなさそうです。プレミアリーグの関係者は、自ら作成したボタンのメカニズムをわかっているのでしょうか。

赤を押せばビッグクラブが吹っ飛び、青を押せば自爆…?勝ち点を抑止力に使うと、そうなります。クラブの経営危機を防ぐためのルールが、年間8000万ポンドという世界トップクラスの利益を誇るクラブを握りつぶしてしまう皮肉たっぷりのコメディは、公開に漕ぎ着けるのか。決して、マン・シティを擁護するわけではありません。目的に沿わない運用のリスクを指摘しています。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す