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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

さようならサンダーランド…何もできなくなっていたモイーズ監督留任は、果たして正しかったのか…!?

5勝6分23敗、勝ち点21はミドルズブラに6ポイント離されるぶっちぎりの最下位。2006-07シーズン以来、プレミアリーグで10年がんばってきたサンダーランドの 降格が決定しました。開幕から10試合勝利なし、後半戦も1勝3分10敗と改善の気配なし。エヴァートン時代のコネクションで冬に連れてきたレスコットはクリスタル・パレス戦の後半に30分ほどプレイしただけに終わり、ダロン・ギブソンやブライアン・オヴィエドは、出場した試合で1度しか勝利を味わえませんでした。プレミアリーグ全試合出場で14ゴールとひとり気を吐いたデフォーと、イングランド代表に呼ばれるまでになった23歳GKピックフォードの成長が数少ない明るい話題ですが、夏に2人ともチームを去るでしょう。過去10年のプレミアリーグにおいて、19位に勝ち点差5以上離された最下位クラブでその後戻ってきたのは2006-07シーズンに降格したワトフォードのみです。明らかに立て直しが必要なサンダーランドもまた、チャンピオンシップで相当苦労するのではないでしょうか。

開幕からしばらく勝てなかったサンダーランドについて、私は「この戦力では仕方がない」と同情的でした。デナイエル、ドナルド・ラブ、マクネア、マンキージョ、ヤヌザイなど、プレミアリーグのビッグクラブで伸び切れなかった選手をかき集めたチームが、簡単に最適な解に辿り着けるとは思えませんでした。事実、10月までの3ヵ月でリーグ最多の先発起用22人。プレミアリーグで300試合以上指揮を執った監督のなかでは、サー・アレックス・ファーガソン、ヴェンゲルの次に勝率が高い指揮官は、焦ることなくさまざまな選手を試しながら戦っているように見えました。彼らは、いずれ巻き返してくるはず。11月に入ってからボクシングデーまでは、4勝3敗と勝ち越しています。クリスタル・パレスに2差で18位だったチームは、冬に適材を連れて来れれば残留できるものと思っていました。ところが…。

ワトモア、キルヒホフ、カッターモールなど主力に負傷者が続出したのは確かですが、25節からの10試合中9試合ノーゴールでは、ぶっちぎりの最下位となるのは当然です。直近のモイーズ監督が最終ラインに起用しているのは、36歳のオシェイと30歳のビリー・ジョーンズ、レンタルで獲得したデナイエルとマンキージョ。チームの成長につながる抜擢はできず、ワビ・ハズリをスタメンに戻した以外にほめられる采配はありません。マクネア、ヤヌザイ、ドナルド・ラブ、アニチェベに加えて冬に連れてきたレスコット、オヴィエド、ギブソンと、エヴァートンとマンチェスター・ユナイテッド時代の指揮官のコネによる補強ばかりが目立ったサンダーランドは、スカウティングがあまりに脆弱だったといわざるをえません。

残る4試合は、降格を回避したいハル・シティとスウォンジー、負けるわけにはいかないアーセナルとチェルシー。ビリー・ジョーンズ、デナイエル、ギブソン、オヴィエド、ロドウェルまで負傷で戦列を離れたサンダーランドは、勝ち点を得ることなくプレミアリーグに別れを告げるのではないでしょうか。ストライカーと守護神だけでなく、コネ、キルヒホフ、エンドング、ハズリまでチームを離れることになれば…。女性蔑視発言批判やサポーターの退任要求など、ただでさえ針のむしろのモイーズ監督は早いタイミングで解任となり、サンダーランドは一直線でリーグ1に降格してしまう可能性もあると思います。クリスタル・パレスに去ったファン・アーンホルトと移籍確実のデフォー以外で、わずか9ゴール。クロス本数はプレミアリーグ最下位、パス本数とシュート数は19位、後ろに出したパスの数はリーグ2位という数字は指揮官の限界を示しており、2ヵ月半も勝利から遠ざかっているチームの改革は、どこから着手すればいいのかわかりません。

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“さようならサンダーランド…何もできなくなっていたモイーズ監督留任は、果たして正しかったのか…!?” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ついにこの時が来てしまいましたね。このチームの事が気になり昨夜のボーンマス戦チェックしました。惜しいところは見られましたが、最後の最後にやられてしまい、DFの脆さが最後まで響きましたね。観客席も空席が目立ちある種の寂しさを感じました。プレミアの地にいつ帰って来ますかね、、、。ニューカッスルとのダービーは最高に面白いので早く帰って来てほしいですが、チームは相当重症ですね。気が早いですが、チャンピオンシップでも追いかけていきたいと思います。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    いつも楽しく拝見させていただいてます。
    一つ質問したいんですが、パス成功数などのデータはどこで仕入れているのでしょうか?
    教えてくれると大変あありがたいです。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    残念ですね。戻ってくるまでに時間かかりそうです。来季いきなり、ブラックバーンやウィガンみたいになる可能性ありだと思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ありがとうございます。基本的なデータは、プレミアリーグ公式サイトです。
    https://www.premierleague.com/stats

    さらに突っ込んだものを見たい場合は、「Whoscored」「squawka」などを見ます。
    https://www.whoscored.com/
    http://www.squawka.com/football-stats/english-premier-league-season-2016-2017

    サイトいじってみてください。おもしろいですよ。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    昨シーズンの熾烈な残留争いを勝ち抜いたのに安心してしまったのか、今シーズンはモイーズを獲得してフロントは安心したのか ダラダラしてしまいましたね。

    —–
    データの話。有難うございます。
    これからもブログに遊びに来ます

  5. makoto より:

    おはむさん>
    そうですね。何としても残留という気概が感じられなかったですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    どういたしまして。ぜひぜひ!

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    今季のプレミアのチームで一番ひどいと感じたチームがサンダーランドでした。プレミアの試合をそんなに見た訳ではありませんが。時代遅れのサッカーという感じで、いかにもプレミアだな、と感慨深くもあり、印象的なチームでした。
    毎試合五点取られてもおかしくないチームじゃないかな・・・

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