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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

3つのPKは、どこまで正解!? 蔓延するダイブについて、現地メディアが緊急提言!

プレミアリーグ35節では、3つのPKが「ダイブではないか」と話題になりました。マンチェスター・ユナイテッドVSスウォンジーにおける、前半終了間際のラシュフォードとGKファビアンスキの交錯。ミドルズブラVSマンチェスター・シティの68分、デローンとサネが接触してマン・シティにPKが与えられ、両チームの選手がもみ合ったシーン。ノースロンドンダービーの58分、縦への突破を図ったハリー・ケインに足を出したガブリエウのプレイ。さらにもうひとつ、ワトフォードVSリヴァプールで、クレヴァリーに倒されたように見せかけたルーカス・レイヴァが、あまりにあからさまだったためにイエローカードを受けた「PK未遂」もありました。プレミアリーグ4位争いと残留バトルが激しくなるにつれ、ゴール前における微妙なプレイが目立ってきています。

実際にPKとなった3つのシーンについて映像をチェックすると、ラシュフォードとサネは完全に「クロ」。マンチェスター・ユナイテッドの若きストライカーは、ファビアンスキに触れる前にシミュレーションを開始して後づけで足をタッチさせており、サネはデローンともつれる方向にわざわざ体を寄せて右足に自分の足をかけています。一方で、ボールにまったく触れないのに足を出すという不用意なプレイをしてしまったガブリエウは、笛を吹かれても仕方がないように見えました。ボロとマン・シティのゲームは、「ダイブの被害者」だったボロが勝ち越しゴールを挙げた後にマン・シティが追いつく展開となったため、ジャッジに特段スポットが当たることにはならなかったものの、終盤までビハインドを背負って戦ったスウォンジーのポール・クレメント監督は試合後に相手のFWを非難。「リプレイは選手がレフェリーを欺いたと証明した。彼(=ラシュフォード)はコンタクトするために足を伸ばした。しかも、当たる前に倒れていたしね。GKは手を引いていたじゃないか」と怒りを露わにしています。

同じ週に重なったインモラルなプレイや不可解なジャッジに対して、イギリスメディアはすぐに反応しました。「欺瞞が蔓延している。それは現代サッカーにおいて最も憂鬱なことのひとつ」と最近の傾向を批判したのは「デイリー・メイル」。タブロイド紙は、ハリー・ケインのプレイですらも「ガブリエウのクリップを最大限活用した」と皮肉めいた表現で伝えており、マイケル・オーウェンの時代から起こっていたことについて「it’s time to crack down on cheats(詐術を取り締まるべき時だ)」と主張しました。「スカイスポーツ」は、スコットランドで活躍した往年の名選手デヴィー・プロヴァン氏の「プレミアリーグからダイビングを撲滅する唯一の方法は、罰を厳しくすること」という見解を取り上げています。

「スコットランドFAを含むいくつかの協会は、独自のルールを持っている。スコットランドでは、土曜日の夕方に担当局がテープを見る機会を設けており、ダイブやレフェリーを欺く行為が見つかれば、遡って2試合のサスペンションが付与される。私は、もっと厳しくすべきだと思う。5~6試合とかね。こういうことをなくすただひとつの手段だ」(デヴィー・プロヴァン)

もろもろのレポートやご意見に目を通して思うのは、「ダイブが”やったもの勝ち”になってしまっている現状には早期の改善が必要」「PKとゴール時のオフサイドについてはビデオ判定を導入すべし」ということです。以前に「BBC」が、ダイブに対してイエローカードがどれだけ出されたかを算出していたのですが、2016-17シーズンは1.28%で、2012-13シーズンの2.64、前シーズンの1.89と比べると低い水準に留まっています。うまくいけば勝ち点3につながるゴールが得られて、失敗してもお咎めなしでは選手たちから誘惑を取り去ることはできないでしょう。

マンチェスター・ユナイテッドとスウォンジーの試合においては、主審も副審もラシュフォードの足が見える位置にいませんでした。レフェリーの技術が低下したのか、フットボールのスピードアップに人間の眼と足がついていけなくなったのかは何ともいえませんが、少なくとも現行の運用は限界にきていると思われます。瞬時に映像をチェックできるようになった今なら、1試合に1~2回のビデオ判定が、試合のスムーズな進行を妨げるほどのマイナスにはならないでしょう。リバーサイドスタジアムでは、ボロの猛烈な抗議と、その後のマンチェスター・シティの選手たちとの揉み合いで相当の時間が経過しており、同じ時間でビデオをチェックして妥当なジャッジを下すことはできると思います。

ボロといえば、感動的だったのは、サネの転倒に笛が吹かれた直後のベン・ギブソンのキャプテンシーです。足を掛けたと断罪されたデローンに加えて、ファビオ、フォーショー、ストゥアーニが猛然とレフェリーに詰め寄るなか、24歳のボロの主将はファビオを振り払い、デローンを突き飛ばして「オマエらはやめとけ」と制止。冷静にレフェリーに説明を求めると、その背後で揉めていた両チームの選手たちの間に割って入ろうと獅子奮迅のゲームコントロール(?)を見せてくれました。トラブルでも十全に発揮される冷静さ、視野の広さは堅守ボロの最終ラインを統率していただけのことはあります。ギブソンがここまでやってくれているのに抗議を止めず、カードをもらってしまったファビオには「キャプテンがいうてるやん!」と叫びたくなります。

ビッグクラブのスカウトのみなさま、どうですか?彼は。モラルの高い選手は、レベルが高い環境に放り込まれたとき、それを克服する強さを持ち合わせていることが多いと思います。プレミアリーグ35試合フルタイム出場とケガひとつなく昇格直後のシーズンを過ごしているCBは、主力の負傷に泣かされているクラブにぴったり…やっぱりウチですか!? どうでしょう、モウリーニョ監督。そういえば、わが指揮官は、チェルシー復帰初年度にこんなことをおっしゃっておりました。

「相手選手にレッドカードを出させようとするのは恥ずべきことだ。自分のチームの選手が正しくない行動を取ったおかげで勝てたとしても、私は彼を強く批判するだろう」

話が行ったり来たりして恐縮です。まとめましょう。ダイブをとりわけ重く見て厳罰とするかどうかは議論が分かれるところですが、決定機阻止や非紳士的行為と同等に咎められることに違和感はありません。選手が自分の体を守るために倒れることもあるなか、故意かどうかを判断するのが難しいケースもあると思われますが、今回のラシュフォードのいただけない振る舞いは、プロヴァンさんにかかれば「6試合」でしょう。モウリーニョ監督にはCB強化とともに発言通りの選手教育をお願いしつつ、FAに全体のルールと運用を見直していただいて、プレミアリーグから微妙なプレイとジャッジが減ることを願っております。(ベン・ギブソン 写真著作者/Mattythewhite)

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“3つのPKは、どこまで正解!? 蔓延するダイブについて、現地メディアが緊急提言!” への6件のフィードバック

  1. NA28 より:

    ルーカスのプレーは正直笑ってしまいました。ファール多いプレーヤーなんだから下手なシミュレーションしてカードもらうなと笑
    シミュレーションは難しいですね、明らかなダイブならビデオ判定を導入すれば解決するでしょうが、微妙な判定だとファールか否か日によって変わりそうですし、不公平だと訴える人たちも出てきそうです。これだけ接触が多いスポーツだと仕方ないですが。でも、ダイブを良しとしないお国柄で、お金持ちリーグなプレミアだからこそ、率先してビデオ判定を導入してほしいですね。やってみなければ何も変わりませんし、モヤモヤして試合を終わるのは気分がいいものではありませんから…

  2. fro より:

    とりあえずは試合後の検証での厳罰化すればダイバーは減ると思います
    それでも問題に上がるようならビデオ判定も必要になってくるかもしれないです

  3. 不知火 より:

    ラッシュフォードは何としてでも勝ちたかったんでしょうね…。
    非紳士的な行為をしてでも。
    それだけユナイテッドが追い詰められてるって事でもあるんでしょうが。

  4. yuto より:

    ダイブは見ていて気持ちのいいものではありませんし、ユナイテッドの選手にはあまりして欲しくないと思っています。
    私はダイブといえばアシュリー・ヤングが思いつくのですが、確かモイーズ監督はヤングがダイブをしたときに自チームの選手であっても厳しく非難していた気がします。
    その後、ファンハール監督が就任してからはヤングのダイブはかなり減ったのではないでしょうか。
    少しうろ覚えなエピソードですが、モウリーニョ監督にもラッシュフォードにビシッと叱ってもらってまっすぐに育ってほしいところです。

  5. makoto より:

    NA28さん>
    ビデオ判定とサスペンションが抑止効果にはなるのではないかと思います。古い話ですが、危険なバックチャージや決定機阻止も一発レッドの対象と明確化されてから一気に減りましたので。

    froさん>
    スコットランド方式ですね。それだけでも減るとは思いますが、ゴールや勝ち点は残るので、「何も得なことないよ」と思わせるレベルまでやるならビデオとセットでしょうね。

    不知火さん>
    そうでしょうね。気持ちはわかるのですが、勝っても後ろめたさが残るので、やらなくていいよといってあげたいです。

    yutoさん>
    同感です。ダイバーのイメージがついても気にしなくていいのは、誰が見ても凄いスアレスぐらいですので(笑)、余計なことをせずにゴールセンスを磨いてほしいです。

  6. makoto より:

    NA28さん>
    ビデオ判定とサスペンションが抑止効果にはなるのではないかと思います。古い話ですが、危険なバックチャージや決定機阻止も一発レッドの対象と明確化されてから一気に減りましたので。

    froさん>
    スコットランド方式ですね。それだけでも減るとは思いますが、ゴールや勝ち点は残るので、「何も得なことないよ」と思わせるレベルまでやるならビデオとセットでしょうね。

    不知火さん>
    そうでしょうね。気持ちはわかるのですが、勝っても後ろめたさが残るので、やらなくていいよといってあげたいです。

    yutoさん>
    同感です。ダイバーのイメージがついても気にしなくていいのは、誰が見ても凄いスアレスぐらいですので(笑)、余計なことをせずにゴールセンスを磨いてほしいです。

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