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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

彼らはなぜ、得点力が高い?プレミアリーグのスタッツからマンチェスター勢の強みを探る!

3強か、混戦か。プレミアリーグ2017-18シーズンは、TOP7の明暗が分かれる序盤戦となりました。ロケットスタートを決めたのは、ペップとモウリーニョのマンチェスター勢。5試合を4勝1分なら文句なし。16ゴール2失点という数字も同じで、ルカク、マルシアル、アグエロ、ガブリエウ・ジェズスが3ゴール以上と前線の選手が好調にゴールを重ねています。開幕戦でバーンリーに敗れたチェルシーは、2節のトッテナム戦を制すると、その後持ち直して勝ち点3差の3位。昨季プレミアリーグを制したチームは選手層が厚くなり、アザールの復帰で得点力が上がるものと思われます。一方で出遅れたのは、借りてきた本拠地ウェンブリーでプレミアリーグ未勝利と苦しんでいるトッテナム、5試合中3試合でノーゴールのアーセナル、守備が落ち着かずフィニッシュも決まらないリヴァプール、大型補強直後でチームづくりに時間がかかっているエヴァートンです。首位に5勝ち点差以上離されている彼らが取りこぼしを減らせなければ、クリスマスの前に優勝を諦めなければならなくなるかもしれません。

さて、昨季はプレミアリーグ6位に沈んだマンチェスター・ユナイテッドと、無冠に終わったマンチェスター・シティの強さはどこにあるのでしょうか。プレミアリーグ公式サイトが公開しているスタッツをチェックしてみました。モウリーニョ監督のチームは、エースのルカクが5ゴール、少ない出場時間でチャンスを活かしているマルシアルが3ゴール、エンジンがかかってきたラシュフォードが2ゴール。前シーズンと比べて前線の決定力が高まっているのに加えて、ムヒタリアン、ポグバ、バレンシア、フェライニ、バイリーと中盤から後ろも決めているのが特徴です。ちなみにリヴァプールの得点者はサラー、フィルミーノ、マネ、スタリッジのみ。アーセナルは、ラムジー以外にMFとDFのゴールはありません。今季のマンチェスター・ユナイテッドがセットピースを武器にできるようになり、ミドルシュートを積極的に打っているのが数字を見るとよくわかります。

前年は貧攻に泣いたチームがゴール量産体制を築けているのは、プレミアリーグ2年めとなったムヒタリアンとポグバがフィット感を高めており、オフザボールの動きの質が高いファン・マタがアタッカーたちのためのスペースを創れているからです。ムヒタリアンは5アシストで、プレミアリーグのアシストランキングTOP。ポグバも2ゴール2アシストと攻撃への貢献度が上がっています。ルカクとムヒタリアンのホットラインが機能し、最終ラインとマティッチのボール奪取からの速攻が冴えるマンチェスター・ユナイテッドは、ズラタン頼みだった昨季と違ってゴールへの道筋が明確になってきました。4つの勝ちゲームで決めた14ゴールのうち、9ゴールが80分以降という数字は、リードを奪って相手を前がかりにさせ、カウンターで仕留めるという戦い方がうまくいっていることを証明しています。

片やマンチェスター・シティは、5ゴールのアグエロと4ゴールのガブリエウ・ジェズスが共存できており、スターリング3発、サネ2発とサイドの選手もゴールを重ねています。アシストを見ると、ダヴィド・シルヴァが4本、デブライネは3でアグエロが2本。インサイドMFに入った2人のプレーメイカーが、SBやウインガーとともに仕掛けるサイドアタックは破壊力抜群。カイル・ウォーカーとバンジャマン・メンディにプレミアリーグのDFのレコードとなる多額の移籍金をかけたのは、間違いではなかったようです。

マン・シティのスタッツでもうひとつ特徴的なのは、ボールタッチランキングのTOP8の半分を占めていることです。3位ダヴィド・シルヴァ、4位フェルナンジーニョ、5位デブライネ、8位にオタメンディ。最終ラインとフェルナンジーニョがビルドアップし、空いた選手に速い縦パスを通すと、中央が空けばアグエロとガブリエウ・ジェズスが直線的にゴールに迫り、無理ならダブル司令塔のタクトでサイドを崩す。相手が体勢を崩したところを突くマンチェスター・ユナイテッドに対して、しっかり守られていても理詰めでチャンスを創るのがペップのマン・シティといった図式でしょうか。

両者の選手たちが上位を占めているのが、スルーパスランキングです。ムヒタリアン、ポグバ、デブライネが6本で首位に並び、ダヴィド・シルヴァが彼らに次ぐ4本。マンチェスター・ユナイテッドのスルーパスはカウンターの際に飛び出すことが多く、マンチェスター・シティの美しいパスはボックス脇を攻略するための武器として威力を発揮しています。マティッチの加入でポグバの自由度が高まり、ムヒタリアンとともにルカクやマルシアルに決定的なパスを出せるようになったのが、この数字からも伝わってきます。

最後にもうひとつ、おもしろいスタッツを紹介しましょう。「Big Chances Missed」、日本語でいえば決定機逃しです。ルカクは4回頭を抱えており、ランキング2位。得点王レースでTOPに立つ選手が、同時にこの部門でも上位につけているのをみると、マン・ユナイテッドのパサーたちがいかに彼にボールを集めているかがわかります。ちなみに1位は…クリスティアン・ベンテケ!5回の決定機を彼が活かしていれば、フランク・デブールはプレミアリーグに残れたかもしれません。首位の話から始まり、最下位で締めるという激しい「オチ」となりましたが、スタッツを眺めていると試合中のいろいろなシーンを思い出すことができて、楽しいですね!というお話でした。

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“彼らはなぜ、得点力が高い?プレミアリーグのスタッツからマンチェスター勢の強みを探る!” への3件のフィードバック

  1. yuto より:

    両チームともに新戦力がはまっていることが大きいのではないでしょうか。
    ユナイテッドはマティッチのボール奪取、前を向くプレーは攻撃の速度を上げ、ルカクのポストプレーで2列目の選手たちが躍動しています。
    シティはウイングのウォーカー、メンディの高いサイド突破能力とクロスの質、それに伴ってシルヴァ、デブライネが中央ではストライカーへのボール供給、サイドに流れては突破と破壊力抜群ですね。
    ユナイテッドとしては強豪相手にどこまでやれるのかがまだ見れていないだけにここからが正念場でしょう。それでも下位チームとのドローによる取りこぼしはかなり減りそうなだけに強く期待しています。

  2. のこ より:

    Tutoさんがおっしゃる通りで
    マンUは唯一 上位チームと今まで一度も対戦がない。やはり真価が問われるのはこれからでしょうね。下位チーム対戦のみのデータでは全然ピンときないですし 正直まだ脅威に感じませんね。
    負け始めると荒れるのがモウのチームなので。
    エバートンとマンUで同じ試合数と言っても今までの相手が違いすぎますからね

    —–
    ユナイテッドが上位陣とやってないことを理由に評価を下げようとされる他クラブファンが多いですけど、逆に他チームは中位から下位相手にユナイテッド並に得点を奪い、安定感のある試合をしているんですかね?笑
    マージーサイドの赤いチームとロンドンの白いチームは下位相手にまったく点がとれていませんがね笑
    そもそもユナイテッドの課題は下位相手に点が取れないのが致命傷でしたし、上位相手の成績はそこまで悪くないんですが…
    そんなことを言い始めたらシティもリバプールとやったとはいえ、前半にリバプールは1人退場してるのであまり参考にならないし、むしろ前半はリバプールの方がチャンスもあったのでは?笑

    —–
    ユナイテッドの攻撃力アップを特に感じるのは、前半にゴールを決められているところですね。昨季は前半に決めきれず相手のGKとDFをリズムに乗せてしまい、そのままドロー…という試合を何度も悔しい思いで観戦していましたので。
    また、いざという時の必殺、ゴール前にタワー建てまくり作戦も昨季以上の破壊力でしょうし、ドローによる取りこぼしはかなり少なくなると期待しています。

  3. これからでしょう より:

    ポグバがケガでいない今こそ 個人頼みではなく チームとして本当に強くなったのか? を確認するにはもってこいですね 楽しみですね
    優勝出来るチームは そんなハンデを背負っても勝ち続けられるチームだと僕は思います

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