プレミアリーグに出場できない最強ユース世代!【前篇】主要4ヵ国の若手のプレイ時間比較
U-21ユーロに参加したイングランド人選手が、新シーズンに公式戦でプレイした総時間数は9524分で、プレミアリーグの試合が占める割合は47%の4462分。同じ数字を他国で算出してみると、コンフェデレーションカップで多くの選手がフル代表としてプレイしたドイツは、出場時間11186分のうちブンデスリーガが7679分で69%。イタリアは8738分のうち6650分で76%、スペインは10249分に対して9021分で88%と、いずれもトップリーグでの出場時間比率がイングランドを大きく上回っています。フットボールの母国の選手たちが、プレミアリーグ以外でどんな試合に出ているかを見ると、チャンピオンシップが2712分、カラバオカップが1675分、ヨーロッパリーグが675分。エヴァートンのGKピックフォードとスウォンジーのCBモーソンはプレミアリーグ7試合フル出場で630分をカウントしており、チェルシーからスワンズにレンタルされて7試合2ゴールとがんばっているタミー・アブラハムは536分。3人でプレミアリーグ出場時間の40%を占めています。
さらに心配なのは、U-20ワールドカップの優勝チームのメンバーです。ベスト4に進出したイタリアの選手たちがセリエAで1572分プレイしているのに対して、イングランド人選手は半分以下の720分。8214分の総出場時間のうち、チャンピオンシップが41%でプレミアリーグは9%です。ただでさえ少ない720分の60%に及ぶ446分は、エヴァートンのドミニク・カルヴァート・ルーウィンの孤軍奮闘によるもの。大会MVPのソランケは70分のみ、同じく大活躍のルックマンは出場試合ゼロです。U-19の選手は、チャンピオンシップとリーグ2(4部相当)で2400分を数えながら、プレミアリーグには112分しか出場していません。
イングランドU-21代表監督のエイディ・ボスロイドは、U‐20やU-19のマネージャーをしていた経験をふまえて、こう語っています。「エリートトーナメント優勝という輝かしいマージンは、トップリーグでの出場時間が少なくなるにつれて減ってしまう。チャンピオンズリーグではなくチャンピオンシップでプレイすれば、ビッグゲームへの理解と経験を失うものだ。プレミアリーグのグローバリゼーションはコーチや有力な選手にはいいけれど、若手の出場時間が制限される。イングランド人選手は、能力開発のために海外に出た方がいい」。この夏、アーセナルのクリス・ウィロックはベンフィカに移籍し、マンチェルシー・シティユースにいた17歳のイングランド人MFジェイドン・サンチョはドルトムントのファーストチームに加わっています。
このレポートが興味深いのは、この後挙げている3つの実例なのですが、長くなりましたので、「プレミアリーグに出場できない最強ユース世代!【後篇】若手がチャンスをつかむ方法」に続きます。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す