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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグに出場できない最強ユース世代!【前篇】主要4ヵ国の若手のプレイ時間比較

How England U21s’ Premier League minutes compare to Spain, Germany & Italy(イングランドのU21の選手たちがプレミアリーグでプレイする時間は、スペイン、ドイツ、イタリアと比べてどうなのか?)」。イギリスメディア「BBC」の若手選手に関する問題提起は、10000字を超える腰の入ったレポートです。今年の夏、イングランドのユースチームは、4つのトーナメントのうち3つで決勝に進出。韓国で開催されたU-20ワールドカップとジョージアのU-19ユーロで優勝し、U-17ユーロのスペインとの決勝ではPK戦で敗れて準優勝。唯一ファイナル進出を逃したU-21ユーロでも、ドイツとセミファイナルを戦っています。ユース世代強化の成果が出た実りある夏でしたが、その後の彼らの所属クラブにおける活躍ぶりを追跡すると、微妙な状況が見えてきます。

U-21ユーロに参加したイングランド人選手が、新シーズンに公式戦でプレイした総時間数は9524分で、プレミアリーグの試合が占める割合は47%の4462分。同じ数字を他国で算出してみると、コンフェデレーションカップで多くの選手がフル代表としてプレイしたドイツは、出場時間11186分のうちブンデスリーガが7679分で69%。イタリアは8738分のうち6650分で76%、スペインは10249分に対して9021分で88%と、いずれもトップリーグでの出場時間比率がイングランドを大きく上回っています。フットボールの母国の選手たちが、プレミアリーグ以外でどんな試合に出ているかを見ると、チャンピオンシップが2712分、カラバオカップが1675分、ヨーロッパリーグが675分。エヴァートンのGKピックフォードとスウォンジーのCBモーソンはプレミアリーグ7試合フル出場で630分をカウントしており、チェルシーからスワンズにレンタルされて7試合2ゴールとがんばっているタミー・アブラハムは536分。3人でプレミアリーグ出場時間の40%を占めています。

ちなみに昨シーズンは、イングランドU-21代表の選手のプレミアリーグ総出場時間は20000分強で、スペインは37000分、ドイツは31000程度、イタリアは30000を切るぐらいでした。今季はスペインの半分の時間しかトップリーグでプレイしていない選手たちは、下部リーグのレギュラーか、カラバオカップで格下のクラブと当たるときに顔を出す選手が大半となっているようです。強い相手と戦う機会がないまま20代半ばを迎えることになれば、数年前には同レベルだったスペインやイタリアの選手に経験値で大きな差をつけられることになります。

さらに心配なのは、U-20ワールドカップの優勝チームのメンバーです。ベスト4に進出したイタリアの選手たちがセリエAで1572分プレイしているのに対して、イングランド人選手は半分以下の720分。8214分の総出場時間のうち、チャンピオンシップが41%でプレミアリーグは9%です。ただでさえ少ない720分の60%に及ぶ446分は、エヴァートンのドミニク・カルヴァート・ルーウィンの孤軍奮闘によるもの。大会MVPのソランケは70分のみ、同じく大活躍のルックマンは出場試合ゼロです。U-19の選手は、チャンピオンシップとリーグ2(4部相当)で2400分を数えながら、プレミアリーグには112分しか出場していません。

イングランドU-21代表監督のエイディ・ボスロイドは、U‐20やU-19のマネージャーをしていた経験をふまえて、こう語っています。「エリートトーナメント優勝という輝かしいマージンは、トップリーグでの出場時間が少なくなるにつれて減ってしまう。チャンピオンズリーグではなくチャンピオンシップでプレイすれば、ビッグゲームへの理解と経験を失うものだ。プレミアリーグのグローバリゼーションはコーチや有力な選手にはいいけれど、若手の出場時間が制限される。イングランド人選手は、能力開発のために海外に出た方がいい」。この夏、アーセナルのクリス・ウィロックはベンフィカに移籍し、マンチェルシー・シティユースにいた17歳のイングランド人MFジェイドン・サンチョはドルトムントのファーストチームに加わっています。

このレポートが興味深いのは、この後挙げている3つの実例なのですが、長くなりましたので、「プレミアリーグに出場できない最強ユース世代!【後篇】若手がチャンスをつかむ方法」に続きます。

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