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マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

パスはチェルシー、運動量はアーセナル、スプリントはリヴァプール~プレミアリーグの新潮流【後編】

「パスはチェルシー、運動量はアーセナル、スプリントはリヴァプール~プレミアリーグの新潮流【前編】」より続きます。今季プレミアリーグにおけるパス関連のスタッツでは、さまざまなランキングのTOPをチェルシーが独占しているのですが、走力に関するカテゴリーではライバルクラブが頂点に立っています。「最もよく走るチームは?」と聞かれて、どこを思い出すでしょうか。従来は、トッテナムやボーンマスが常連だったのですが、2018-19シーズンのスパーズは2位、ボーンマスは4位。TOPに立っているのはアーセナルで、マルコ・シウヴァ監督のエヴァートンが3位に食い込んでいます。

イギリスメディア「スカイスポーツ」が火曜日に配信した記事「Arsenal and Liverpool top the Premier League running stats(走るスタッツの頂点に立つアーセナルとリヴァプール)」から、走行距離とスプリントのランキングを紹介しましょう。走行距離で1位のアーセナルは1375.7kmで、2位のトッテナムが1370.7kmと熾烈なノースロンドンダービー。エヴァートンは1356.1km、ボーンマスは1354.2kmと上の2つに差をつけられています。5位はチェルシーで、1347.8km。個人ランキングTOPのカンテが141.87kmでチームを押し上げており、2位がクリスタル・パレスのミリヴォイェヴィッチの140.69km、3位はウルヴスのルベン・ネヴェスで138.63kmを走破しています。4位ジョルジーニョ、5位ドゥクレという並びも、プレミアリーグの試合を見ていれば納得でしょう。

人間よりもボールが動くイメージが強かったガナーズは、スプリント本数でも1415本で4位にランクイン。こちらの1位は、ユルゲン・クロップのヘヴィ・メタルフットボールが健在のリヴァプールで1486本です。マンチェスター・シティが1454本で2位、ボーンマスが1420本で3位につけ、5位はエヴァートンの1385本。個人ランキングを見ると、レスターのベン・チルウェルが252本で独走し、スターリングが221本、モー・サラーが210本で続いています。エメリ監督の就任でプレースタイルが変わったガナーズの心臓は、ルーカス・トレイラです。最初の5試合は途中出場だったアンカーは、ジャカとムスタフィに次ぐ628本のパスを通しており、ビッグ6のMFで最多のインターセプト20回を記録。前の選手を見ながらもらえる位置に動き、縦やサイドに素早くボールを送る若きセントラルMFのプレイが、エメリ戦術の骨格となっています。

「走るアーセナル」を象徴しているのが、5~6人が一斉にスプリントする速攻です。ダイレクトパスを駆使しながらサイドを陥れ、グラウンダーでゴールを狙う秒殺のアタックは、ゴール前に人数を置いて守りたい下位クラブにとっては脅威でしょう。ラムジーだけでなく、エジルやミキも上下動を繰り返し、グエンドゥジがあらゆるところに顔を出す新生ガナーズは、パスの精度を高められればもっとゴールを量産できるはずです。最終ラインの安定化と、コンビネーションのクオリティUPが、エメリ監督の喫緊の課題だと思います。

「フルスロットル」「ゲーゲンプレッシング」が看板だったリヴァプールは、アリソン、ファン・ダイク、ジョー・ゴメス、ワイナルドゥムによって背骨が強化され、堅守のチームにモデルチェンジ。ベルナルジ、リシャルリソン、ウォルコットと、前線に突破力がある選手を配したエヴァートンは、シグルズソンがいいときのパスワークとゴールの決め方を思い出し、直近6試合を4勝1分1敗と調子を上げています。ボールを支配しながらサイドに穴を開け、速いクロスでゴールを狙うアタックと、前で奪って一気にスプリントする速攻を組み合わせて攻めるチームが増えたプレミアリーグ。チェルシー、アーセナル、リヴァプール、エヴァートンはどこまでクオリティを上げられるのか。走力では負けないスパーズは、昨季と同じ顔ぶれで進化することができるのか。キャラ立ちまくりのチームが鎬を削る極上のシーズン。彼らがペップに立ち向かい、最後まで優勝争いが続くことを願ってやみません。

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“パスはチェルシー、運動量はアーセナル、スプリントはリヴァプール~プレミアリーグの新潮流【後編】” への2件のフィードバック

  1. エミリー より:

    リバプール、シティに加え今シーズンからアーセナルとチェルシーがガラッと良い方向に変わりました。
    両チームとも監督交代が大成功でプレーヤーもやりたいフットボールをやってるので楽しそうです。
    この4チームに加えポチェッティーノの戦術が浸透したトッテナムがプレミアのフットボールを変革し、更にレヴェルアップしたと思います。

    —–
    上下巻に渡る記事、お疲れ様です。
    シティの数字がかっこいいですね、攻めに転じる際の迷いがなく、無駄なく速いからこそ出る数字です。
    まさに風林火山ですね。
    我がアーセナルは、トレイラを消されたら&怪我したら、とたんに苦しくなるのが丸分かりですね。
    トレイラのマネジメントはキモになりそうです、バックアッパーの獲得も狙ってるはず。
    それにしても、インターセプトからショットガンフォーメーションのごとく、彼が発射台になって前線が走り出す様は、まさに我が心のキャプテン、パトリック・ヴィエラです。
    トレイラ大好き!
    とはいえ、チームの全体的なパスの精度、渡す相手に半メートルずれる感覚を、スパッと修正出来ないものか?
    これが修正されると、攻守多岐に渡って格段に数字が上がるはずなんだよなぁ。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    これらのチームに加えて
    エバートン、ウェストハムも十年くらい前のマンCに激似!
    この状況の中なら3年以内に、1番楽しいPLが来るかもしれませんね。

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