数字を見てびっくり!ショーン・ダイク率いるバーンリー、戦い方のクセがすごい…!
アーセナルやチェルシーだけでなく、プレミアリーグの中堅・下位クラブでも最後方からのビルドアップは常識ですが、自陣でボールを持つことを拒み、GKにロングボールを蹴らせる頑なな指揮官も存在します。バーンリーのショーン・ダイク。「Burnley’s style of play is now unique among Premier League teams(バーンリーのプレースタイルは、今やプレミアリーグのチームのなかでは独創的)」と題した記事をリリースした「スカイスポーツ」は、ニック・ポープがゴールキックの89%を遠くに蹴っており、この数字はプレミアリーグNo.1であると伝えています。
記事中で紹介されているスタッツを見ると、ジョーン・ダイク監督が失点につながるリスクを徹底的に回避しているのがわかります。すべてのパスのなかで、ロングフィードが占める割合は23.5%に及び、19.6%のシェフィールド・ユナイテッドを大きく引き離すぶっちぎりのTOPです。最も少ないマンチェスター・シティは7.5%。3トップを走らせることが多いリヴァプールでも11.6%(13位)に留まっています。10本以上のパスがつながるシークエンスは、今季プレミアリーグ最少の20回。1位のマン・シティが171回、2位リヴァプールが125回と続くランキングで、17位のウルヴスでもバーンリーの倍以上となる43回です。ショーン・ダイク監督は、ゴルフになぞらえて自らの哲学を説明しています。
「誰よりも少ないショットでホールに辿り着けるなら、それがすべてだ」
高い位置でボールを奪って逆襲に転じた回数も、45回でリーグTOPに君臨するウルヴスの1/3以下となる13回で最下位。後ろに戻したパスは355本で、こちらもリーグ最少です。GKからショートパスをつなぎ、相手の隙を窺い、フリーになった前線の選手に縦パスを入れるのが現代サッカーの流儀。ガリー・ネヴィルさんが、こんなことをおっしゃっています。「こういったスタイルを信じるかどうかは、もはや関係ない。今のマネージャーたちは強制されている。後ろからつながなければ、恐竜というラベルが貼られるね」。現在のショーン・ダイク監督は、間違いなくティラノザウルスです。
ポープ、ロートン、タルコフスキ、ベン・ミー、ピーテルス、マクニール、ウェストウッド、クリス・ウッド、アシュリー・バーンズと9人までがプレミアリーグ全試合先発出場。中盤のジャック・コークも7試合でスタメン起用されており、ガチガチの固定メンバーで戦うあたりにも、クラシックな中小クラブの香りが漂っています。自陣で奪われるリスクを避けるべく、バックパスとビルドアップを嫌い、とにかくロングフィード。むやみにラインを上げないのも、背後にスペースを空けることが失点につながりやすいからです。
ただし、これらの数字や戦い方をもって、ショーン・ダイクをクラシックなイングランド人監督と決めつけてはいけません。あくまでも、現状のスカッドに最適なスタイルを選択しているだけであり、論理的かつ合理的な人物であることは、以下の言葉からも窺えます。
「スキルセットが異なる別のクラブに行ったら、自分を信じて、違う方法でプレイするだろう」
ショーン・ダイクがチェルシーを率いたら、マウリツィオ・サッリとフランク・ランパードのどちらに近いフットボールを展開するのでしょうか。近い将来、戦力充実のビッグクラブを指揮する姿を観てみたい気もしますが…。バーンリーを率いて戦ったプレミアリーグ160試合のうち、134試合でポゼッションが5割を切ったチームを観る際には、リスク回避術に注目してみてください。「スカイスポーツ」は、アシュリー・バーンズのスマートなフィニッシュとドワイト・マクニールの巧みなワンツーもファンの注目ポイントだと指摘しています。なるほど。それにしても、クセがすごい…!
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ティラノサウルス笑
こういう数字でプレースタイルの分析をするのを見るのは毎回楽しいですねぇ
化石スタイルで現状七位というのも中々
流行り廃りもありますし、その時々のチーム状況もありますが、やはり特徴あるチームは面白いですね
千鳥ノブで脳内再生しました(笑)
冗談はさておき、現状のチーム編成ありきで自チームの戦術を構築するというのは、正しい意味で「自分たちのサッカー」ですね。
逆説的に、敵チームの分析も周到にやっているだろうなと思わせます。