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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグ2019-20シーズン前半戦総括!【前編】明暗分かれたビッグ6と躍進の中堅クラブ

あけましておめでとうございます。プレミアリーグ2019-20シーズンは、ニューイヤーズデーから通常運転。ランチタイムキックオフのブライトンVSチェルシーで始まり、マンチェスター・シティVSエヴァートン、アーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドと注目カードが目白押しです。さっそく21節のゲームに前のめりになってしまいそうですが、その前にあらためて前半戦の総括をしてみたいと思います。プレミアリーグ2019-20シーズンの10大トピックスを挙げろといわれたら、何を思い浮かべるでしょうか。私のチョイスを、以下に並べてみました。

「2強の明暗」「レスターの躍進」「VARの狂気」「ノースロンドンの凋落」「ヴァーディー爆発」「大健闘シェフィールド」「圧巻アーノルド」「おかえりモウリーニョ」「ランパードの冒険」「ウルヴスEL突破」。リヴァプールとマンチェスター・シティの2強のデッドヒート継続と思いきや、片や無敗、もう一方は5敗で3位転落と明暗が分かれました。昨季プレミアリーグの前半戦を7失点でまとめたレッズは、今季は14失点と倍増。アリソンやマティプが負傷し、後方は苦しいやりくりを強いられましたが、ファビーニョを軸とする中盤の守備の強化とロングフィードの多用など戦術のバリエーション拡大で、接戦をことごとく制しました。

マン・シティがレッズに引き離された最大の要因は、コンパニが抜けた穴を夏に埋めなかったことでしょう。ラポルテの負傷離脱で、フェルナンジーニョを最終ラインに張り付かせるスクランブルを続けざるをえなくなり、前半戦終了時の23失点は2018-19シーズンのトータルと既に並んでいます。ラポルテとサネの復帰は2月。エヴァートン、シェフィールド・ユナイテッド、トッテナムといった難敵が待ち構える年明けのゲームをどう乗り切るかが、プレミアリーグ3連覇という大きなミッションとモチベーションをキープするための重要なポイントとなります。

王者停滞の間隙を突くように躍進したのが、ロジャース監督のレスターでした。ティーレマンス、ジェームズ・マディソン、ハーヴィー・バーンズ、エンディディのU-23カルテットが流動的なアタックを繰り広げ、最前線のヴァーディーが17ゴールをゲット。マグワイアを忘れさせてくれたソユンチュと、ベテランのジョニー・エヴァンスのCBコンビも盤石です。ニューカッスルから来たアヨゼ・ペレスは早期にフィット。直近はイヘアナチョが調子を上げてきており、カウンターを武器とする攻撃陣は後半戦も脅威です。

チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、アーセナルにとっては苦しい序盤戦となりました。ヤングスターを大量に抜擢したばかりで伸びしろがあったチェルシーと、負傷者続出という明確な理由があったスールシャールは何とか持ちこたえましたが、ノースロンドン勢は監督解任に追い込まれました。スパーズの不振は、負傷のデル・アリと移籍騒動のエリクセンが満足なパフォーマンスを披露できなかったことに加え、右サイドとロリスの不安定な守備、チーム全体に蔓延したストレスなどが重なった結果でしょう。アーセナルはコシールニーが抜けた最終ラインを改善できず、中盤の守備の意識も高められないまま、9節からのプレミアリーグ10試合を1勝6分3敗という絶不調に陥ってしまいました。

ポチェッティーノ監督の後を受けたモウリーニョ監督は、5勝1分2敗と巻き返しモードに入っていますが、アルテタ監督は最初の2試合を1分1敗と前途多難なスタート。アーセナルが従来の美しいフットボールを取り戻すには、もうしばらく時間がかかりそうな雲行きです。ガナーズのクラッシュで、EL出場権の椅子がひとつ余るとすると、食い込んでくるのはどこでしょうか。王者マン・シティにダブルを喰らわせ、ELグループステージ突破を果たしたウルヴスか。ベイシャムとオコネルがサイドから上がる「オーバーラッピングCB」という斬新な戦術を引っ提げ、昇格初年度ながら6位に食い込んだシェフィールド・ユナイテッドか。アンチェロッティのエヴァートンも、6位と7ポイント差なら射程圏内です。

ビッグ6の明暗と躍進の中堅クラブ。前編は、チームの動向を中心に振り返ってみました。個々の選手については、次稿の「ベストイレブン」で紹介できればと考えておりますが、最後にひとつだけ。VARに関する議論は、いずれ落ち着くのでしょうか。「ピクセル単位のオフサイドがプレミアリーグの論争を呼ぶ(マルカ)」「オフサイドレビューは間違っている(インディペンデント)」と、最近の論争は怪しいラインを引いて断罪するオフサイドに集中しています。

「ザ・サン」によると、VARがなければ首位リヴァプールと2位マン・シティの差は6ポイントに詰まり、7ポイントも失ったウルヴスはチェルシーと同勝ち点の5位にジャンプアップするとのこと。アーセナルは10位、トッテナムは12位とノースロンドンの順位も逆転するそうです。クラッテンバーグさんは「オフサイドには使うべきではない」と主張し、国際サッカー評議会(IFAB)の事務総長ルーカス・ブルード氏は「主審のジャッジが優先。明らかな誤審の撲滅だけでいい」としています。「細かすぎて伝わらないオフサイド判定」がスタジアムを冷やし、メディアを熱くしたのも前半戦の大きなトピックスでした。…長くなりました。「プレミアリーグ2019-20シーズン前半戦総括!【後編】ベストイレブンと躍進&不振の選手たち」に続きます。

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“プレミアリーグ2019-20シーズン前半戦総括!【前編】明暗分かれたビッグ6と躍進の中堅クラブ” への2件のフィードバック

  1. アイク より:

    明けましておめでとうございます。
    新春一発目に相応しい力作のご投稿に頭が下がります。
    納得感の高い10大トピックスに色々と思い出しました。PLから少しずれますが、メッシとファンダイクの最優秀選手争いは大きな出来事でしたね。
    今季のレッズは3冠に、南野のフィット、三季連続のリーグMVP輩出(アーノルド?)とチャレンジの楽しみが尽きません。
    今年もどうぞよろしくお願い致します。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    VARが無かったらうんたらって、例えばウルブス戦のマネのゴールは、ララーナのハンドで取り消しって扱いなんですよね。
    それをまるで、VARの負の側面みたいな文脈で使われるのってどうなんですかね。
    まぁ、SUNのようなゴミ雑誌の、自分達の結論有り気の記事なんで気にしたらいけないんでしょうけど。

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