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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マンチェスター勢苦戦、ハル・シティ躍進!早くもみえてきた「冬の補強」の成否

相変わらず混戦模様のプレミアリーグですが、優勝争い・残留争いともに、いままでの勢力地図に変化が起ころうとしているのではないでしょうか。FW強化でジャンプアップの気配が漂うハル・シティ、マティッチ加入で攻撃のオプションが増えたチェルシー。評価するのは少し気が早いかもしれませんが、いくつかのチームで「冬の補強効果」が出始めています。一方、キャバイェをパリに持っていかれたニューカッスルや、センターMFのフェルナンドを獲れなかったマンチェスター・シティは、直近のゲームで大苦戦。本日は、ここまでの数試合から「補強成功クラブと微妙クラブ」を割り出し、彼らの将来を占ってみたいと思います。

まずは、冬の移籍市場で大当たりしたクラブから。ハル・シティのイェラヴィッチ、シェーン・ロング獲得は大成功でしょう。トップスコアラーがわずか3得点のサグボという脆弱な前線で、1月は4戦全敗と降格アラームが鳴っていたチームが、補強以降は1勝1分けと持ち直しました。イェラヴィッチ、シェーン・ロングの2トップは、1月半ばに合流。当初は沈黙していたものの、2月に入って3得点とエンジンがかかってきましたね。とりわけトッテナムと引き分けたのは大きいです。現在、スウォンジーと同勝ち点の11位にまで順位を上げ、プレミアリーグトップ10でシーズンを終える大躍進まで視野に入っています。

意外といけそうな雰囲気を醸し出しているのは、前節のWBA戦で新加入組のジョー・レドリーとトム・インスがいきなりゴールを挙げたクリスタル・パレスです。私は、彼らの貧弱な攻撃陣がネックとなって降格する、と予想していたのですが、このチームは12月以降、プレミアリーグトップ8以外のチームに一度も負けていません。まだ、新しい選手は1試合しかこなしていないので評価は時期尚早ですが、ライバルよりも早く戦力化しているのはアドバンテージといっていいと思います。

チェルシー戦をスコアレスドローに持ち込んだ後、ケヴィン・ノーランが2試合で4点の固め獲りで2月MVP候補に名乗りを上げ、連勝中のウエストハムもおもしろい存在です。期待のイタリアコンビ、ノチェリーノとボリエッロも出場機会を果たしており、代表レベルの彼らが活躍すればトップ10へのジャンプアップも可能です。ただし気になるのは、ラメラ、オズバルド、ジャッケリーニと、今季イタリアからプレミアリーグにきた大物が、いずれも空振りに終わっていること。いまのところはネガティブな要素はありませんが、もう数試合、様子をみないと何ともいえません。

さらにもう1チーム挙げるとすれば、やはりチェルシーでしょう。プレミアリーグの監督のなかで、新加入選手をチームになじませるのがダントツに速いのはモウリーニョとヴェンゲルです。おふたりとも戦略が明確で、それをわかりやすく選手に吸収させる能力が高いのだと思います。マティッチの加入は大ヒット。判断スピードが速く、ドリブルやミドルシュートで攻撃の幅を創れる彼の加入は、単純な戦力アップだけでなく、ラミレスやランパードを前で使うなどの選択肢をも増やしています。私は元よりチェルシー優勝予想ですが、さらにバーゼルから来たモハメド・サラーが点を獲るようになれば、今季のプレミアリーグは間違いなく彼らのものです。

さて、ここからは、うまく補強できなかった「微妙なチーム」の紹介となります。サラーをチェルシーに土壇場で持っていかれたリヴァプール、シェルストレームの登場が遅くなるアーセナル、FCポルトのマンガラとフェルナンドを獲り損ねたマンチェスター・シティでは、マンチェスター・シティが苦しくなりそうです。やりくり上手で、ケガ人が出てもさほど戦力を落とさず戦えるアーセナルに比べて、マン・シティは選手の不在による好不調が激しいチーム。しかも、彼らはエヴァートン、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルと、プレミアリーグ上位とのアウェイ戦を4つも残しています。チェルシーに敗れた後、ノーウィッチにも敗戦寸前のドローに終わるなど、ひとたび歯車が狂えば戻すのに時間がかかりそうなチームなので、「マンチェスター・シティ、まさかの5位転落」という着地もなくはないと思います。

リヴァプールは、マン・シティとは逆にホームでのプレミアリーグ上位対決を残しており、多かったケガ人も順次復帰予定。欧州がないぶん日程も緩いので大崩れはしないでしょう。冬の補強でいちばん動くのではないかと思ってましたが、元々1点豪華主義でサラーかコノプリャンカ狙いだったようですね。新戦力獲得がうまくいかなかったので、イアゴ・アスパス、アイビー、ルイス・アルベルトから「もう1枚」が出てきてほしいところです。

最後に、雲行きが怪しいチームに触れて、この稿を終えたいと思います。補強するポジションを間違えたマンチェスター・ユナイテッドと、新しい選手が入っても、今のところプラスがみえないフラムは、大きな投資を回収できないかもしれません。いずれも戦略に問題があり、監督が戦力を充分に活かせていないので、補強の成否云々の前に解決すべき問題があると思います。フラムについては、稲本潤一がいた時代に当時本拠地としていたロフタス・ロードで試合を観て、昨年もクレイブンコテージを訪れているなじみの深いクラブなので、ぜひともプレミアリーグ残留を決めてほしいのですが…。(ニキツァ・イェラヴィッチ 写真著作者/Steindy)

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“マンチェスター勢苦戦、ハル・シティ躍進!早くもみえてきた「冬の補強」の成否” への6件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    マティッチはもうすでに欠かせない選手ですよね
    全盛期のエッシェンや現在のヤヤの様に中盤で圧倒的な存在感を放てる選手になることを期待してます(^^)
    CLで使えないのが残念ですね(^^;

    サラーはデビュー戦はガチガチでシュート2本外しましたが裏抜けのスピードやサイドでの仕掛けなんかは可能性感じましたね

    マタはユナイテッドでどうですか?
    今のモイーズのスタイル的にはフィットしずらいと思いますが頑張ってますかね?
    ライバルチームでもマタは応援してしまいます(笑)

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    マタは、香川真司よりもタイミングよく前を走らせるボールを出せるくらいで、香川同様フィットしていません。センターMFがあまり上がってこないフォーメーションの右サイドをやっても、彼のパスのうまさは活かせませんね。

  3. ぽっぽ より:

    ハルがスパーズと引き分けたのは、ハルのホームだったと思います。
    ホワイト・ハート・レーンの一戦は、たしか開幕節でした。

  4. Uボマー より:

    マン・ユナイテッドはDF補強が急務だったでしょうに…。ヴィディッチのディフェンス見て泣きたくなりました。
    フラムはモイーズ劇場のある意味立役者なので頑張ってほしいけど、残れるんでしょうか。
    ザハが活躍しているカーディフも降格まっしぐらって感じですね。
    個人的にはスウォンジーが気になります。年明けのユナイテッドとの試合ではボールは保持するけれどゴールに迫れないもどかしさを感じるなと思ったら、監督解任。直近の試合は勝ったみたいですけれども、あのパスサッカー維持していくんですかね。

  5. makoto より:

    ぽっぽさん>
    そうでしたね。すみません。訂正させていただきました。

  6. makoto より:

    Uボマーさん>
    フラムは、ミュレンステーン監督では厳しいのではないでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドのコーチで実績があっても、監督は別な仕事なので通用するとは限らないということですね。スウォンジーは、パスサッカーは踏襲するのではないでしょうか。三代続いた戦略で、国内カップ制したわけですから。

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