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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

開幕戦は2失点ドロー。ハリー・ケイン売却で資金を得たトッテナムの補強ポイントは?

ジェームズ・マディソンの素晴らしいFKを倒れ込みながら頭で合わせたクリスティアン・ロメロは、今季プレミアリーグ初ゴールを祝福する味方の前で、顔をしかめていました。4分のエンベウモとの競り合いで、頭を強打したショックが残っていたのでしょうか。ポステコグルー監督は、即座にダヴィンソン・サンチェスを用意させ、14分にチェンジしました。

この交代を見て、ブレントフォードが勝つのではないかと思いました。プレミアリーグ2022-23シーズンで、スパーズに1ポイント差の9位に食い込んだチームは、232件の賭博規則違反で8ヵ月の出場停止処分を受けたイヴァン・トニーを欠いています。前線と中盤の新戦力はゼロ。得点力ダウンが懸念されるチームですが、この試合で気になったのはスパーズの守備のほうです。

エメルソンとダヴィンソン・サンチェスでは、ウィサ、エンベウモ、リコ・ヘンリーといったスピードスターを止められないのではないか? 15分に左サイドに縦パスが走ると、ダヴィンソン・サンチェスはウィサにちぎられ、入団したばかりのファン・デ・フェンが逆サイドからカバーに駆り出されています。

ホームチームの同点ゴールは27分。ボックス右脇にいたエンベウモにサイドチェンジが通ったとき、イェンセンに対するソン・フンミンのマークは中途半端でした。斜めのパスを受けたイェンセンを引っかけてしまったのは、背後からチェックする格好になったからです。オンフイールドレビューを経てPKが宣告され、エンベウモが冷静に左に流し込みました

アウェイチームの右サイドの脆弱さが露呈したのは、36分の逆転ゴールのシーンです。敵陣の奥からのFKが、リコ・ヘンリーとエメルソンの間に落ちると、右SBはワンタッチでちぎられてしまいました。折り返しをニアで受けたウィサがフリーだったのは、マークしていたダヴィンソン・サンチェスがGKの前まで下がったからです。

左足のダイレクトショットが、ゴール前にいたファン・デ・フェンの足に当たってゴールへ。逆サイドから、ウィサを止めようと走ってきたウドジェが激怒しています。失点のきっかけとなったエメルソンは、追加タイム4分に強烈なミドルを左隅に叩き込んで責任を取りますが、追加タイム11分にもリコ・ヘンリーに裏を取られて、完璧なグラウンダーを許してしまいました。

フリーで合わせたエンベウモの決定的なフィニッシュがクロスバーを越えなければ、スパーズはそのまま敗れていたかもしれません。58分にヤネルトの強烈な左足シュートを喰らったのも、右のSBとCBの間のエリアからでした。サイドに出ていったダヴィンソン・サンチェスは、簡単に中にパスを出させてはいけません。

9番と10番の仕事を一手に引き受けていたハリー・ケインがいなくなり、ロメロを欠くと守備が不安定になる現状は、TOP4返り咲きは厳しいといわざるをえません。10番の仕事は、いきなり2アシストを記録したジェームズ・マディソンでOKですが、初年度のプレミアリーグでたった1ゴールのリシャルリソンは機能するのでしょうか

この日の見せ場は、ジェームズ・マディソンの美しいラストパスを右足で合わせた65分の1発のみ。最前線のオプションが、ソン・フンミンと19歳のアレホ・ベリスだけでは不安です。CBも1人か2人、インターナショナルクラスが必要でしょう。エリック・ダイアー、ダヴィンソン・サンチェス、タンガンガは、元より移籍の噂が流れています。

モウリーニョとコンテ時代の補強は空振りが多く、現在のスパーズは主力が離脱したらレベルが下がる層の薄いチームになっています。デッドラインデーまでの2週間で、エンドンベレやレギロンを売却しつつ、最前線とCBを強化するという難易度の高いミッションを完遂できるでしょうか。ハリー・ケイン売却で得た資金の使い道に注目しましょう。



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