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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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カイセドは移籍決定、レッズとセインツが合意と報じられたロメオ・ラヴィアもチェルシー希望!

今回ばかりは、リヴァプールがカイセドを強奪という結末になると思っていました。先週の金曜日に、「アスレティック」のデヴィッド・オーンスタイン記者は、「ブライトンが木曜日深夜締切でオークションを行った」とレポートしており、1億1100万ポンドで勝ったレッズとの合意は明快なプロセスだったからです。

デクラン・ライスを獲りにいったマンチェスター・シティが、本人の意向を確認してからオファーを提示したように、マージーサイドもカイセドにその気があるかどうかはチェックしていたはずです。プレミアリーグレコードの移籍金で決まりと報じられた後、メディカルチェックに進むかと思いきや、カイセドはレッズを拒否と報じられました。

「彼はブルーズ一択」といち早く伝えた「スカイスポーツ」のダルメシュ・シェス記者は、「心変わり」と表現。これに対して、ファブリツィオ・ロマーノさんは、「カイセドは約束を守ろうとしている。5月末から個人条件で合意していたチェルシーだけを受け入れると決めた。チェルシーは契約を成立させるために、再びオファーする」と伝えています。

トランスファーマーケットに精通するジャーナリストは、その後の動きを追いかけ、「チェルシーは現在、ブライトンと交渉中。リヴァプールは、ディールから手を引く準備に入った」とフォロー。逆転を目論むロンドンのクラブが、後出しでプレミアリーグレコードを上回る額を提示するという展開になれば、その結果は明白です。

ポチェッティーノ監督もクロップ監督も、早いタイミングでカイセドの意向をキャッチアップしていました。「あまりにも多くのMFが抜けてしまった」と嘆いていたブルーズの指揮官は、プレスカンファレンスで質問を受けると、「所属していない選手について話すつもりはない。敬意を払いたい」と、明言を避けました。

片やレッズのマネージャーは、「クラブが合意に達したのは確認した」といいながら、「選手の様子を見て判断する必要がある。われわれは無限のリソースを持っているクラブではない。この夏に起こったいくつかのことは予想できなかった」と続けました。彼はメディカルチェックに進むかと問われると「わからない」。既に諦めているような口ぶりでした。

続報が入ったのは日曜日、口火を切ったのはファブリツィオ・ロマーノ。その30分後に「スカイスポーツ」が、「英国史上最高額の1億1500万ポンド(約211億円)でブライトンと合意」「最初に1億ポンド、パフォーマンス関連のアドオンが1500万ポンド」「月曜日にメディカルチェックが行われる予定」「MFは8年契約にサイン。さらに1年のオプションがある」と報じました。

ブライトンは、チェルシーがカイセドを売った際に何割かが手に入るセルオン条項も付けたとのこと。4日間のバトルにおける真の勝者は、最高額のオファーを選ぶという姿勢を崩さなかった彼らでしょう。7月末に8000万を提示してから動かなかったチェルシーは、レッズの追撃によって交渉の手段と時間を失い、3500万ポンドを乗せて決めにいくしかなくなりました。

2000万ポンドのバイアウト条項をクリアしていたタイラー・アダムス獲得を白紙に戻したのは、カイセドに積んだからでしょうか。もしそうなら、トップランナーと目されているロメオ・ラヴィアは諦めていないということになります。日曜日のプレミアリーグ開幕戦は1-1ドロー。その翌日、無事にメディカルチェックを終えたカイセドのチェルシー入団が発表されました。

さて、次はロメオ・ラヴィアです。カイセドがチェルシーに行くと伝えられた日曜日、「リヴァプールが6000万ポンドでサウサンプトンのロメオ・ラヴィア獲得合意」と報じられました。ところがその後、セインツのMFもチェルシーを希望というショッキングなニュースが流れています。

「リヴァプールがサウサンプトンと6000万ポンドで合意したにもかかわらず、ロメオ・ラヴィアの希望はチェルシー移籍だ。サウサンプトンとチェルシーはまだ合意には至っていないが、確実に近づいていると考えられている」(「スカイスポーツ」ライアム・トーマス記者)

「サウサンプトンのロメオ・ラヴィアはチェルシーへの移籍を選択した。獲得をめざしていたリヴァプールは、既に決まりと認識している。チェルシーとセインツFCは良好な関係を築いており、クラブ間の契約や個人条件に関して問題はないだろう。移籍金は5000万ポンド前後とアドオンになりそうだ」(「アスレティック」デヴィッド・オーンスタイン記者)

「チェルシーはカイセドとラヴィアの両方を今週中に新戦力として発表したがっているようだ。タイラー・アダムスとの契約をメディカルチェック後に破棄した理由も説明できる。ロメオ・ラヴィアがチェルシー入団を決めたのは、チェルシーが昨夏から彼をほしがっていたからだ」(ファブリツィオ・ロマーノ)

7月に語られていた「レッズがポールポジション」という話自体が、的外れだったようです。先週の報道は、「レッズの本命をチェルシーがハイジャック」というトーンでしたが、ウェストロンドンにしてみれば、「カイセドは時間がかかりそうだから、以前から声をかけていたラヴィアを先に押さえておこう」と考えただけだったのでしょう。

当初の目論見は、カイセドを何とか値切って8000万ポンド、ラヴィアはセインツの希望通り5000万ポンド、タイラー・アダムスが2000万ポンド。ひと騒動を経た着地は、カイセドが1億1500万ポンドでラヴィアは変わらず、タイラー・アダムズは辞退。カイセドの高騰とリーズのMFのキャンセルは誤算でしたが、意中の選手を確保できたと評価していいのではないでしょうか。

選手の気持ちをつかみ、ライバルが合意に至ってからの逆転を連発。トッド・ベイリーの底力を思い知った1週間でした。どうする、リヴァプール…?ターゲットを口説けず、ビッグマネーで何とかしようとしてどんでん返しを喰らうという結末は、マイケル・エドワーズ時代にはなかったはずです。トランスファーマーケットは残り17日。ここから先は、高額請求必至です。(モイセス・カイセド 写真著作者/jamesboyes)


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“カイセドは移籍決定、レッズとセインツが合意と報じられたロメオ・ラヴィアもチェルシー希望!” への1件のコメント

  1. シンさん より:

    この夏は人員整理を優先、と言ってたと思いますが、
    現時点で減少したのは少人数で収支もマイナス、まだまだ取りそうな話もチラホラ、
    何がしたいのやら…

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