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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「われわれにはとてもいいスカッドが…」補強ゼロのポチェッティーノ語録はツッコミどころ満載!

I am not worried, I am not sad – I am so happy(心配していない、悲しくはない、幸せだよ」。補強ゼロに終わったクラブに対して、不満を口にしなかったポチェッティーノ監督は、「目標を達成した」とまでいってのけました。指揮官が評価しているのは、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、エリック・ラメラなど、主力選手と次々に新しい契約を締結したこと。補強ゼロを嘆くのではなく、売却ゼロのほうを見るべきという主張です。これを聞いた多くのプレミアリーグファンが、ツッコミを入れたのではないでしょうか。「大型補強が必要だったんじゃないんですか⁉」…昨季プレミアリーグを3位で終えた直後に、「クラブは勇敢になるべきだ。リスクを取り、新しいアイディアを持ち込む必要がある」とコメントし、ワールドカップが始まる前に補強を終えるようオーダーしたのは、他ならぬポチェッティーノ監督だったからです。

プレミアリーグのトランスファーマーケットが現行のシステムになった2003年以降、誰も補強せずにデッドラインデーを越えたのは今年のトッテナムだけです。2015年の夏に、ヴェンゲル監督のアーセナルが「欧州のトップリーグのクラブで唯一、誰も獲らなかった」と騒がれましたが、この年に補強しなかったのはフィールドプレーヤーで、7月の頭にペトル・チェフと契約を結んでいます。2015-16シーズンのアーセナルは、夏にポドルスキやディアビを放出しつつ、1月にはエルネニーを獲得。2月に首位レスターに劇的勝利を収めて優勝争いに残り、20勝11分7敗で2位フィニッシュを果たしています。「本当のゼロ」のスパーズは、完成度の高さを訴求しながら前年の3位を上回ることができるでしょうか。ポチェッティーノ監督は、意地の悪いプレミアリーグファンがいじりたくなるコメントを連発し、クラブの方針を支持しています。

「われわれにはとてもいいスカッドがある(え…⁉)。素晴らしい選手が揃っており、さらに改善するような選手を加えるのは簡単なことではない」
「もちろん選手を売るわけがなく、既に25人いるので追加するのは困難だ」
「われわれの目標は、レアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティと同じレベルだ。今の状態でなければ、それをめざすのは難しいだろう」
「改善できる選手をスカッドに足せないならば、最も重要な仕事はベストプレーヤーを失わないことになる」
「クラブがマネージャーとベストプレーヤーをキープしたのは、素晴らしい仕事だったと思うね」

まさかの「われスカリターンズ」、あるいは「われスカゾンビ」!?ノースロンドンのライバルクラブのサポーターは、つい先頃クラブに別れを告げた御大が講演会でもやったのかと思ったでしょう。人はみな、スタジアムを建設すると、手持ちの選手が宝物に思えてくるのでしょうか。「新スタジアムを建設する」「補強費用にうるさくなる」「補強しない」「われスカ」の四段論法の炸裂に、胸が熱くなったプレミアリーグファンは、私だけではないのではないかと思います。

…すみません。「We have a very good squad」という言葉にビビッときて悪ノリしてしまいましたが、マジメにいうと、見事に掌を返してポジティブコメントを連発したポチェッティーノ監督を素晴らしいと思っています。不調だった補強のプロセスについて聞かれても、「わからない」ととぼけて一切の不満を口にしなかったからこそ、「今のチームには素晴らしい選手が揃っている」という言葉が、迫力とリアリティをもって聞こえてきます。選手たちのモチベーションは、上がりまくるのではないでしょうか。「この監督のために戦いたい、一緒にトロフィーを手に入れたい」と。

彼が通した「筋」は、自らの発言の整合性ではなく、「クラブと今いる選手を信頼する」というスタンスにあるのでしょう。プレミアリーグでトップクラスの指揮官が発した開き直りとも取れるメッセージに触れ、スパーズは勝ってほしい、チャンピオンズリーグの出場権をゲットしてほしいとあらためて思います。夏が来るたびに、アーセナルに願っていたように。

ハリー・ケイン、デル・アリ、エリクセンが織りなす素晴らしいアタックと、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルト、ロリスらが仕切る堅守…「スパーズは、このメンバーでどこまでいけるのだろうか」とワクワクしながらチャンピオンズリーグを見始めたのは、2年前でした。昨季、レアル・マドリードを圧倒したメンバーがそのまま残ったチームのチャレンジを、今年も観られると思うとテンションが上がります。大物を獲得し続けなければ勝てないということが定説となったプレミアリーグにおいて、「補強ゼロ」のクラブは「後悔ゼロ」のシーズンを送ることができるでしょうか。大型補強で期待大のリヴァプールとともに、こちらも引き続き応援しようと心に誓う次第であります。本日の開幕戦の相手は、武藤嘉起が加わったニューカッスル。不安と期待が、半々です。(文中の引用は「BBC」の記事「Tottenham achieved objective, says manager Mauricio Pochettino」より。翻訳は筆者)

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“「われわれにはとてもいいスカッドが…」補強ゼロのポチェッティーノ語録はツッコミどころ満載!” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    まぁポチェもネタで言ってるんでしょう。
    ジダンが辞任する前にスパーズと契約延長した事を後悔してるかもしれませんね。

  2. スパーズサポ より:

    「我スカ」をポチェの口から聞いた時にはえっ……となりかけましたが確かに現在のスタメン陣に割って入る程の選手を探すのは困難ですし、HGの問題もあって更に難しかったですね。しかし個人的に幸せなのはそれでもレヴィ会長やポチェ、選手を信じられるということだと思います。一ヶ月前にはマルシャル、コヴァチッチ、ベイルが新スタに来るのを夢見ていたのでポジティブが過ぎるのかも知れませんが(笑)

  3. 4 より:

    makotoさんがモウさんにも今いる選手の気持ちも考えてリップして欲しいという感じなのかなあと思います。
    中日に就任した落合監督は今いる選手のレベルをアゲレば優勝出来ると言って補強なしで優勝しました。監督はそうあって欲しいと思います。まあ落合さんはお客を呼べなかったけど。

  4. makoto より:

    みなさま>
    モウリーニョ監督への期待も込めて、書かせていただきました。今いる戦力をモチベートし、成長させてほしいな、と。レッズ以外は抑えめ補強だった今季は、成長促進や抜擢によって勝ち負けが決めるシーズンになるのかもしれません。

  5. タムコップ より:

    なんだかんだでスパーズは上位に留まると思ってはいますが、さすがに「補強0人」のインパクトが強いのと、ポチェッティーノのキャラも相まって、
    いちいち発言に説得力を感じます。
    ポチェッティーノすげえな。

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