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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

久々の新戦力獲得はいつ?「私には決定権がない」と語ったポチェッティーノ監督を応援します!

火曜日の「スカイスポーツ」が6500万ポンド(約89億円)で獲得合意と伝えたリヨンのフランス代表MFタンギ・エンドンベレは、その後続報はなし。週末には発表されるといわれたリーズのMFジャック・クラークも進展がないようで、サポーターを待たせ続けています。昨季プレミアリーグの開幕前は補強ゼロ、ルーカス・モウラを獲得したのは18ヵ月も前のお話です。トッテナムの公式サイトは、トランスファーマーケットなど存在しないかのように、フォイス、ダヴィンソン・サンチェス、セルジュ・オーリエがコパ・アメリカやアフリカネーションズカップでどんなプレイを見せているのかをレポートしています。

マウリシオ・ポチェッティーノ監督は、マーケットが本格的に動き出す7月を前に、ボスの背中を押したかったのでしょうか。カタルーニャのテレビ局「TV3」の番組に出演し、「2年も節約を続けたのだから、強化は可能なはず」と主張した指揮官は、プレミアリーグのライバルたちを引き合いに出して自らの境遇を嘆いてみせました。「マンチェスター・シティとリヴァプールでは、ペップ・グアルディオラとユルゲン・クロップが、獲得したい選手も不要な選手も決めることができる」。トッテナムやチェルシー、アーセナルなどプレミアリーグの2強以外については、「スカッドを決める権利はトレーナーの手にない。われわれなら、会長(ダニエル・レヴィ氏)だ」と、監督に与えられた権限の違いを強調しています。

実際には、リヴァプールはマイケル・エドワーズ、マン・シティではチキ・ペギリスタインという素晴らしいスポーツディレクターがチーム全体を管掌しており、彼らとスタッフが査定した選手を指揮官のオーダーに照らし合わせて獲得交渉をしています。アーセナルとチェルシーも仕組みは変わらないのですが、「チームを強くするためには、監督が求める選手の獲得が必須だ」というために、優勝を争ったチームとセカンドグループの間に線を引いたのでしょう。オーナーに負けず劣らずやりくり上手な指揮官は、自説を主張しつつも、最後にクラブ愛を表明することを忘れませんでした。

「マドリードのようなクラブを強化したり、アルゼンチン代表チームに行ったり、エスパニョールに復帰したりする夢もあるけれど、トッテナムを率いること以外には何も考えなかった」

相変わらず見事なヒット・アンド・アウェイ。このひとことを添えて締めるあたりが、ジョゼ・モウリーニョとの違いです。私は、ポチェッティーノ監督に対して、ペップとは違う怖ろしさを感じています。ビッグクラブに選手を抜かれようが、負傷者に悩まされようが、与えられた戦力を最大限に活用してプレミアリーグの上位に居座ることができる底力には、ポール・インス、ロイ・キーン、ヤープ・スタム、ファン・ニステルローイを平然と追い出したサー・アレックス・ファーガソンと近しい趣があります。

昨季プレミアリーグのスタッツを見ると、この状態でよくぞTOP4フィニッシュに辿り着いたものだとため息が漏れます。デル・アリは年を経るごとに得点力が落ちており、ワニャマとセルジュ・オーリエは長期離脱。エリック・ダイアーとトリッピアーは不安定なプレイが目立ち、終盤戦になるとハリー・ケインがリタイアしてしまいました。最後の12試合を3勝2分7敗と苦しみながらも、それまでの貯金をはたいてぎりぎりで逃げ切りに成功。負傷者だらけの中盤センターを支えたのは、じっくり育てたハリー・ウィンクスと一時は放出要員と伝えられていたムサ・シソコでした。

スパーズサポーターのみなさんに、謝らなければならないことがあります。「タイムズ」が「エリクセンの家族がマドリードで家探し中」と報じると、「もしかして、ポグバが破談になってエリクセンが移籍⁉ ウチに来てほしかったのに!」などと無遠慮に書いてしまいがちで、いやー、すみません。これはひとえに「司令塔がいなくなっても、ポチェッティーノマジックで結局上位に入るでしょ!」と楽観視しているからにほかなりません。ピンチと見ればレヴィ会長がゴリゴリの交渉で代役をあてがい、指揮官があっさり戦力化して快調に勝ち続ける…。カーレースに例えれば、快晴のF1やオーバルトラックで最速のクルマを創り出すのはペップかもしれませんが、24時間耐久レースや悪条件のラリーならポチェッティーノとシメオネの2強となるのではないかと思ったりする次第です。

とはいえレヴィ会長、この夏はいっときましょう。配下の優秀な指揮官に残された目標は、いずれも2位は経験したプレミアリーグとチャンピオンズの頂点しかないのですから。公式サイトの大画面に、ワールドクラスの新戦力の笑顔が掲載される日を心待ちにしております。

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