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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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スパーズ、ガナーズ、ハマーズ…移籍金ゼロのライアン・フレイザーを巡るロンドンバトルロイヤル勃発⁉

Crystal Palace look to beat Tottenham to Ryan Fraser transfer as Jose Mourinho unconvinced(クリスタル・パレスは、ジョゼ・モウリーニョが納得していないライアン・フレイザーの移籍について、トッテナムを打ち負かすようだ)」。コウチーニョとアーセナルが交渉を開始したという報道では足並みが揃ったイギリスメディアは、ライアン・フレイザーの行き先については見解が錯綜しています。冒頭の見出しは「エクスプレス」。彼らの記事には、「トッテナムが獲得に近づいていた」「長らく追いかけていたアーセナルは醒めている」といった2つの前提があるのですが、「ザ・サン」は真っ向から対立しており、「アーセナルがポールポジションにいる」と報じています。

これに異を唱えているのは「ハマーズニュース」で、曰く「ウェストハムは、クオリティの高い攻撃のオプションとしてライアン・フレイザーを狙っているが、スコットランド代表はトッテナムに行きたがっている」。小規模メディアは、1週間前に「ミラー」が配信した「Ryan Fraser sets sights on Tottenham transfer as he prepares for Bournemouth exit(ボーンマスの出口に向かう準備をしているライアン・フレイザーは、トッテナム入りを目論んでいる)」というレポートをベースに置いているようです。全員が一致しているのは、26歳のアタッカーを獲得したチームは、プレミアリーグから降格する危機に瀕しているボーンマスに移籍金を払う必要がないことぐらいです。

プレミアリーグ2018‐19シーズンに7ゴール14アシストを記録したサイドアタッカーは、1年前のアーセナル移籍騒動でフォームを崩したと認めており、1ゴール4アシストというもの足りないスタッツに留まっています。「エクスプレス」が描いている世界では、ご本人はスパーズに興味を示しているのですが、名将のほうは「ビッグ6では通用しないのではないか」と疑念を抱いています。間隙を縫って入り込んできたクリスタル・パレスは、ロイ・ホジソン監督の評価が高く、レギュラーとして迎え入れる準備ができているとのこと。スパーズが動かなければ、選手はプレミアリーグ11位の中堅クラブに流れる可能性があるというのが彼らの主張です。

まとめると、こういうことでしょうか。ガナーズが先制し、ライバルが追いついてきたノースロンドンダービーは、コロナウイルスによるパンデミックに邪魔されて両者ともビルドアップに専念。スタンドでゲームを見守っていたサウスとイーストが、移籍金ゼロの即戦力を横取りできるチャンスと捉え、ピッチに乱入してきた…。「エクスプレス」はおそらく作文、「ザ・サン」も飛ばし気味で、私も推測という何とも締まらない話ではありますが、これほど先が見えない争奪戦は珍しく、書かずにはいられなくなった次第であります。

エディ・ハウ監督のパスサッカーに馴染んできた選手ゆえ、ホジソンやデヴィッド・モイーズのクラシックなスタイルには背を向けて、アルテタやモウリーニョの下でチャレンジしたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。モウリーニョ監督が彼のポテンシャルを疑問視しているなら…いや、これ以上掘り進むと、イザベル・バーカー記者のトーンが怪しい「ザ・サン」推しになってしまうので、寸止めしておきましょう。壮大なロンドンバトルロイヤルはファンタジーかもしれませんが、ライアン・フレイザーのキャリアステップが決まるまでに時間が必要ということだけは確かです。


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