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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ほしかったのは守備力とリーダーシップ。トッテナムがセインツの主将ホイビュルクを獲得!

チェルシーがハキム・ツィエクとティモ・ヴェルナー獲得というロケットスタートを決めると、マンチェスター・シティは負けじとフェラン・トーレス&ナタン・アケ。慎重モードと伝えられていたリヴァプールは、ロバートソンのバックアッパーとなるコンスタンティノス・ツィミカスを1170万ポンドで押さえました。プレミアリーグ2019-20シーズンのTOP4が、コロナウイルスなどどこ吹く風とばかりにチームづくりを進めるなかで、アーセナルはレンタルしていたパブロ・マリとセドリク・ソアレスを引き入れる堅実補強。ビッグ6のなかで動きがないのは、1月に即戦力を加えたマンチェスター・ユナイテッドとトッテナムだけとなっていました。

ヨーロッパリーグを戦っているマンチェスター・ユナイテッドは、ジェイドン・サンチョの去就が決まらなければ動きにくそうです。一方、沈黙を守っていたトッテナムは、先週から獲得間近と報じられていた中盤センターとの契約完了を発表しました。夏の補強第1号は、サウサンプトンの主将ピエール・エミール・ホイビュルク。2013年4月にバイエルン・ミュンヘンでブンデスリーガ初出場を果たしたセントラルMFは、17歳251日というクラブ史上最年少デビューを記録した逸材でした。バイエルンでは伸び悩んで3シーズン通算17試合出場に留まり、2015年の冬以降はアウグスブルクとシャルケ04にレンタルされ、2016年7月にサウサンプトンに移籍。以来4シーズンでプレミアリーグ109試合4ゴール4アシストというスタッツを残しています。

ジョゼ・モウリーニョ監督が25歳のデンマーク代表に目をつけたのは、現在のチームに足りない2つの要素を加えたかったからでしょう。ひとつは、中盤の守備と展開力です。負傷に悩まされ続けたヴィクター・ワニャマは3月にMLSのモントリオール・インパクトに移籍。エリック・ダイアーは以前の彼にあらず、名将の就任以降は中盤で機能した試合がほとんどありません。ハリー・ウィンクスはアンカーが適役とはいえず、最もフィットしそうなシソコも、右サイドから攻め上がらせたほうが輝くでしょう。中盤の底のスペースを埋め、ロングフィードで前線を動かせるセインツのMFは、今のスパーズに欠けているタレントです。

もうひとつは、チームを束ねるリーダーシップ。ロリス、アルデルヴァイレルト、ホイビュルク、ハリー・ケインと、縦のラインに周囲をケアできる選手を配することができれば、攻守の切り替えやラインコントロールの精度を高められるとにらんだのではないかと思われます。「BBC」によると、このたびの5年契約を成立させるための移籍金は、「セインツが提示した2500万ポンドは下回るが、トッテナムのオープニングオファーの1500万ポンドよりはかなり上」だそうです。

ホイビュルクの獲得と同時に、セインツにレンタルしていたカイル・ウォーカー=ピータースが完全移籍に切り替わっており、「スカイスポーツ」が移籍金1200万ポンドと報じています。差し引き500万~1000万ポンドでプレミアリーグの経験豊富なMFを獲れたなら、お買い得案件だったといえるでしょう。オープンしたばかりのトッテナム・ホットスパー・スタジアムにサポーターを集められなくなり、NHS(国民健康サービス)のドライブスルーテスト会場として提供していたクラブは、多額の投資をできる状況ではありません。

セルジュ・オーリエのバックアッパー、フェルトンゲンの後釜、最前線のオプションを押さえたいところではありますが、ダニエル・レヴィ会長は、モウリーニョ監督が納得する人材の確保に動くのでしょうか。財布の紐の固さに定評がある会長が、どんなやりくり術でCL返り咲きをめざすのかに注目したいと思います。ホイビュルク、楽しみですね。(ピエール・エミール・ホイビュルク 写真著作者/Solent Creatives)


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