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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「ザ・サン」が流した「ハリー・ケインの移籍ほぼ決まり説」に、現地メディアが一斉反論!

昨日は、「ザ・サン」の怪しいニュースを紹介しました。「マンチェスター・シティがハリー・ケイン獲得のために1億6000万ポンド(約243億円)でオファーを出し、ダニエル・レヴィ会長がこれを承諾」。プレミアリーグ得点王&アシスト王の残留に、あれほどこだわっていたやり手の会長があっさり翻意したといわれても、そうですかと簡単に呑み込めるものではありません。

とはいえ、ときどきかましてくるタブロイドが記事を配信すると、現地メディアの記者やジャーナリストたちは、あまりにも自信たっぷりな論調に面食らったようです。当初は「ザ・サンからこんなん来ましたけども…」と、記事の概要やリンクを紹介。しかし数時間後には、情報が整理できたからか、続々と反論が飛び交うようになりました。昨季プレミアリーグ王者の地元メディア「マンチェスター・イブニングニュース」のスチュワート・ブレナン記者は、両チームの声明を紹介して話を終わらせようとしています。

「トッテナムは、ハリー・ケインの売却を望んでいないという姿勢をあらためて表明」
「マンチェスター・シティは、トッテナムのストライカー、ハリー・ケインの獲得に1億6000万ポンドで合意したという話はナンセンスだと明言」

ノーズロンドンは「Not for sale」、マンチェスターはそんな大金を払うわけがないと一蹴したとだけ伝えた地元メディアに対して、「BBC」のサイモン・ストーン記者の語り口はソフトです。

「関係者によると、2024年まで契約があるケインは、オフィシャルなトランスファーリクエストを提出しておらず、移籍の希望を直接伝えてもいない」
「ケインは、ダニエル・レヴィ会長との間に紳士協定が存在するため、夏の退団は認められていると考えている」
「シティの関係者は、これほどの金額は払わないだろうといっている」

プレミアリーグレコードとなる移籍金の合意は否定しながらも、ディールが成立する可能性については「現段階では何ともいえない」という微妙な表現。「BBC」の名物記者は、ソン・フンミンの新契約締結を早期に実現したファビオ・パラティチMDをキーマンに指名しています。

「彼の幅広い人脈で新たなストライカーと適切な契約を結べば、ファンは不本意ながらもケインのいない未来を受け入れることになるかもしれない」。プレミアリーグ2021-22シーズンの開幕までに、「ザ・サン」の作文(?)が事実になる可能性は否定できないようです。

「テレグラフ」のジェームズ・ダッカー記者も「マンチェスター・シティは、ルベン・ディアスよりも9500万ポンドも高額の移籍金は払わない」と主張。「レビィ会長はスター選手を強引に売ってきた経緯があり、シティはケインがその枠に入る最新の選手であることを願っている」として、あくまでも1億ポンド前後の駆け引きに終始するという見方を示しています。

「ケインにはスパーズへの愛着がある。クラブが自分に対するオファーに真剣に耳を傾けてくれるという紳士協定を結んでいることもあって、険悪な雰囲気だけは避けたいと考えているようだ」
「レヴィ氏は、自らのピークの年になると考えているストライカーが、新たなチャレンジをしたがっているのを充分に理解している」

マン・シティはほしい、ハリー・ケインは行きたい、レヴィ会長は出したくない…ガマン比べの状態に変化が生じるとすれば、そのきっかけは移籍金の増額ではなく、スパーズのトップの心変わりだといっています。この視点は、サイモン・ストーンさんの「現段階では何ともいえないが、新しく来たMDによって状況は変わるかもしれない」という指摘や、5月にガリー・ネビルさんとのポッドキャストで語ったストライカーの言葉とも符合します。

「会長が何を考えているかわからないけど、僕を売りたがっているのかもしれない。『1億ポンドをもらえるなら、売ってもいいだろう』とね。わかるでしょう?2~3年も経つと、そんな価値はなくなるからね」

ジャーナリストのデヴィッド・オーンスタインさんも、「マンチェスター・シティはハリー・ケインへの移籍でトッテナムの要求に応えようとはしないかもしれないが、この物語は夏の終わりまで続く可能性がある」。中砲火を喰らい、一気に旗色が悪くなった「ザ・サン」ですが、果たして真相は…!?


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