偏愛的プレミアリーグ見聞録

「スターリングがチェルシー？正直いって、彼はシティにいた方が安全だと思う。シティでは、キャリアで最高のフットボールをしてきた」

「シティファンとしては、スターリングをチェルシーに出すのは最大のミステイクだと思う」

「スターリングをチェルシーに売るのは大きな過ちだ。彼ら自身を弱体化させ、ライバルのひとつを強化するわけだから。マネの代役としてリヴァプールに戻したいけど、ファンの大半は彼を受け入れないだろうね。とても悪い条件で去ったので、ユルゲン・クロップが何をしでかすか想像がつく」

「潜在的なタイトル争奪戦のライバルに売れば、彼らの背中に噛み付かせることになるかもしれない。絶対狂っている。彼はなぜ、そんなに人気がないんだ？」

マンチェスター・シティ目線で捉えれば、ラヒム・スターリングをチェルシーに売るのはリスキーのひとことでしょう。「スカイスポーツ」のトランスファーライブブログで繰り広げられている論争で、売るべきという声はありませんでした。2015年の夏にリヴァプールに移籍してから、7シーズン。プレミアリーグ225試合91ゴールという数字を残したスピードスターは、直近5年は2ケタゴールを続けています。

ガブリエウ・ジェズスがアーセナル移籍間近と報じられてから、トゥヘル監督がスターリング獲得を熱望しているという記事が増えました。「スカイスポーツ」によると、プレミアリーグ2021-22シーズンを3位で終えた指揮官は、インテル復帰が濃厚なロメウ・ルカクよりも自らのプレースタイルに合うと考えているとのこと。問題は移籍金で、契約期間が残り1年にもかかわらず、マン・シティは6000万ポンドを要求するといわれています。

シティズンの大多数は残留希望ですが、イングランド代表のワールドカップ制覇を願うファンと、ブルーズサポーターの過半はウェストロンドンがベターといっています。アーリング・ブラウト・ハーランドのセンター定着によって、フォーデン、グリーリッシュ、マフレズ、フリアン・アルバレスがサイドのポジション争いを展開するとなると、出場機会が減るのはガブリエウ・ジェズスだけじゃないという見方です。

「スターリング、チェルシー、イングランドにとっていい動きだ。チェルシーではより多くプレイできるので、イングランドはより危険な存在になり、全員が得をする。弱くなった今季のラ・リーガで平均的だったデンベレより信頼できる」

「移籍はすべてにおいて、理にかなっている。スターリングは、ワールドカップのスターティングメンバーとしての地位を固めなければならない。定着するためには試合が必要だ。彼の後ろには若い才能が育ってきている」

「QPRのアカデミーでキャリアをスタートさせた彼は、ウェンブリーのアーチの陰で育ち、リヴァプールに行く前の多くの時間をロンドンで過ごしている。ロンドンに家族とのつながりと歴史があるのが、この状況において大きな要因になりえるのではないか。チェルシーはプレミアリーグのビッグプレーヤーであり、多くのトロフィーを獲得している。スターリングの望みは、最高レベルでプレイすることだ」

好不調の波があったカイ・ハヴェルツ、ヴェルナー、ルカクを見てきたブルーズサポーターの多くは、スターリングの安定感を評価しているようです。トゥヘル監督は、センターで活かそうとしているのでしょうか。左サイドに配して、中央のカイ・ハヴェルツやヴェルナーに余裕をもたらすのが妥当だと思いますが、アンリやファン・ペルシのようなコンバートというプランも興味をそそられます。

ワールドカップをめざすスピードスターを歓迎する声が多いなかで、高額の移籍金を懸念する声も見受けられます。バイエルンに移籍するといわれているサディオ・マネは3500万ポンド。3つ年下とはいえ、契約が残り1年となった選手に6000万ポンドといわれると、心にブレーキがかかる人もいるでしょう。

「たとえスターリングが実績のある選手で、ディールできるとしても、デンベレをフリーで獲得するほうがいい。われわれの予算は、ディフェンスを優先させるべきだ」

「プレミアリーグでの実績があり、リーダーであり、チェルシーに今いる選手よりも安定したフィニッシャーだ。とはいえ、5000万ポンド以下なら獲る価値はあるけど、それ以上となると高価なギャンブルになるね」

トランスファーライブブログの最新投稿は、「チェルシーは、マンチェスターとイングランドのFWとのサインに自信あり」と題した記事を紹介しています。交渉を重ねれば、バイエルンがレッズに支払うフェアな金額に近づくと確信しているとのこと。アーセナルはジェズス、チェルシーはスターリング…前線を強化したいロンドンのクラブと出場機会を求める2人のアタッカ―は、どんな結論を出すのでしょうか。続報に注目しましょう。