2022.07.03 移籍ニュース2022-23移籍ニュース
名将に請われて加わり、勝者として去る。リヴァプールに別れを告げた南野拓実の2年6ヵ月。
モハメド・サラー、ルイス・ディアス、ダルウィン・ヌニェス、ディオゴ・ジョッタ、ロベルト・フィルミーノ。リヴァプールは、たった半年でプレミアリーグ最強のフロントスリーをモデルチェンジしました。1月にポルトから獲得したルベン・ディアスは25歳。6月にベンフィカからやってきたダルウィン・ヌニェスは23歳の新鋭です。
ポルトガル勢と入れ替わりで退団となったのは、レジェンドと称すべきサディオ・マネと、ラストイヤーのプレミアリーグで先発ゼロだったデイヴォック・オリギ。そしてもうひとり、アンフィールドで2シーズンを過ごしたタキ・ミナミノもチームを去ることになりました。
レッズがサルツブルグに支払った移籍金は、バーゲン価格の725万ポンド。この夏、ポール・ミッチェルSDが獲得を熱望したモナコは、移籍金1290万ポンドにアドオン260万ポンドという条件を呑んでいます。FAカップとカラバオカップの得点王の売買でプラス800万ポンドなら、ジュリアン・ウォードSDも納得でしょう。
あらためて、南野拓実の濃密な2年半を振り返ってみましょう。公式戦55試合14ゴール、プレミアリーグ30試合4ゴール。2020-21シーズンの後半戦はセインツにローン移籍となり、プレミアリーグ10試合2ゴールというスタッツを残しています。
ワールドクラスがひしめくクラブに、1月から合流という難易度の高いスタートが、彼の運命を決めてしまったように思います。最初の半年は14試合ノーゴール。2020-21シーズンも、うまくフィットしたとはいえず、プレミアリーグの前半戦の先発は2試合に留まっています。
輝きを見せたのは、リンカーンと戦ったカラバオカップ3回戦の2ゴール1アシストと、開始3分にプレミアリーグ初ゴールをゲットした14節のクリスタル・パレス戦のみ。セインツでも揮わなかったストライカーは、夏の放出候補と目されながらも、何とかチームに残ることになりました。
アンフィールドの声援を背中に受けて戦った最後のシーズン。この1年があったからこそ、われわれは今、晴れやかな気分で移籍のニュースを聞くことができるのでしょう。公式戦24試合10ゴール。トータルの出場時間1008分を90で割ると、11試合10ゴールとなり、モー・サラーをしのぐハイペースです。
オンターゲット11本で10発も、驚異のスタッツ。カラバオカップは5戦4発でチーム得点王、FAカップ4戦3発も得点王です。2つの国内カップでチーム得点王を獲得したレッズの選手は、過去4人だけ。顔ぶれを知ると、いかに素晴らしい記録なのかがよくわかります。
1980-81のケニー・ダルグリッシュ、1995-96のロビー・ファウラー、2005-06のスティーヴン・ジェラード、3回達成のイアン・ラッシュ。歴史を彩るスターたちと並ぶパフォーマンスを披露した日本代表がいなければ、クロップ監督のチームは無冠で終わっていたかもしれません。
最も美しかったゴールは、FAカップ5回戦のノリッジ戦でニアをぶち抜いたスーパーボレー。最も重要なゴールは、カラバオカップ準々決勝の劇的な同点ゴールでしょう。2-3で負けていた95分、ミルナーのクロスを胸でトラップして右隅に収めた極上のボレーとスタンドの歓喜。何度リプレイを見ても、胸が熱くなるシーンです。
「素晴らしいプロフェッショナル。スーパーで、才能にあふれた選手だ」と南野を評してくれたクロップ監督に、ひとつだけいいたいことがあります。10分でも、5分でも、いや、最後の1分でいいから、チェルシーと戦った2つのファイナルで南野を起用してほしかった…。
レスター戦でPKを打ち上げた18番を、ケパやメンディの前に立たせたくなかったのでしょう。それは、わかります。優勝という結果が、ジャッジが正しかったことを証明しています。指揮官の心情を想像しながら、それでもウェンブリーのピッチに立つ南野を観たかったという思いを拭い去れずにいるのです。
9試合7ゴールの国内カップマイスターは、PK戦にもつれ込む前に、素晴らしいゴールを決めてレッズを勝利に導いてくれたのではないか。
世界最高レベルのクラブにおける南野のチャレンジが終わりました。2年6ヵ月の在籍中に、プレミアリーグ、FAカップ、カラバオカップのトロフィーを獲得。心残りは、ビッグイヤーを手にした最初の日本人選手になれなかったことぐらいでしょう。
iノリッジ戦の2発、レスター戦のゴール&アシスト、フィルミーノの背中に乗って拳を突き上げたブレントフォード戦のバースデーゴール…今でも、ときどき見直すゴールシーンがあります。名将に請われて加わり、勝者として去るタキ・ミナミノを心から称えたいと思います。最後に、レッズサポーターに向けて残した本人のメッセージを紹介して、この稿を締めさせていただきます。
「親愛なるLFCのサポーターのみなさんへ。2年半前にLFCファミリーに加わったときはとても幸せでしたが、私の時間は終わりを迎えました」
「ファンタスティックな時間を過ごすことができました。アンフィールドで、みなさんから受けた多大なサポートを忘れることはないでしょう。みなさんのご多幸をお祈りしています」
「Sayonara, goodbye. YNWA. Taki.」
ポルトガル勢と入れ替わりで退団となったのは、レジェンドと称すべきサディオ・マネと、ラストイヤーのプレミアリーグで先発ゼロだったデイヴォック・オリギ。そしてもうひとり、アンフィールドで2シーズンを過ごしたタキ・ミナミノもチームを去ることになりました。
レッズがサルツブルグに支払った移籍金は、バーゲン価格の725万ポンド。この夏、ポール・ミッチェルSDが獲得を熱望したモナコは、移籍金1290万ポンドにアドオン260万ポンドという条件を呑んでいます。FAカップとカラバオカップの得点王の売買でプラス800万ポンドなら、ジュリアン・ウォードSDも納得でしょう。
あらためて、南野拓実の濃密な2年半を振り返ってみましょう。公式戦55試合14ゴール、プレミアリーグ30試合4ゴール。2020-21シーズンの後半戦はセインツにローン移籍となり、プレミアリーグ10試合2ゴールというスタッツを残しています。
ワールドクラスがひしめくクラブに、1月から合流という難易度の高いスタートが、彼の運命を決めてしまったように思います。最初の半年は14試合ノーゴール。2020-21シーズンも、うまくフィットしたとはいえず、プレミアリーグの前半戦の先発は2試合に留まっています。
輝きを見せたのは、リンカーンと戦ったカラバオカップ3回戦の2ゴール1アシストと、開始3分にプレミアリーグ初ゴールをゲットした14節のクリスタル・パレス戦のみ。セインツでも揮わなかったストライカーは、夏の放出候補と目されながらも、何とかチームに残ることになりました。
アンフィールドの声援を背中に受けて戦った最後のシーズン。この1年があったからこそ、われわれは今、晴れやかな気分で移籍のニュースを聞くことができるのでしょう。公式戦24試合10ゴール。トータルの出場時間1008分を90で割ると、11試合10ゴールとなり、モー・サラーをしのぐハイペースです。
オンターゲット11本で10発も、驚異のスタッツ。カラバオカップは5戦4発でチーム得点王、FAカップ4戦3発も得点王です。2つの国内カップでチーム得点王を獲得したレッズの選手は、過去4人だけ。顔ぶれを知ると、いかに素晴らしい記録なのかがよくわかります。
1980-81のケニー・ダルグリッシュ、1995-96のロビー・ファウラー、2005-06のスティーヴン・ジェラード、3回達成のイアン・ラッシュ。歴史を彩るスターたちと並ぶパフォーマンスを披露した日本代表がいなければ、クロップ監督のチームは無冠で終わっていたかもしれません。
最も美しかったゴールは、FAカップ5回戦のノリッジ戦でニアをぶち抜いたスーパーボレー。最も重要なゴールは、カラバオカップ準々決勝の劇的な同点ゴールでしょう。2-3で負けていた95分、ミルナーのクロスを胸でトラップして右隅に収めた極上のボレーとスタンドの歓喜。何度リプレイを見ても、胸が熱くなるシーンです。
「素晴らしいプロフェッショナル。スーパーで、才能にあふれた選手だ」と南野を評してくれたクロップ監督に、ひとつだけいいたいことがあります。10分でも、5分でも、いや、最後の1分でいいから、チェルシーと戦った2つのファイナルで南野を起用してほしかった…。
レスター戦でPKを打ち上げた18番を、ケパやメンディの前に立たせたくなかったのでしょう。それは、わかります。優勝という結果が、ジャッジが正しかったことを証明しています。指揮官の心情を想像しながら、それでもウェンブリーのピッチに立つ南野を観たかったという思いを拭い去れずにいるのです。
9試合7ゴールの国内カップマイスターは、PK戦にもつれ込む前に、素晴らしいゴールを決めてレッズを勝利に導いてくれたのではないか。
世界最高レベルのクラブにおける南野のチャレンジが終わりました。2年6ヵ月の在籍中に、プレミアリーグ、FAカップ、カラバオカップのトロフィーを獲得。心残りは、ビッグイヤーを手にした最初の日本人選手になれなかったことぐらいでしょう。
iノリッジ戦の2発、レスター戦のゴール&アシスト、フィルミーノの背中に乗って拳を突き上げたブレントフォード戦のバースデーゴール…今でも、ときどき見直すゴールシーンがあります。名将に請われて加わり、勝者として去るタキ・ミナミノを心から称えたいと思います。最後に、レッズサポーターに向けて残した本人のメッセージを紹介して、この稿を締めさせていただきます。
「親愛なるLFCのサポーターのみなさんへ。2年半前にLFCファミリーに加わったときはとても幸せでしたが、私の時間は終わりを迎えました」
「ファンタスティックな時間を過ごすことができました。アンフィールドで、みなさんから受けた多大なサポートを忘れることはないでしょう。みなさんのご多幸をお祈りしています」
「Sayonara, goodbye. YNWA. Taki.」
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更新ご苦労様です。
もう少しアンフィールドのピッチでみたかったのですが、両者納得の移籍。レッズもタキの見送り方はチームとしての気持ちも感じます。
アンフィールドに帰ってくる時はKOPから歓迎される選手の一人でしょう。
モナコでも輝いて欲しいです!