シュチェスニーはローマ移籍、セインツがコーカー獲得。代表クラスの即戦力が続々と移籍発表!
プレミアリーグ通算132試合出場の元エースGKに目をつけたのは、ASローマでした。ユヴェントスに次ぐ2位でシーズンを終えたこのクラブの課題は、ゴールマウスに立つデ・サンクティスが38歳となり、レベルの高い後継者がいないこと。シュートへの反応が鋭いシュチェスニーは、次世代のエースGK候補として悪くない人選だと思います。時折ペナルティエリアを飛び出して抜かれたり、FWの抜け出しへの対応が遅れてPKを与えるようなプレイをしでかしてしまう冷静さのなさ、判断ミスが減れば、欧州のトップクラブのゴールをまかせられるGKという評価を得られるはずです。入団当初はデ・サンクティスの控えという立場で我慢することになるかもしれませんが、チャンピオンズリーグの出場権を持っているローマなら、一定の出場機会はあるでしょう。
シュチェスニーは、ローマの公式サイトのインタビューに応えて、「ローマからオファーをもらったとき、ヴェンゲル監督に相談した。彼は、ローマに加わってチャンピオンズリーグでプレイし、セリエAのタイトル獲得にチャレンジすることは僕の成長のためになるといってくれた。この1年間に魂を捧げ、クラブのためにベストを尽くす。シーズンが終わったとき、多くの勝利と数々のトロフィーをチームにもたらすことができると信じている」と語っており、戦う準備はできているようです。ローマで活躍すれば片道切符となり、プレミアリーグに戻ってくることはなくなるかもしれませんが、もしそうなれば、彼にとっては幸せでしょう。新天地でのシュチェスニーの活躍に期待したいと思います。
サウサンプトンが発表したのは、アルデルヴァイレルトの獲得失敗とガルドシュの長期離脱で本職が吉田麻也とフォンテだけと手薄だったCBの補強です。QPRから来たスティーブン・コーカーなら、アルデルヴァイレルトが去った後を充分継げるのではないでしょうか。2012年のロンドンオリンピックでイギリス代表に選ばれ、イングランド代表にまで上り詰めた191センチの大型CBは、まだ23歳。トッテナムのユース出身で、スウォンジー、カーディフなどさまざまなクラブでのプレイ経験を積んでおり、プレミアリーグのサッカーに戸惑うことのない即戦力の獲得は、クーマン監督のオーダー通りなのではないでしょうか。今シーズンはレンタルという形になりますが、貢献度が認められれば完全移籍にスイッチする可能性も充分でしょう。
スピードという弱点があったアルデルヴァイレルトよりも手強いライバルの出現で、吉田麻也は今季も「控えの一番手」という定位置でシーズンを過ごすことになりそうです。遅咲きの31歳・フォンテは、加入当初の吉田麻也の控えだった選手なので、ポジション争いに勝ってセインツの上位進出に貢献してほしいのですが…。日本代表CBを応援するサポーターとしては、やきもきさせられる話ではあるものの、セインツにとっては納得の補強でしょう。昨季のプレミアリーグで目の肥えたファンをうならせた堅守が維持できれば、クーマン監督のチームが2年連続でヨーロッパリーグ出場権を獲得できる可能性が高まります。
そのセインツが狙っているといわれていたハル・シティのジェームス・チェスターは、WBAへの移籍が決定しました。イギリスメディア「BBC」は4年契約、推定800万ポンド(約15億4000万円)と伝えています。181センチとCBとしては上背がないにも関わらず、屈強なDFを好むトニー・ピューリス監督が「好きなタイプの選手」と語っているのは、ファイティング・スピリッツの高さゆえでしょう。ライバルのウェストハムやストークが派手に補強を進めるなか、WBAは静かでしたが、26歳の即戦力の獲得で、彼らの最終ラインはより安定感を増すのではないでしょうか。
もうすぐ8月。毎日のように移籍決定発表がある時期にさしかかりました。今日あすで、ヨヴェティッチやアデバヨルあたりの正式発表があるかもしれません。引き続き、ウォッチしてまいります。
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