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ジョン・ストーンズ獲得間近のマンチェスター・シティ。本当の脅威はあの選手の覚醒?

今度こそ、決まるでしょうか。イギリス紙「デイリー・メール」「デイリー・ミラー」「エクスプレス」などが、イングランド代表DFジョン・ストーンズのマンチェスター・シティ移籍が近づいていると一斉に報じました。3バックと4バックを自在に操り、後ろからのフィードを重視するペップ・グアルディオラにとって、パスセンスがあって右SBもこなせるジョン・ストーンズはうってつけの人材なのはわかるものの、5000万ポンド(約69億2000万円)はなかなかのお値段です。

2013-14シーズンのプレミアリーグデビューから、出場試合数は公式戦95試合、リーグ戦は77。負傷で離脱していた期間があり、30試合以上に顔を出したのは昨季が初めてでしたが、シーズンを通じて集中力を欠いたプレイが目立ち、ユーロ2016でピッチに立つことはできませんでした。22歳の逸材は、ペップの下で持てるポテンシャルを発揮できるでしょうか。コンパニとオタメンディがいるマン・シティは、簡単にレギュラーポジションを与えてもらえるチームではありません。

1年前には、モウリーニョ監督のチェルシーがジョン・ストーンズ獲得に乗り出しましたが、4回のオファーはすべてエヴァートンが拒否。プレミアリーグ開幕直後のグディソンパークでは、地元出身のザ・ビートルズの名曲をもじったチャント「Can’t buy you Stones」がこだまし、最終的には4000万ポンドまで移籍金を引き上げたチェルシーは、イングランド代表DFを手に入れることはできませんでした。

Martinez said he’s not for sale, and I was satisfied.
Chelsea want those kind of things, that money just can’t buy.
I don’t care too much for money.
Money can’t buy you Stones, can’t buy you Stones…No, no, no, noooo.

もう、この歌を聞くことはなさそうです。エヴァートンは何とか1年は耐えてみせたものの、ジョン・ストーンズが新契約にサインしないとなると、引き留めも限界です。チェルシーの上をいくマン・シティの5000万ポンドには、売ったほうが得策と判断したのでしょう。クーマン監督のチームは後任候補を物色し始めているといわれており、ナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリや、ポルトのDFブルーノ・マルティンス・インディなどの名前が挙がっています。レスターからエヴァートンに移籍したスティーヴ・ウォルシュFDの最初の仕事は、綻びや穴が目立つ最終ラインの補強・整備となりそうです。

2009年の冬にマンチェスター・シティにやってきたロベルト・マンチーニは、フルシーズン戦った3年を失点34以内におさめたのに対して、2013年の夏に就任したマヌエル・ペジェグリーニ監督のプレミアリーグ初年度は37。以降、年々失点は増えており、前評判が高かったマンガラとオタメンディは、いずれも安定的なディフェンスを披露しているとはいい難い状況でした。一方、ペップ・グアルディオラのバイエルンは、年間試合数34で1強状態だったとはいえ、3年のうち2年を失点20以下に抑えています。コンパニがいるかいないかでまったく違うチームになっていたマンチェスター・シティの最終ラインの不安定さは、ペジェグリーニ監督の限界だったのかもしれません。スペイン人の名将の就任で、彼らの後ろは堅さを取り戻すのではないかと思われます。

そう考えると、ジョン・ストーンズがマン・シティに入ったとしても、その出番はさほど多くはないかもしれません。ライバルチームにとっては、若きイングランド代表もさることながら、マンガラやオタメンディが前の所属チームで見せていた素晴らしい守備を思い出すほうが脅威です。とりわけ、2014-15シーズンにバレンシアに戻ったオタメンディのハードマークは超人的。昨年の8月にマンチェスター・ユナイテッド獲得間近と報じられた際のぬか喜びの虚しさは、2011-12シーズンのプレミアリーグ最終節の残り30秒でアグエロに決勝ゴールを叩き込まれ、優勝をさらわれたとき以来のインパクトでした。プレミアリーグデビューシーズンだった昨季はポジショニングミスが気になったものの、2年めの新チームで、オタメンディが覚醒するのではないでしょうか。その意味でも、チーム内競争が激化するストーンズ獲得はプラスだと思います。

今季のプレミアリーグでペップに勝ちたければ、失点を30前後に留めるか、得点を80以上にするか、どちらかは必須でしょう。ズラタンとミキを獲得したマンチェスター・ユナイテッドは、昨季の49に新戦力が30以上乗せるぐらいの勢いが必要となります。うーん、なかなか厳しい。どうしても、隣の芝が青く見えます。ペップ新監督の補強は、ここまでは順調のようです。

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“ジョン・ストーンズ獲得間近のマンチェスター・シティ。本当の脅威はあの選手の覚醒?” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    昨季もそこまでいいパフォーマンスではなかったストーンズが本当に必要かどうかは別としてシティはCBの補強は必須でしょう
    コンパニは確かにいますがあまりに怪我が多くたぶん来季もシーズンの半分もいるかどうか定かではないので仮にストーンズが来ればオタメンディの隣で多くの出場機会があると思われます(マンガラが復調すれば別ですが)

    —–
    シティは馬鹿みたいに毎年CBに金使いますね。

  2. makoto より:

    大砂嵐ファンさん>
    オタメンディが真価を発揮する、マンガラとジョン・ストーンズのブレイクと、どれも可能性があって楽しみです。ペップのチームはここ2年、負傷者を多く出していたので、コンパニの無傷は考えづらいですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ナスタシッチがまっすぐ成長してくれていればよかったのですが。

  3. makoto より:

    ジャカぐらいしか即戦力が来ていないチームからしたらズラタンとミキでも十分青い芝に見えます(笑)

    —–
    Göönerさん>
    どこかのクラブのファンになると、ライバルクラブはいつも「青く見える隣の芝」ではありますね(苦笑)

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