偏愛的プレミアリーグ見聞録

8日にマンチェスター・シティが提出したチャンピオンズリーグの登録選手リストにジョン・ストーンズの名前があると報じられ、騒然としていた矢先に、クラブ公式サイトが22歳のイングランド代表CBの入団を発表しました。6年の長期契約で、背番号は24。ギュンドアン、ムーイ、ノリート、ジンチェンコ、レロイ・サネ、ガブリエウ・ジェズス、マウロス・モレノに続くペップ就任後8人めの新戦力です。「スカイスポ―ツ」によると、移籍金は4750万ポンド。250万ポンドのオプションがついており、最終的にはエヴァートンが希望していた5000万ポンドに届く契約となっているようです。この金額は、チェルシーからパリ・サンジェルマンに移籍したダヴィド・ルイスと並ぶDFとしてのプレミアリーグ史上最高額。昨季プレミアリーグでエヴァートンの最終ラインを束ね、初めて30試合以上に出場したCBは、コンパニやオタメンディのいるクラブでレギュラーの座をつかめるでしょうか。

アイトール・ベギリスタインFDは、「彼をシティに連れてくるために尽力した。欧州最高のDFのひとりと契約したと思っている」と手離しで称賛していますが、ユーロ2016でケーヒルとスモーリングからポジションを奪えなかったのは、昨季プレミアリーグと代表のゲームで見せた不安定なプレイが原因でした。スケールの大きさは、誰もが認めるところ。ジョン・ストーンズが新しいクラブで最初に戦う相手は、ときどき集中力を失う彼自身なのかもしれません。強力なライバルが揃っているプレミアリーグの優勝候補筆頭クラブで、常時試合に出場することの難しさはご本人も感じており、期待と覚悟が入り混じった緊張感の高いコメントを寄せています。

「契約は完了した。シティに入団することができてとてもうれしいよ。偉大なマネージャーが率いる野心あるクラブだ。エティハド・スタジアムで起こってきたことをずっと見てきた。チームの目標達成に貢献できるときを待ちきれない。このチームでポジションを得るのが大変なのはわかっているけど、ベストプレイヤーになってチームを成功に導きたいと強く思っている」「エヴァートンで素晴らしい時間を過ごした。彼らとファンの幸せを祈っている。でも今、僕はシティにすべてを捧げる」（ジョン・ストーンズ）

彼の魅力については、私が言葉をひねり出すよりも、獲得を熱望したペップ・グアルディオラに語ってもらったほうがいいでしょう。「ジョンは、若いながらも技術的に素晴らしいものを持っている。とても強靭なDFで、パスワークがよくポゼッションをとることができ、攻撃的にプレイする」。指揮官の的確な評価は、新チームでのスムーズなスタートを後押ししてくれるはずです。

さて、ペップ好みの8人を獲得したマンチェスター・シティは、これからの3週間であふれた戦力を整理しなければなりません。イギリスメディア「デイリー・メール」が、戦力外となるプレイヤーを予想していました。彼らが指名したのは、負傷もあって出番が激減したサミル・ナスリ、移籍してからの1年半でプレミアリーグ6ゴールに留まっているウィルフリード・ボニー、最終ラインを安定させられないエリアキム・マンガラ、2シーズン続けてプレミアリーグでゴールがないヘスス・ナバスの4人です。

ナスリはローマなどセリエAからのオファーが話題となっており、ヘスス・ナバスはスペインに帰るのではないかとささやかれています。テストマッチでフェルナンジーニョとコラロフをCBに据えたペップに、マンガラを起用する気はないのかもしれません。中堅・下位クラブなら力を発揮しそうなボニーは、プレミアリーグに残るでしょうか。ベンテケには高くて手が出せないクラブが、コートジボアール代表FWに声をかけてくる可能性は充分です。

ペップのプレミアリーグデビューは、エティハドでのサンダーランド戦です。アグエロ、ノリート、デブライネ、ダヴィド・シルヴァなど前の選手は予想できるのですが、最終ラインがどうなるかがまったくわかりません。いきなりジョン・ストーンズはないと思いますが、果たして…。バルセロナやバイエルンでスペクタクルなサッカーを展開してきた名将の、初戦のフォーメーションに注目です。