イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ネイマール&ムバッペ…フランス発の2大トピックスはプレミアリーグにどう影響する?

フランスメディア「レキップ」が、パリ・サンジェルマンとネイマールが移籍合意に至り、現在は契約解除金の課税分に当たる額をディスカウントする交渉をしていると報じました。何しろ2億2200万ユーロ(約290億円)。支払い方法によっては税金だけで100億円ほど乗っかる可能性があるようで、資金が潤沢にあるクラブも必死でしょう。5年契約で年棒3000万ユーロ(約39億円)を受け取るといわれているネイマールにとっては、サラリー増額、エース扱い、欧州の頂点はパリからでも狙えると3点セットのいい話です。

プレミアリーグ関連で大きな数字を見せられ続けている私たちからしても、あまりにもスケールが大きくガセネタに聞こえてしまう話ですが、「世紀の移籍が実現」「全面合意」と煽るフランスメディアに、アメリカから「ESPN」も同調しています。一方、「BBC」は、プレミアリーグのエピソードを交えながらファイナンス観点で分析。「支払いを分割にするのではないか」「ネイマールならチームの戦績とシャツの売上で巨額の契約解除金を回収可能」「FFPは大丈夫」とサッカーファイナンスのスペシャリストであるシェフィールド・ハラム大学のロブ・ウィルソン博士の見解を掲載しています。

パリ発の衝撃的なニュースに加えて、南仏からも欧州サッカー界に多大な影響を与える話が舞い込んできました。「スカイスポーツ」によると、モナコのヴァディム・ヴァシリエフ副会長が店じまいを宣言したとのこと。ベルナルド・シウヴァとバンジャマン・メンディをマンチェスター・シティに売り、ティエムエ・バカヨコをチェルシーに放出したリーグアン王者は、さらなる主力流出を阻止するべく渦中の選手たちと交渉を行ったそうです。ヴァシリエフ副会長は、「ムバッペは残留に向けて交渉中」「レマルは必要不可欠」「ファビーニョは残る」とゴシップの主役たちの離脱を否定。プレミアリーグやラ・リーガからのアプローチを牽制しています。

これらのニュースが事実なら、プレミアリーグのクラブにどんな影響を及ぼすでしょうか。考えられることを、ざっと列挙してみましょう。バルセロナがネイマールを失うことになれば、8900万ポンド(約129億円)にオファーを増額したといわれるコウチーニョ獲得にドライブがかかりそうです。パリのヴェラッティがネイマールの交換条件のようにバルサに向かい、ファビーニョがフランスを出なければ、セントラルMFを補強しようとしているマンチェスター・ユナイテッドの選択肢は一気に狭まり、マティッチに移籍金を積むしかなくなりそうです。ムバッペがレアル・マドリード行きを諦めれば、ガレス・ベイルがチームを離れるという噂は沈静化し、「君が話をしてくれないと、買えないじゃないか」と本人にささやいたモウリーニョ監督は、イヴァン・ペリシッチを早く連れてきてほしいとクラブをせっつくかもしれません。

トマ・レマルを断念するアーセナルは、アレクシス・サンチェスを守ろうとする力を強めるでしょう。諸々話があるなかで、最も気になるのはコウチーニョの去就です。1年前はワールドレコードだったポグバの移籍金と同額を出すといわれたら、リヴァプールは抗えるでしょうか。レッズとクロップ監督に惚れ込んでいるコウチーニョにとっても、年中曇り空のイングランドを抜け出してチャンピオンズリーグ優勝をめざせるという話は魅力的に映るのではないかと思われます。10番がレッズ愛を貫いて残ってくれたら盛り上がるのですが、こればかりはどちらに転ぶとも予測不可能です。いや、怖ろしい。事実は「ザ・サン」より奇なり。2週間前までは、ネイマールがバルサを離れるなどという話が出回るとは想像できませんでした。何があるかわからないから、タブロイド紙の怪しい見出しをスルーできずに読んでしまうのですね…と言い訳しつつ、監督がデ・ヘア残留と明言したからといって油断してはならぬと気を引き締めるのであります。

ネイマールの2億2200万ユーロが回収できて、中堅クラスの選手の6000万ユーロは難しいと聞くと、今や移籍金の過半はマーケティング費なのだなとつくづく感じます。ブランディングによってワールドワイドにファン層を広げ、スポンサーと株主の期待感を醸成しようとしているマンチェスター・ユナイテッドが毎年高額の選手を買う理由のひとつはここにあるのだと思います。「カカが高額になるまで、買うのは待とうじゃないか」。ネイマールの華やかなお値段を見て、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長の言葉を思い出しました。15年前に既にこの視点を持っていたことに驚かされますが、破産寸前だった名門クラブを立て直したカリスマ経営者らしいエピソードです。

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“ネイマール&ムバッペ…フランス発の2大トピックスはプレミアリーグにどう影響する?” への1件のコメント

  1. makoto より:

    更新お疲れ様です。

    コウチーニョに関しては、恐らくですが本人が移籍を望んでいるわけではないと愚考します。
    恐らく周りにバルサという魅力的な選択肢があることを吹き込んでいる輩がいるのではと。
    しかし、このような状況でも移籍が成立してしまうのが欧州移籍市場。
    もしコウチがバルサ移籍を決断してしまうのであれば、スアレスのように本人の口から思いを聞きたいです。
    少なくともトーレスのような移籍にはならないでほしい…。
    しかし、私はコウチは残ってくれるものと信じています。

    —–
    nyonsukeさん>
    これからの3~5年を大黒柱として過ごし、ビッグタイトル獲得となれば、クラブ史に名を残す選手になれると思います。残ってほしいですね。

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