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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ラカゼット、サラーに始まりクリス・ウッドまで…プレミアリーグは移籍金のクラブレコードラッシュ!

週明け早々にブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン入団が発表されたのは、クラブ・ブルージュのコロンビア代表FWホセ・イスキエルド。さらに翌日、リーズで27ゴールを決めて昨季チャンピオンシップ得点王に輝いた25歳FWクリス・ウッドが、バーンリーに加わると報じられました。この夏は、潤沢なテレビ放映権料を手に入れたプレミアリーグのクラブが従来の移籍金相場を変えてしまったといわれていますが、イスキエルドの移籍金1350万ポンド(約19億円)もクリス・ウッドの1500万ポンド(約21億円)もクラブレコード。ブライトンは、6月にバレンシアGKマシュー・ライアンをクラブ史上最高の510万ポンドで獲得した後、PSVにMFプロッパーの600万ポンドを支払って2度めのレコード更新となっており、3度めの今回は金額が倍増です。

プレミアリーグ昇格組ではハダースフィールドも負けておらず、6月23日にベルギー代表FWドゥポワトルを350万ポンド、翌週にはオーストラリア代表MFアーロン・ムーイを800万ポンド、さらにその次の週にはモンペリエのベナン代表FWスティーブ・ムニエに1200万ポンドと、2週間でクラブレコードを3回更新。それまでの最高額は1年前のDFシンドラーの180万ポンド(約2億5000万円)で、もはやまったく別のクラブです。プレミアリーグ20クラブのうち、この夏に移籍金レコードを叩き出したのは12クラブ。その顔ぶれは、実力者揃いではあるものの、華があるとはいえません。

チェルシーが獲得したアルバロ・モラタの5800万ポンド(約81億円/オプション込みで7000万ポンド)と、リヴァプールがモハメド・サラーに投資した3400万円(約47億6000万円)は、発表された直後にはいずれも高いという声が挙がりました。アーセナルのアレクサンドル・ラカゼットにかけた5270万ポンド(約74億円)には、「エジルより1000万ポンドも上か…」というため息が聞こえてきましたが、その後の移籍金レコード報道に触れたグーナーたちは、意外と安かったと気を取り直したのではないでしょうか。

エヴァートンはギルフィ・シグルズソンに4500万ポンド(約63億円)。昨季プレミアリーグで9ゴール13アシストという数字は並の選手には出せませんが、彼らがロメウ・ルカクを引き入れた際に3180万ポンドしか払っていないことを思い出せば、やはり言葉に詰まります。そのルカクは、7500万ポンド(約105億円)でマンチェスター・ユナイテッドに売却されました。先輩ポグバのおかげでワールドレコード更新という好奇の視線は回避しましたが、ネイマールのパリ移籍が決まるまでは、プレミアリーグの移籍金高騰の象徴としてしばしば話題になりました。

トッテナムは、アヤックスのCBダヴィンソン・サンチェスに4200万ポンド(約59億円)を払いますが、移籍か残留か五分五分といわれるエヴァートンのロス・バークリーが決まれば、レコードはさらに塗り替わるかもしれません。ダヴィンソン・サンチェスはまだ21歳で、昨夏にアトレティコ・ナシオナルからアヤックスに移籍した際のお値段はわずか500万ユーロ(約6億5000万円)です。プレミアリーグでトップクラスのCBといわれるアルデルヴァイレルトが2年前にアトレティコ・マドリードから来たときは、1600万ユーロ(約20億6000万円)。国際的な実績で劣るコロンビア代表CBの倍額決裁に、急激な相場の変化を感じます。

ウェストハムが獲得したアルナウトヴィッチと、ボーンマスのナタン・アケはそれぞれ2000万ポンド(約28億円)、ワトフォードはアンドレ・グレイに1850万ポンド。サウサンプトンはマルセイユのレミナに1650万ポンドを投じた後、一昨日に決まったウェズレイ・フートがぎりぎりでレコードを後進したかもしれません。残り1週間で、プレミアリーグのクラブの移籍金レコードはいくつ更新されるでしょうか。レッズとチェルシーが狙っているといわれるファン・ダイク、ボーンマスが2500万ポンドでオファーすると報じられたデマライ・グレイに怪しい空気が漂っています。デッドラインデー間近には、思わぬクラブと選手の名前が現地メディアを賑わすかもしれません。それにじても、みなさん、いいお値段ですねぇ。リオ・ファーディナンドの3000万ポンドという額を聞いて、「CBにそんなに払うの⁉」とびっくりしていたプレミアリーグの古いファンからすると、もう別世界です。(クリス・ウッド 写真著作者/Кирилл Венедиктов)

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“ラカゼット、サラーに始まりクリス・ウッドまで…プレミアリーグは移籍金のクラブレコードラッシュ!” への5件のフィードバック

  1. ホタ より:

    イングランド国外のクラブは、件の新放映権料システムで潤沢を持つプレミアのクラブからオファーがあると、足元を見て選手に見合わない高額な値札を付けるようになってきましたね。
    上位に比べレギュラー争いが易いボトム10のクラブもレコード級の額を投じて実力・実績のある選手を引っ張ってくるのは目を見張るものがあります。
    が、値段が釣り上げられ、それに追従して払う…このようにどんどんバブルが続くとどうしても近い将来の事が心配になってしまいます笑

    その時に備えるため、資金をアカデミーに投入して育成体制を整えておく事も余裕のあるクラブからすべきだと思いますね。

  2. エジルのパス より:

    07/08頃からプレミアを身始めたニワカな自分ですが、あの頃の良かった事はプレミアがヨーロッパを制圧しつつあった事です。

    今では移籍金の話ではヨーロッパを賑わしていますがCLではせいぜいベスト8やらベスト4。

    下位や中位でも、それなりの選手が獲得できるようになってからヨーロッパを戦うプレミアのクラブは単純に気が抜けない状況が続くわけで、この状況はなんとも…という感じですね

    そこが面白いところでもあるのですがね

  3. 肥高直樹 より:

    私長年のスパーズファンですが最近なんだか余りに金がかかりすぎ選手補強やなをやかんやでバカらしく思うようになってしまいました。どこも資金力で優勝を買うって感じ実際そうでしょ。モリエンテスが当時のモナコでレアル粉砕したのが懐かしい。あんなことあとバレロンがデイポルティボでミラン粉砕大逆転劇。このようなことが観られず毎度お馴染みビッグクラブの優勝争い。レスターは例外ですが。最近興味なくなり気味です。

  4. makoto より:

    ホタさん>
    そうですね。一方で、今の風潮に背を向けている感があるストークやWBAがどうなるのかに注目しています。

    エジルのパスさん>
    痛しかゆしですね。スペインやドイツのように、サプライズが少ないリーグにはなってほしくないと思いつつ、ときに疲弊して欧州を戦っている姿に心を痛めます…。

    肥高直樹さん>
    1995年からの15年は優勝したクラブが3つしかなく、今のほうが何が起こるかわからないリーグになったという認識です。最も補強費を使ったチームが優勝したのは、ここ9シーズンで1回しかなく、欧州の強豪リーグでは最も優勝予想が難解だと思います。

  5. 肥高直樹 より:

    チャンピオンズリーグがもう資金力のあるチームが金で優勝を買う感じは否めません。なんだかなあ〜しかしプレミアリーグは下位から上位までスペインより断然面白いです。長年スパーズファンで元はアーセナルファンでしたが日本人特有な半官びいきで同じノースロンドンの当時弱かったスパーズを応援したくなり現在までスパーズファンです。やっぱりガスコイン、ホドルなどファンタジーな選手がいたのが魅力的でしたね。あと個人的にプレミアで引退してますがサウサンプトンのマット.ルティシェ選手が1番好きな選手です。上手かったなぁ〜

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