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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最も的確だったのはどこ?…プレミアリーグ2017-18シーズン・夏の補強通信簿【TOP7編】

昨日、プレミアリーグ2017-18シーズンのトランスファー・マーケットが締め切りとなりました。長きに渡ってメディアを賑わしてきたファン・ダイク、コウチーニョ、アレクシス・サンチェス、ロス・バークリーは誰も動かず。苦戦していたロンドン勢は、デッドラインデーにチェルシーがザッパコスタとドリンクウォーターを獲得し、トッテナムはジョレンテとオーリエをゲットして何とか格好がつきました。一方、最終ラインに不安を抱えていたアーセナルは、余剰戦力を絞り出しきれず、チェンバレンを失うという厳しい着地に終わっています。それぞれを採点すれば、ルカクやチェンバレンを取り逃がしたもののリカバーした青は70点、攻撃的な中盤の選手がほしかった白も70点、ラカゼットとコラシナツの後はアレクシス・サンチェスを留めただけだった赤は40点といったところでしょうか。

寝苦しい夏を過ごしたロンドン勢に対して、マンチェスターとマージーサイドは実り多き季節だったのではないかと思います。高齢化という課題に正面から向き合い、30代の選手を10人も放出して最終ラインを整備したマンチェスター・シティは、アレクシス・サンチェスとファン・ダイクを獲れなかったという贅沢な心残りだけがマイナスポイント。プレミアリーグで実績があるルカクとマティッチを獲得し、ズラタン・イブラヒモヴィッチと再契約に漕ぎ着けたマンチェスター・ユナイテッドは盤石の体制です。ファン・ダイクを逃したリヴァプールも、サラー、チェンバレン、ソランケ、ロバートソンは全員当たりの予感が漂います。ルーニー、ピックフォード、マイケル・キーン、シグルズソンと即戦力&有望株を8人揃えたエヴァートンは、熟成に時間がかかりそうですが、仕上がれば相当やっかいなチームになりそうです。

点数をつけるならば、大物をひとりは迎えたかったマンチェスター・シティは80点、プレミアリーグ仕様の選手をきっちり押さえたマンチェスター・ユナイテッドが90点、後ろが不安なリヴァプールは60点、ターゲットマンと左SBを獲れなかったこと以外は文句なしのエヴァートンも90点といったところでしょうか。以下に、プレミアリーグTOP7の獲得&放出リストをまとめましたので、チェックしてみてください。

■チェルシー
【寸評】
ドリブラーかストライカーをもうひとり足したかったものの、モラタ、リュディガー、バカヨコは素晴らしい補強となりそうです。セントラルMFの薄さを解決するドリンクウォーター獲得は大きかったと思います。

【入団】
GKウィリー・カバジェロ(マンチェスター・シティ)
DFアントニオ・リュディガー(ローマ)
DFダヴィデ・ザッパコスタ(トリノ)
MFティエムエ・バカヨコ(モナコ)
MFダニー・ドリンクウォーター(レスター)
FWアルバロ・モラタ(レアル・マドリード)
【移籍・退団】
GKアスミル・ベコヴィッチ(ボーンマス)
DFジョン・テリー(アストン・ヴィラ)
DFナタン・アケ(ボーンマス)
DFクルト・ズマ(ストーク/ローン)
MFネマニャ・マティッチ(マンチェスター・ユナイテッド)
MFルベン・ロフタス・チーク(クリスタル・パレス/ローン)
MFベルトラン・トラオレ(リヨン)
MFクリスティアン・アツ(ニューカッスル)
MFファン・クアドラード(ユヴェントス)
MFナサニエル・チャロバー(ワトフォード)
FWロイク・レミー(ラスパルマス)
FWタミー・アブラハム(スウォンジー/ローン)
FWドミニク・ソランケ(リバプール)

■トッテナム
【寸評】
ハリー・ケインの不在はジョレンテがカバーし、デル・アリを休ませるときはソン・フンミンとシソコ、あるいは負傷が癒えればラメラが代役。エリクセンは…!?虎視眈々と狙っていたロス・バークリーが獲れれば万全でしたが、レヴィ会長が高いと判断したのでしょう。最後の追い込みで、悪くない着地にもっていったと思います。ポチェッティーノ監督が得意とする若手の抜擢にも期待しましょう。
【入団】
DFダヴィンソン・サンチェス(アヤックス)
DFセルジュ・オーリエ(パリ・サンジェルマン)
DFファン・フォイス(エストゥディアンテス)
FWフェルナンド・ジョレンテ(スウォンジー)
【移籍・退団】
DFカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)
DFフェデリコ・ファシオ(ローマ)
DFケヴィン・ヴィマー(ストーク)
MFジョシュ・オノマー(アストン・ヴィラ/ローン)
FWクリントン・ヌジェ(マルセイユ)

■マンチェスター・シティ
【寸評】
30代のベテランを契約満了や着実な売却で整理し、ペップ好みの若い選手たちを揃えた手際のよさは相変わらずお見事。プレミアリーグの上位クラブのなかで、最も中長期的な視点が確かなクラブだと思います。懸念は、カイル・ウォーカー以外の新戦力がプレミアリーグ初体験であることと、左サイドの選択肢が少ないことぐらいでしょう。
【入団】
GKエデルソン(ベンフィカ)
DFダニーロ(レアル・マドリード)
DFバンジャマン・メンディ(モナコ)
DFカイル・ウォーカー(トッテナム)
MFベルナルド・シウヴァ(モナコ)
【移籍・退団】
GKジョー・ハート(ウェストハム/ローン)
GKウィリー・カバジェロ(チェルシー)
DFアレクサンダル・コラロフ(ローマ)
DFバカリ・サニャ(未定)
DFガエル・クリシー(バシャクシェヒル)
DFパブロ・サバレタ(ウェストハム)
DFジェイソン・デナイエル(ガラタサライ/ローン)
MFヘスス・ナバス(セヴィージャ)
MFアーロン・ムーイ(ハダースフィールド)
MFフェルナンド(ガラタサライ)
MFサミル・ナスリ(アンタルヤスポル)
FWノリート(セヴィージャ)
FWケレチ・イヘアナチョ(レスター)
FWウィルフリード・ボニー(スウォンジー)

■リヴァプール
【寸評】
ファン・ダイクが獲れなかったのが残念でしたが、クロップ監督のサッカーにフィットしそうな戦力を揃えられたのではないでしょうか。サラーは何年も前からアンフィールドでプレイしていたかのようで、ロバートソンも間違いなく即戦力。ソランケのブレイクも楽しみです。
【入団】
DFアンディ・ロバートソン(ハル・シティ)
MFアレックス・オックスレイド=チェンバレン(アーセナル)
FWモハメド・サラー(ローマ)
FWドミニク・ソランケ(チェルシー)
【移籍・退団】
DFママドゥ・サコ(クリスタル・パレス)
MFルーカス・レイヴァ(ラツィオ)
MFシェイ・オジョ(フラム/ローン)
MFケビン・スチュワート(ハル・シティ)
FWディボック・オリギ(ヴォルフスブルク/ローン)

■アーセナル
【寸評】
早期のアクションによる余剰戦力の整理、タレント揃いの前線・2列めよりも後ろを強くする補強…この夏、アーセナルがやるべきだったのは、マンチェスター・シティがやったことだったと思います。守って勝つなどということはできそうにないチームは、ラカゼット&アレクシス・サンチェスにSASを彷彿とさせる大噴火を期待するしかなさそうです。せめてCBをひとり獲っていれば…。
【入団】
DFセアド・コラシナツ(シャルケ04)
FWアレクサンドル・ラカゼット(リヨン)
【移籍・退団】
GKエミリアーノ・マルティネス(ヘタフェ/ローン)
GKヴォイチェフ・シュチェスニー(ユヴェントス)
DFキーラン・ギブス(WBA)
DFカール・ジェンキンソン(バーミンガム/ローン)
DFガブリエウ・パウリスタ(バレンシア)
MFアレックス・オックスレイド=チェンバレン(リヴァプール)
MFジョエル・キャンベル(レアル・ベティス/ローン)
FWルーカス・ペレス(デポルティーボ・ラ・コルーニャ/ローン)
FWヤヤ・サノゴ(トゥールーズ)

■マンチェスター・ユナイテッド
【寸評】
人数的には充実しており、課題は攻撃力と明確だったチームは、ストライカーとセントラルMFを補強して背骨を強くするという的確な補強に成功しました。マルシアル、ムヒタリアンなど昨季プレミアリーグで力を発揮したとはいえないアタッカーが覚醒すれば、久しぶりに優勝争いに参加できそうです。
【入団】
DFヴィクトル・リンデロフ(ベンフィカ)
MFネマニャ・マティッチ(チェルシー)
FWロメウ・ルカク(エヴァートン)
FWズラタン・イブラヒモヴィッチ(フリー)
【移籍・退団】
DFキャメロン・ボースウィック・ジャクソン(リーズ/ローン)
DFティモシー・フォス=メンサー(クリスタル・パレス/ローン)
DFギジェルモ・ヴァレラ(ペニャロール)
MFアドナン・ヤヌザイ(レアル・ソシエダ)
FWウェイン・ルーニー(エヴァートン)

■エヴァートン
【寸評】
ジルーやベンテケ、ジョレンテのようなターゲットマンと左SBさえ獲れていれば満点の素晴らしい補強ができました。ルーニーが往年の輝きを取り戻せれば、6強の一角崩しが現実味を帯びてきます。クラーセンとシグルズソンを中心とシンプルなアタックは脅威。冷静な選手を揃えた最終ラインも大崩れはしないものと思われます。さすが名スカウト、スティーヴ・ウォルシュ。見事です。
【入団】
GKジョーダン・ピックフォード(サンダーランド)
DFマイケル・キーン(バーンリー)
DFクコ・マルティナ(サウサンプトン)
MFディヴィ・クラーセン(アヤックス)
MFギルフィ・シグルズソン(スウォンジー)
FWサンドロ・ラミレス(マラガ)
FWニコラ・ブラシッチ(ハイデュク・スプリト)
FWウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)
【移籍・退団】
DFブレンダン・ギャロウェイ(サンダーランド/ローン)
DFタイアス・ブローニング(サンダーランド/ローン)
MFトム・クレヴァリー(ワトフォード)
FWアルナ・コネ(シバススポル)
FWジェラール・デウロフェウ(バルセロナ)
FWロメウ・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)

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“最も的確だったのはどこ?…プレミアリーグ2017-18シーズン・夏の補強通信簿【TOP7編】” への13件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    改めてこう見るとアーセナルは中々酷いですね…
    売れてもないし獲ったのも2人だけ、厳しいシーズンになりそうです

  2. 19 より:

    ベンゲルも今季で終わりかな
    好きな監督だから上手く勇退して欲しかったな

  3. yuto より:

    ラカゼットは十分にやれそうですがアーセナルはなかなか厳しいスタートになりそうです
    よく見てみるとスパーズも計算できる選手は獲得できていないので今季も主力頼みになりそうですね…
    他はいずれも、ある程度の底上げは出来た移籍市場だったと思います
    ネイマール移籍を皮切りに金額が異常に跳ね上がったここ数週間でしたが、欧州全体で見直しをしないといけないのではと感じています
    PSGはムベッパも破格でレンタルしており、FFPってなんだっけ?と疑問になりますし、今夏は本当にクレイジーでした

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    トッテナムはガッサニーガの加入、シティのハートはローンではありませんでしたか?

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    出足はよかったんですけどね…。

    19さん>
    いやー。

    yutoさん>
    サラリーのほうにキャップをかけるか(プレミアリーグはすでに導入しているので、欧州全体として)、外部からの資金を補強費に入れる際にキャップを設定するか、ですかね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    おっしゃるとおりなのですが、実は若手や無名選手を一部省略してまして…(そうしないとチェルシーやマン・シティのリストが大変なことになるので)。ジョー・ハートは表記漏れでした。ご指摘ありがとうございました。訂正させていただきました。

  6. ユナイテッド より:

    マンチェスター勢はほぼ完璧な補強をしましたね
    チェルシーは結構振られまくって、補強が上手くいってなかった気がしてましたが最終日にドリンクウォーター、ザッパコスタが取れて層を厚くできた上、収支のバランスもかなり良いのでアロンソの控えがいないこと以外は合格で、開幕直後に比べるとリーグ優勝争いに絡んでくる匂いがプンプンしてきましたので厄介ですね笑

  7. makoto より:

    ユナイテッドさん>
    そうですね。締め切りから1時間経ってもドリンクウォーターの名前がなかったので、これは厳しいのではないかと思ったのですが、しっかり間に合ってました。

  8. がなーず より:

    毎年補強が物足りなくても怪我人さえ居なければ優勝も狙えるとポジティブな気持ちでシーズン当初は応援していましたが、今年は既に絶望感でいっぱいです。このまま低迷して暗黒期にならないことを切に願います。

  9. ガナユ より:

    ガナーズは実は例年と比べると的確に2人補強してるんですけど、周りが良すぎ&サンチェス、エジルの残り一年の選手の契約の問題などでネガティブなイメージが強いですね。

    CBさえ取れればかなり結果は違ったと思うのですが…

  10. プレミアリーグ大好き! より:

    リヴァプールのファンの自分としては、今回のマーケットにおけるフロントの立ち回りには一定程度満足しています。
    もちろん欲を言えば、絶対的なCBは欲しかったですが…。

    レッズにとっての今回のマーケットの成果を最終的に規定するのは、良くも悪くもコウチーニョの残留がいかなる影響をもたらすかに尽きるのかなと。
    彼が今シーズン、何を私たちに見せてくれるのかによって、このオフシーズンの評価が変わってしまうような気がします。
    個人的にはコウチーニョの活躍を信じたいのですが、実際に彼がピッチに立つまではどうしても不安が拭えません。

    いまだに釈然としない思いがわだかまってはいますが、リーグ再開後にこれが杞憂であったと笑えればいいなと願っています。

  11. 新参 より:

    アーセナルファンにとって不満なのは、間違いなく、CBの補強より脈のないルマールへのアプローチを優先したことですね。

    ルマールにしろ、マフレズにしろ、サンチェス移籍の場合の後釜として、多くのファンは彼らを見ていたはずです。コシェルニーがピークを越え、メルテザッカーが引退することを考えても、ムスタフィと同世代のCBを1人押さえていて欲しかった。ファン・ダイク以外にも、ゼニトに移籍しかけたマノラスなど、マーケットにでていた即戦力CBはいました。エジルやサンチェスを獲得したときの立ち回りをすれば、獲得できたCBは多かったように思えます。

    ぼやき始めればきりがないです…
    整然とトップ7の補強を並べられるとCLはおろか、ELも厳しいように思えます。
    エジルと契約を延長する。サンチェスをシーズン中はチームにコミットさせる。ムスタフィ、ラカゼット、コラシナツを適所に配置し安定させる。ジャカの復調とその相方の確定(自分は圧倒的にエルネニーですが…)をする。

    これらすべてができてようやく、CL争いができると思います。とりあえず、代表戦後のメンバー・フォーメーション・戦術に期待しています。恐れ:期待=9:1ですが…

  12. プレミアリーグ大好き! より:

    トッテナムの補強は2列目が取れていれば100点でしたけど、アンドレゴメスは向こうの後釜が取れてない状況で無理になったみたいですし、ラメラとローズの復帰でエリクセンの負担を軽減しようという考えはありそうですね。
    冬に動くことがないクラブなのでバークリーが入るとしたら来夏フリーでってことになりそうですね。

  13. makoto より:

    がなーずさん>
    昨季の「ヴェンゲルout」や主力選手の契約問題などで、ボスが摩耗しているのではないかと心配しています。マンチェスター・ユナイテッドに8-2で敗れたシーズンは、直後になりふり構わず5人獲ったので、同じようなアクション(売却含めて)を期待していたのですが。

    ガナユさん>
    開幕してから、守備の綻びが目立つのに手を打たなかったからではないでしょうか。昨季の終盤戦のように連勝でスタートしていれば、「素晴らしい3バックにラカゼットやコラシナツが加わって強そう」となったかもしれません。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    コウチーニョが合流してパワーアップとなるのか、不振の10番のためにチーム全体がぎくしゃくするのか、みたいなお話ですね。早くいいプレイを観たいですね。

    新参さん>
    私もジャカ&エルネニーです。今、いちばん必要なのはいい雰囲気と自信のような気がします。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    中盤の前方にひとりほしかったですね。ラメラが復帰して埋めてくれれば文句なしですが。

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