イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

クリバリやマグワイア獲得で巻き返せるか?マンチェスター・ユナイテッドに足りないもの。

ナポリのカリドゥ・クリバリに8400万ポンド(約115億円)のオファー。レスターがハリー・マグワイア移籍を容認するといわれている額は8500万ポンド。既に移籍金は手配済みと伝えられているマンチェスター・ユナイテッドは、大型CBの獲得によって復権をめざすようです。着眼点は間違っていないでしょう。マンチェスター・シティをプレミアリーグ史上最強チームに育て上げたペップ・グアルディオラにとって、エデルソンとラポルテの獲得はコンセプチュアルなサッカーを実現するための必須条件でした。最強2位&欧州王者のユルゲン・クロップも、アリソンとファン・ダイクの存在なくしてプレミアリーグ最少失点の堅守はなしえなかったと思われます。

PFA年間ベストイレブンを5回獲得しているデヴィド・デ・ヘアの去就は不透明ですが、プレミアリーグ屈指の守護神が残留となれば、マン・ユナイテッドの最大のテーマは最終ラインです。強化すべきポジションは右SBとCB。アシュリー・ヤングは既に33歳、スモーリング、フィル・ジョーンズ、ロホに伸びしろはなし。モウリーニョ時代に獲得したバイリーは機能しておらず、まずまずのプレイを披露しているのはリンデロフのみです。クリスタル・パレスから噂のワン=ビサカをゲットし、クリバリかマグワイアを中央に加えられれば、赤い悪魔と呼ばれるかつてのトップクラブはプレミアリーグ4位以内に返り咲ける可能性が高まります。

8000万ポンドを超える移籍金は、CBにおけるプレミアリーグレコードとなりますが、7500万ポンドだったファン・ダイクを見れば、決して高くない買い物に思えてきます。ただし一方で、こんな疑問も湧いてくるのです。「レスターからCBをひとり獲っただけで、リヴァプールやマン・シティの背中は見えるのか?」。弱点強化は大事ですが、その手前にある大きな問題がクリアされてなければなりません。ひとつは「スールシャールのサッカーの基礎点は高いのか」。ペップやクロップが4回転ジャンプを美しく飛ぶなかで、3回転で満点を取っても肩を並べることはできません。もうひとつは、キャプテンシーの問題です。スールシャールのポテンシャルについては、次のシーズンが始まった後に問うとして、夏のチームづくりにおいては後者を解決することが求められるのではないでしょうか。

デュエルや空中戦の強さが目に付くファン・ダイクですが、彼の魅力を語るならば、高い統率力に触れるのを忘れてはいけません。常に大きな声で味方に指示を出し続けるCBは、ロバートソンやジョー・ゴメスのレベルアップにも貢献しています。このチームには、ジョーダン・ヘンダーソンという類まれなるキャプテンがおり、チームに問題があればメンバー全員に意見を出させて解決しているそうです。前と後ろの「束ねる力」の存在が、プレミアリーグで1敗という安定感をもたらしたのでしょう。

さて、マンチェスター・ユナイテッドはいかがでしょうか。プレミアリーグのラスト9試合で2勝2分5敗と崩れたチームに、強いキャプテンシーの存在は感じられませんでした。アンカーのマティッチは素晴らしいタレントですが、チームの雰囲気が悪いと伝えられると必ず不振に陥る選手でもあります。今の顔ぶれでチームを仕切れる存在がいるとすれば、ディディエ・デシャンが「生まれながらのキャプテン」と激賞したポール・ポグバでしょう。プレミアリーグでチーム最多の13ゴールを挙げたインサイドMFに思い切ってキャプテンをまかせ、最終ラインに統率力を足せれば、昨季のような不安定なシーズンを繰り返さずにすむのではないかと思います。

クリバリとマグワイアは、いずれもマンマークと空中戦に長け、パスセンスとアグレッシブなドリブルも魅力的ですが、コンパニ、ファン・ダイク、ケーヒルらが示してきたチームをまとめる力がどこまであるのかはわかりません。ズラタン・イブラヒモヴィッチのカリスマが懐かしく思える昨今、チームに革命を起こすような強大なパワーの出現を待ち焦がれています。マタイス・デ・リフト…クリバリと同様に、獲得は難しそうですね。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“クリバリやマグワイア獲得で巻き返せるか?マンチェスター・ユナイテッドに足りないもの。” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    上手く喩えられてますね。ウィークポイントの代替えでは三回転を美しくまでが限界のような気がします。
    王者2人の四回転を偶にでも成功させるには中途半端ではダメでしょう。
    ポグバに一蓮托生しキャプテンシーをより増幅させる為に、カンテとグリーズマンを獲得しましょう。
    サッリが残留するなら安く手に入れたチェルシーを納得させる札束を積めば可能かと思いますし、合流後の不和を嫌がるグリーズマンに7番を確約させればバルサより赤い悪魔を選ぶのではないでしょうか。
    今年スールシャールの雲行きが怪しくなった時点でデシャンに打診しておき、来年のユーロ終了後に託せばスムーズに移行できそうです
    縁もゆかりもなく戦術的にもリスクを嫌うデシャンですが、その面子と、ビジュアル担当コーチとしてカントナをベンチに座らせておけばオールドトラフォードのサポーターも満足でしょう

    このような夢想をしてしまうほど「優勝」に期待できない辛抱はあと何年続くのでしょうかねえ

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    流石にシティ、リバプールとの勝ち点30の差は、中々埋めがたいと思いますが・・・

  3. アイク より:

    更新ありがとうございます。
    デヘア残って欲しいですね。11連続セーブのクリーンシートには震えました。
    史上最高の優勝争いに加わるためには、相対的な弱点である監督の補強がまず必要と思います。シティとレッズの監督には強烈なリーダーシップとスタイルがあり、その結果を伴った説得力を前にして、最高の選手を集めても「良い監督」どまりでは勝てないのではと思わされています。

コメントを残す