最も強化に成功したのはどのクラブ?プレミアリーグ2019‐20シーズン・夏の補強診断!
シックスポインターを4-0で落としたチェルシーのみ厳しい船出となりましたが、ビッグ6は軒並み勝ち点3の好スタート。出場機会を得たニューフェイスたちは、次節以降の活躍が期待されます。昨年より、デッドラインデーが開幕前となったプレミアリーグで、最も効果的な補強を実施したのはどのクラブでしょうか。補強禁止のチェルシーを除く全19クラブから、リスペクトしたいTOP5をピックアップしたいと思います。まずは、「BBC」が紹介していたクラブ別・個人別の高額移籍金ランキングをチェックしてみましょう。
例年なら最上位は2億ポンド超えですが、リヴァプールがたったの170万ポンドで店仕舞いし、マン・シティもロドリとジョアン・カンセロ以外に高額の選手に手を出さなかったため、予算4500万ポンドといわれていたアーセナルが1億5500万ポンドでトップに立ちました。ただし彼らは、あの手この手でこの夏の支出を抑えており、ニコラ・ペペは分割払いで2000万ポンドのみ、ウィリアム・サリバの2700万ポンドは来年に先送り。キーラン・ティアニーで2500万ポンド、ダヴィド・ルイス800万ポンド、マルティネッリの600万ポンドを加えても5900万ポンドしか払っていません。一方、売却で得たキャッシュを勘定すると、イオビが2800万ポンド、ビエリク1000万ポンド、オスピナ500万ポンド、コシールニー460万ポンドなど5600万ポンドとなり、プラスマイナスはとんとんです。
【プレミアリーグ2019-20シーズン 補強に費やした移籍金ランキング】
1位/アーセナル 1億5500万ポンド(約197億円)
2位/マンチェスター・シティ 1億5000万ポンド(約191億円)
3位/マンチェスター・ユナイテッド 1億4500万ポンド(約184億円)
4位/アストン・ヴィラ 1億2500万ポンド(約159億円)
5位/エヴァートン 1億1000万ポンド(約140億円)
【プレミアリーグ2019-20シーズン 個人移籍金ランキング】
1位/ハリー・マグワイア 8000万ポンド(約102億円/レスター⇒マン・ユナイテッド)
2位/ニコラ・ペペ 7200万ポンド(約91億円/リール⇒アーセナル)
3位/ロドリ 6300万ポンド(約80億円/アトレティコ・マドリード⇒マン・シティ)
4位/ジョアン・カンセロ 6000万ポンド(約76億円/ユヴェントス⇒マン・シティ)
5位/タンギ・エンドンベレ5400万ポンド(約69億円/リヨン⇒トッテナム)
2位のマン・シティはアンカーとSBを的確に補強し、マンチェスター・ユナイテッドはマグワイア、ワン=ビサカ、ダニエル・ジェームズに1億5000万ポンド。ローンで獲った選手の買い取りも含めると総勢12人を呼び込んだアストン・ヴィラが4位に食い込み、イオビやモイーズ・キーン、アンドレ・ゴメス、デルフ、グバミンと即戦力を揃えたエヴァートンが5位にランクインしています。
この夏、最も成功したといえそうなのは、やはりアーセナルでしょう。アーロン・ラムジーとローラン・コシールニーが抜けた穴は、ダニ・セバージョスとダヴィド・ルイスでフォローし、念願だったサイドアタッカーにはニコラ・ペペをゲット。さらに22歳の逸材キーラン・ティアニーまで押さえており、不安だったポジションはひととおり強化できています。昨季プレミアリーグで真価を発揮できなかったエジル、ミキが活躍し、長期離脱中のホールディングとベジェリンが復活すれば、2強の次に食い込むことは充分可能でしょう。
「1枚足りなかったがまずまず」と評価できるのが、マンチェスター勢とエヴァートン、レスター、トッテナムです。フェルナンジーニョとカイル・ウォーカーのライバルを獲ったマン・シティはコンパニの後釜まで手が回らず。マンチェスター・ユナイテッドはルカクがいなくなっており、アレクシス・サンチェスの蘇生やグリーンウッドのブレイクを促せなければ、得点力不足で苦しむ時期が来るかもしれません。中盤が充実したエヴァートンはCBが薄く、ズマ、ジャギエルカ、アシュリー・ウィリアムズと3人を失いながら新戦力はゼロ。ミナ、ホルゲート、マイケル・キーンの3人でやりくりしきれるとはいえません。
同じくCBを獲りたかったのは、マグワイアが抜けたレスター。アヨゼ・ぺレス、ティーレマンス、デニス・プラート、ジェームズ・ジャスティンと要所を押さえていただけに、最終盤に抜かれた守備の大黒柱の後釜を決められなかったのが残念です。トッテナムは、トリッピアーの抜けた穴はカイル・ウォーカー=ピータースでOKと考えているのでしょうか。ライアン・セセニョン、エンドンベレ、ロ・チェルソはいずれも楽しみで、右SBとディバラをゲットできれば文句なしだったのですが、レヴィ会長は総額9000万ポンドで打ち止めとしました。
12人を獲得したアストン・ヴィラをどう見るかが難しいのですが、ヒートン、マット・ターゲットといったプレミアリーグ経験者と、即戦力のトレセゲ、ウェズレイ、ダグラス・ルイスは期待できそうです。彼らこそが、最も「強化」という言葉がしっくりくるクラブなのですが、新戦力が多すぎてまとまらなかったフラムに困惑した後だけに、どうしても慎重な見方になってしまいます。
以上はあくまでも「デッドラインデー終了直後に数字で見る補強評価」です。それぞれのチームづくりと戦績を見ながら、どこかで再び新戦力獲得の効果測定をできればと思います。ヴィラ、がんばれ!
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
こうしてみると、やっぱりリバプールの補強は到底タイトルを狙うクラブのものではないですね。
両SBに控えはいないと言ってもよく、ミルナーサイドバックも他のポジションが手薄になりますし、アンタッチャブルな選手が運良く怪我しないことを祈るしかありません。
シティとの差は開いたと言ってよく、正直ガッカリです。
クロップ監督ほどの男が、無策に移籍期間をスルーしたとは思えません。
必要なアイテムが、適正価格で市場になかったから買わなかっただけで、アーセナルからすると、その自信と現有戦力が羨ましいですよ。
結局はギャンブルみたいなもんだし、予算を注ぎ込んだって、勝てないチームは勝てません。
昨年のスパーズみたいに、競争力が落ちないまま走れて、あのチームではベストなポジションでゴール出来ちゃうこともある。
リバプールファンの方は、悲観しないでいいと思います。
チェルシーだって、全然侮れないと思いますよ。
まだまだ始まったばかりです。