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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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トッテナム移籍合意と伝えられるピョンテクは、1年前の輝きを取り戻せるのか?

思いのほか、重傷でした。プレミアリーグ22節のサウサンプトン戦で、左のハムストリングを痛めたハリー・ケイン。73分にエリクセンのFKをゴールに押し込んだ瞬間、オフサイドの旗が上がるのと同時に足を押さえたトッテナムのエースを見て、1ヵ月程度で戻ってくるのではないかと思いました。イングランド代表キャプテンの負傷履歴をチェックすると、最も長く戦列を離れたのは昨季の終盤ですが、プレミアリーグ6試合を欠場した後、2ヵ月弱でチャンピオンズリーグ決勝に先発しています。フィジカルの強さには定評があるストライカーが、3ヵ月もいなくなる世界は想像していませんでした。リヴァプール戦の直前にアクシデントに見舞われたモウリーニョ監督は、シソコとエンドンベレも欠いており、苦しい戦いを強いられそうです。

就任以来のプレミアリーグ9試合は5勝1分3敗。TOP4をめざすチームとしては微妙な戦績ながら、チェルシーの停滞に助けられて6ポイント差に詰め寄った新指揮官は、ソン・フンミンやルーカス・モウラを前線に据えてしのぐのは難しいと判断したようです。ハリー・ケインの代役として白羽の矢が立ったのは、ACミランで最前線に張っているクリシュトフ・ピョンテク。24歳のポーランド人ストライカーは、母国のクラコヴィア・クラクフで得点力を発揮し、2018年の夏にジェノアに移籍しました。

開幕から7戦連続の9ゴールといきなりブレイクしたピョンテクに注目したミランは、19戦14ゴールまで数字を伸ばしたところで移籍金3500万ユーロ(約42億7000万円)を払って獲得。イグアインを追い出す格好となったストライカーは、ロッソ・ネロでも最初の11試合で8ゴールと量産体制に入り、レヴァンドフスキ2世と呼ばれるようになりました。ここまでの数字を見ると、「ミランは手離さないのではないか」「ピョンテクは、ハリー・ケインのバックアッパーというポジションに収まるのをよしとしないのではないか」と思う方が多いのではないでしょうか。スパーズ入りが噂されているのは、2019-20シーズンから背番号を9に変えたピョンテクが、昨季とは別人のようにゴールに見離されてしまったからです。

セリエA18試合4ゴール、3つまでがPK。「プレシーズンに失敗したのかもしれない。序盤戦はフレッシュとはいえず、体が重くてエネルギーも感じられなかった」と語ったストライカーは、年末までは「移籍は考えていない」と断言していたのですが、クラブがズラタン・イブラヒモヴィッチを獲得し、状況が変わりました。「ガーディアン」など複数メディアが「ピョンテクは2800万ポンド(約40億円)でノースロンドンにやってくる」と報じており、「ザ・サン」のダンカン・ライト記者は「3年半の契約に合意し、48時間以内にメディカルチェックが完了する見通し」と伝えています。

プレミアリーグに登場するのは、1年前の点取り屋か、今の彼か。セリエAでプレイしていたストライカーといえば、ゾラやラバネッリ、グラツィアーノ・ペッレら活躍したイタリア人たちと同時に、イグアイン、バロテッリ、シェフチェンコといった失敗例も思い浮かびます。現在のプレミアリーグを見ると、大成功はモー・サラーのみ。夏に加わったクトローネとモイーズ・キーンは、早くもイタリアに戻るという噂が聞こえてきています。

「環境が変わって、本来のプレイを取り戻すというのはよくある話」「サラーのような活躍を期待」と楽観視したいのですが、2800万ポンドの完全移籍は多分にギャンブルです。戻ってくるエースの不在を埋めるというミッションなら、プレミアリーグで実績があるストライカーのほうがいいのではないか…。すんなり決まるかどうか、続報を待ちましょう。(クリシュトフ・ピョンテク 写真著作者/Occhi91)

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“トッテナム移籍合意と伝えられるピョンテクは、1年前の輝きを取り戻せるのか?” への1件のコメント

  1. 新参 より:

    セリエAの解説をよくされる細江さんという方が、ピヨンテクはまわりに敵を引き付けるプレーヤーがいたら輝くと言っていました。個人能力がレバンドフスキとの違いかもしれません。モウリーニョ監督がそこら辺を理解しているのであれば成功、単にストライカーとして計算しているのであれば失敗する可能性が高いのではないでしょうか?

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