偏愛的プレミアリーグ見聞録

ジョアン・フェリックスに続いて、以前に獲得を断念と伝えられたアントニーも再度アウトか。アトレティコ・マドリードのアタッカ―もアヤックスのウインガーも、現在の環境に満足しているようです。日替わりで、新たなターゲットが取り沙汰されているマンチェスター・ユナイテッド。守護神から最前線まで、錚々たる顔ぶれが並んでいます。

プレミアリーグで連敗スタートとなったクラブは、GKの補強もミッションのひとつとなっています。ボルシアMGのGKゾマーは、デ・ヘアとポジションを争う存在としてフォーカスされており、エヴァートンのベゴヴィッチやセインツのマッカーシーならバックアッパー。ノッティンガム・フォレストに貸し出したディーン・ヘンダーソンの後釜だけでも、複数の名前が挙がっています。

クリスタル・パレスに復帰という噂が流れているワン＝ビサカのポジションは、ドルトムントのトーマス・ムニエとバルサのセルジーニョ・デスト。最前線は、可能性は低いといわれているアトレティコ・マドリードのマテウス・クーニャ、チェルシー優先のオーバメヤン、PSVがCL出場決定なら残留濃厚のコーディー・ガクポに加えて、開幕戦で2発決めたアルバロ・モラタも候補とされています。

所属クラブに照会しただけの選手から、オファーを準備している真のターゲットまでさまざまですが、ここからは具体的な話が進みそうなネタに絞って現地の報道を紹介しましょう。ひとりめは、パリ・サンジェルマンのマウロ・イカルディ。新監督のクリストフ・ガルティエから戦力外通告を受けたストライカーは、プレミアリーグ参入に前向きと伝えられています。

「デイリー・メール」によると、ネックになりそうなのは、840万ポンド（約13億6000万円）の高額年俸。代理人であり妻であるワンダ・ナラさんが、2週間前に離婚するという発言が入った音声ファイルの流出で騒がれているのも、大いに気になります。母親の法外なサラリー請求を見て手を引いたアドリアン・ラビオに続いて、エキセントリックな奥様に振り回されるようなら、早期の撤収となるでしょう。

2人めは、昨日の記事で「厳しい」と書かせていただいたレアル・マドリードのカゼミーロです。カルロ・アンチェロッティ監督が手離すはずがないと思っていたのですが、好条件オファーを受けたご本人はプレミアリーグに傾いているようです。

「マンチェスター・ユナイテッドは、カゼミーロが入団に同意するか返事待ち。週末までの決定を期待している。彼は昨日アンチェロッティに相談しており、今は既に結論を出しているはずだ。レアル・マドリードはユナイテッドに対して、評価額（約6000万ポンド）に沿うなら邪魔はしないといっている」（ロブ・ドーソン/ESPN）

ESPNの記者のツイートを引用した「マンチェスター・イブニングニュース」は、「トランスファーニュースライブ」の配信も紹介。「カゼミーロはアンチェロッティに、マンチェスター・ユナイテッドに加わるという決断を伝えた」と報じたメディアは、「レアル・マドリードのブラジル人コンビ、ロドリゴとヴィニシウス・ジュニオールは、カゼミーロがオファーを受け入れたことを知っている」と踏み込んだツイートを残しています。

「BBC」も、ゴシップのコーナーではなくプレミアリーグカテゴリーで、ギエム・バラグ & サイモン・ストーンという名物記者コンビのレポートを掲載。イカルディは微妙ですが、カゼミーロのほうはすんなり決まる可能性があります。チェルシーのプリシッチのローン移籍は、先方次第なので当面ステイでよさそうですね。週末までは、チャンピオンズリーグのトロフィーを獲得したばかりのベテランMFの動向に注目しましょう。（カゼミーロ　写真著作者/Granada）