偏愛的プレミアリーグ見聞録

「チェルシーとアトレティコ・マドリードは、ジョアン・フェリックスとの契約に関する書類を交換し、サインした。買い取りオプションはないと確認されている。ジョアンは本日、家族や代理人とともにロンドンを訪れ、メディカルテストを受けた後、契約書にサインする」（ファブリツィオ・ロマーノ）

「ジョアン・フェリックスとの契約は、クリストファー・エンクンクの移籍には何の影響も与えないだろう。チェルシーは既にライプツィヒと6000万ユーロ以上の移籍金で合意している。エンクンクは7月にチェルシーの選手となる。12月の既報のとおり、選手側との契約は完了し、サイン済み」（ファブリツィオ・ロマーノ）

「さまざまなジャーナリストが、マンチェスター・ユナイテッドがヴェグホルストをオールド・トラッフォードに連れてくる口約束を結んだと報じている。しかしまだ、何も確定していない。ベシクタシュが代役を獲得する必要がある」（「スカイスポーツ」ダルメシュ・シェス）

「クロエンケファミリーは、スポーツディレクターのエドゥ・ガスパールがシャフタールの移籍に関する要求に応じることにグリーンライトを灯したといわれている。両クラブはまだボーナスについて話し合っているが、8800万ポンド前後になる移籍金の合意に近づきつつある」（フットボールロンドン）


獲得したいポジションが重なっていたチェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルは、それぞれ意中の選手との契約に近づいているようです。ムドリクのハイジャックを狙っていたチェルシーは、アーセナルにプロテクトされて、ジョアン・フェリックスに方向転換。ファブリツィオ・ロマーノさんは「完全合意に到達」といい切っています。

ローン移籍のフィーは970万ポンド（約15億6000万円）。チェルシーは半年分のサラリーも払うようです。トランスファーマーケットの専門家がツイートした「アトレティコはジョアン・フェリックスとの契約を2027年まで延長しようとしている」という話は、スペインメディア「マルカ」も報じています。

今回は買い取りオプションは付けず、契約を延長したうえで夏に高値で売るという目論見なのか。あるいは、彼と確執が生じているといわれるディエゴ・シメオネ監督が勇退する可能性があるのか。今、はっきりしているのは、スペインのクラブがジョアン・フェリックスを安く売る気はないということだけです。

プレミアリーグのTOP4復帰をめざすマンチェスター・ユナイテッドは、バーンリーがベシクタシュに貸し出しているヴァウト・ヴェグホルストをローンで獲ろうとしています。「スカイスポーツ」の記者は「2つのクラブに対する補償が必要」という表現に留めていますが、ファブリツィオ・ロマーノさんのコメントはもう1歩踏み込んでいます。

「口頭で完全合意」「ベシクタシュに300万ユーロを払えば移籍決定」「ただしベシクタシュが、ふさわしい後任を見つけることが最終条件」。トルコ人ジャーナリストのゴーカン・ディンクさんは、「本人はマンチェスター・ユナイテッドに行きたがっており、ベシクタシュへの補償金を出してもいいとまでいっている」と伝えています。

ジョアン・フェリックスのレンタル料を見て断念したクラブは、できるだけ早く話をまとめたいようで、「エクスプレス」は「最短で今日決定」といっています。バーンリーでは振るわなかったストライカーは、トルコではリーグ戦12試合6ゴール4アシストという数字を残しており、プレミアリーグでもやれるということを証明したがっているようです。

ムドリクを最優先としていたアーセナルは、ジョアン・フェリックスのレンタルについては「チェルシーよりもはるかに安い額でオファー」と書かれていました。スペインのヤングスターは、ロンドンのライバルに持っていかれましたが、本命のほうは着実に合意に迫っています。

複数のメディアの報道をまとめると、アーセナルとシャフタール・ドネツクは、8800万ポンドをトップラインとしてオプションの比率をどうするかを協議中。プレミアリーグの戦績、ムドリクの出場機会やスタッツなどの条件をすべて満たせば、ウクライナが満額を手に入れるという話です。

こちらも本人がアーセナル移籍を熱望しており、さほど時間をかけずに妥結するのではないでしょうか。現地の報道が事実ベースなら、ジョアン・フェリックス、ヴェグホルスト、ムドリクの順に決まるはずですが…。続報を楽しみに待ちましょう。