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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ウイングか、中盤か…マンチェスター・ユナイテッドがメイソン・マウントを必要とする理由。

テン・ハフ監督の初年度は、プレミアリーグ3位、カラバオカップ優勝、FAカップ準優勝。ヨーロッパリーグ制覇は叶わなかったものの、最大のミッションであるCL復帰を果たしたマンチェスター・ユナイテッドは、さらなる補強によってビッグタイトル獲得をめざしています。

彼らが強化したいポイントは明確で、4人のターゲットの名前で表現することができます。重要度の高い順に並べてみましょう。ハリー・ケイン、メイソン・マウント、キム・ミンジェ、デクラン・ライス。ロナウドとヴェグホルストが去った最前線は、マルシアルも退団する可能性があり、得点力が高いストライカーを引き入れようとしています。

最終ラインは、ハリー・マグワイアが指揮官の構想外となっています。ヴァランは負傷が多く、リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショーだけでまわると考えるのは無謀です。求められる条件は、パスワークとハードなチェック。フェネルバフチェとナポリで守備力を発揮した韓国代表CBは、うってつけの人材といえるでしょう。

さて、ここからが本題です。テン・ハフ監督が抱える中盤の課題は何なのか。この問いに対する答えを出せれば、サポーターからも疑問の声が挙がっている「メイソン・マウントを必要とする理由」を言語化できるでしょう。

現地メディアが配信している最近の記事を調べてみると、「Why Chelsea’s Mason Mount is wanted by Erik ten Hag at Old Trafford」と題されたレポートが、マン・ユナイテッドの弱点を最も簡潔に表現しています。筆者は、「スカイスポーツ」のジニー・ボズウェル記者。着目しているのは、レギュラーとサブの力の差です。

「昨年の夏に、カゼミーロ(7000万ポンド)とクリスティアン・エリクセン(フリー)を獲得。シーズン序盤は、少なくともファーストチョイスのオプションにおいて、中盤がユナイテッドの強みとなるエリアに見えた」

「カゼミーロ、エリクセン、ブルーノ・フェルナンデスというテン・ハフのGo-toトリオは、今シーズン、一緒に先発したときに1度しか負けていないという事実がそれを裏付けている。しかし、フレッジ、スコット・マクトミネイ、ドニー・ファン・デ・ベークが起用されると、そのクオリティは著しく低下する」

一時は優勝争いに食い込んだマンチェスター・ユナイテッドは、エリクセンの負傷とガス欠によって、苦しい戦いを強いられるようになりました。メイソン・マウントが最も評価されているのは、仕事量です。オフ・ザ・ボールのアクションの質、プレスの強度、ファイナルサードにおける供給力。件の記事は、トーマス・トゥヘルの言葉を引用して、彼の価値を伝えています。

「メイソンはフィールドに確実な姿勢とオーラ、メンタリティをもたらしてくれる。彼を落とすのはとても難しい。あまりよくない試合でも、充分なエネルギーとポジティブさ、素晴らしいアプローチを得ることができるのだから」

マン・ユナイテッドにおける役割をフォーメーションで示すと、よりわかりやすくなるでしょうか。4-3-3なら、ウイングかインサイドMF。中盤に入った際は、カゼミーロがアンカーで、ブルーノは下がりめ。メイソンはより前でプレイすることになりそうです。4-2-3-1なら2列めの左右。4-1-4-1や3-2-4-1のトップ下で、ブルーノと並んでも機能するでしょう。

プレミアリーグ32試合11ゴール10アシストという出色の数字を残した2021-22シーズンは、右サイドでプレイする時間が長く、ポッターの試行錯誤でポジションがコロコロ変わった昨季は、左がメインでした。ブルーノ、カゼミーロ、エリクセンが揃うチームなら、どちらのサイドでも問題なし。中央に斬り込んで放つ強烈なミドルは、ここぞというときの武器になるはずです。

「ワールドクラスのトリオをカルテットにしてクオリティと流動性を高め、プレミアリーグとチャンピオンズリーグにおける戦術の選択肢を増やす」。メイソン・マウントを何としても獲りにいく理由を、私なりに言葉にしてみました。チェルシーの要求額は7000万ポンド、こちらは6000万以下。現地は「契約延長に持ち込めなかったブルーズが折れる」と見ているようですが&hellip!


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