偏愛的プレミアリーグ見聞録

先にステートメントを配信したのはウェストハム。昨日の朝、「デクラン・ライスが、英国最高額の移籍金でクラブを離れるという合意に達した」と発表したクラブは、デヴィッド・サリバン会長とモイーズ監督のメッセージに終始し、彼の行き先は告げませんでした。

その数時間後、公式サイトのファーストビューを占領する巨大なバナーが立ち上がりました。「Declan Rice completes transfer to Arsenal」。プレミアリーグ制覇をめざすアーセナルがついに、この夏最大のターゲットの獲得に漕ぎ着けたと公言しました。移籍金は1億ポンドと500万ポンドのアドオン。プレミアリーグのクラブ同士のディールとしては、史上最高額です。

「24歳のMFは既に豊富な経験があり、ハマーズのシニアで245試合に出場し、スリーライオンズで43キャップを獲得している」。アーセナルの最初のアナウンスは、ハマーズのキャプテンの足跡をフラットに記すのみに留まっています。プレミアリーグデビューから6年。昨季のヨーロッパカンファレンスリーグ制覇は、10年を過ごしたクラブに残した最高の置き土産でした。

その後、ノースロンドンの公式サイトは続々とコンテンツを投入し、6つの記事と3つの動画がTOPページをジャックしています。ハマーズでキットマンに渡されただけだった背番号41は、今や変えられないマイナンバー。尊敬する選手はセルヒオ・ブスケツとエンゴロ・カンテ…エピソードを伝える記事と同時に配信された第一声を紹介しましょう。

「まず最初に、これまで応援してくれたアーセナルファンに心からありがとうといいたい。何ヵ月もさまざまな出来事があり、憶測が飛び交い、強烈だったね。選手としてはいうまでもなく、できるだけ早く事を片付けて、落ち着きたいものだ。ようやく最初の日を迎えられて、家にいるように感じている」

「この数週間は、少したじろいだね。ウェストハムとの関係もある。彼らの愛とサポートがあるから、離れるのは本当に辛かった。フットボールの世界では、時に素晴らしいチャンスが訪れる。アーセナルのようなビッグクラブに呼ばれて、断るのはとても難しい」

「キャリアは一度しかない。ミケルがここで成し遂げようとしているものと、築き上げたスカッドを信じている。アーセナルでの将来がとても楽しみだね」

1億ポンドという巨額のコストに引き気味のグーナーは、昨季プレミアリーグにおける素晴らしいパフォーマンスを押さえておくといいでしょう。「獲得ポゼッションとインターセプトはリーグ1位、キャリーは2位、タックル数はTOP10。守備から攻撃へのトランジションにおける関与は、ブルーノ・フェルナンデスに次ぐ2位」。リーグのTOPクラスという評価に異論はありません。

イングランド代表で、ブカヨ・サカとともに戦った試合は21。ラムズデール、ベン・ホワイト、スミス・ロウも、スリーライオンズのチームメイトです。エンケティアはチェルシーのアカデミーで一緒に遠征していた古くからの友人だそうで、チームにフィットするのに時間はかからないでしょう。

昨年まで、チェルシーに復帰すると見られていたセントラルMFは、ミケル・アルテタの下で成長できると確信して進路を変えたようです。あちらにトーマス・トゥヘルがいたら、結論は変わっていたのでしょうか。最後にグーナーへのメッセージを紹介して、この稿を終えることとしましょう。

「アーセナル・フットボールクラブの一員であることを光栄に思う。クラブの歴史とここでプレイしてきた選手たちが、彼ら自身の素晴らしさを物語っている。そして今、僕はここに加わり、他にも何人かを獲得している。われわれは再びアーセナルをビッグタイムに導き、勝利をもたらそうとしている」

「この数年間、スカッドと監督がどれほどうまくいっているか見てきただろう。僕はハングリーで、準備はできている。毎週、毎週、このクラブのためにすべてを捧げるつもりだ。さまざまな旅に出るんだ。とても楽しみだ」