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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

レスターの奇跡から7年、カンテに続いてマフレズもサウジへ…急いで押さえたい後継者候補は?

リヤド・マフレズがサウジアラビアに旅立つと聞いて、プレミアリーグ2015-16シーズンに奇跡的な優勝を遂げたレスターを思い出しました。前年は残留争いをしていたチームが頂点に立てたのは、クラウディオ・ラニエリの適材適所の改革がはまったからです。

最大の手柄は、アーセナルに2-5で大敗した直後の8節に、両サイドのフルバックを代えたことです。デラートとシュラップを、ダニー・シンプソンとフクスへ。守備力重視の起用によって最終ラインが安定し、アーセナルの猛追を受けた3月には5戦連続のクリーンシートで5連勝。逆転される気配を感じさせない堂々のゴールインでした。

このチームの試合をすべて観たのは、岡崎慎司が加わっていたからです。ジェイミー・ヴァーディーとコンビを組んだ日本代表はプレスをさぼらず、長短のカウンターを武器とするチームになくてはならない存在でした。あのチームのメンバーのなかで、その後最も成功した選手といえば、エンゴロ・カンテとリヤド・マフレズでしょう。

攻撃的MFから中盤センターにコンバートされたカンテは、優勝の直後にチェルシーに移籍。2年連続でプレミアリーグを制した2016-17シーズンには、PFAとリーグのMVPをダブルで受賞しています。2018年のワールドカップロシア大会でフランスを優勝に導き、2021年にはチャンピオンズリーグとクラブワールドカップを制覇。カラバオカップ以外の全タイトルを手に入れました。

マフレズがレスターを離れたのは、カンテより2年遅れの2018年。ペップの下で右サイドに定着したウインガーは、プレミアリーグ4回をはじめ12のタイトルをマンチェスターにもたらしました。昨シーズンは、カンテも未体験のトレブル達成。2019年には、アルジェリア代表としてアフリカネーションズカップを勝ち取っています。

両者ともに32歳。10歳年下のエンソ・フェルナンデスと21歳のカイセドに2億ポンドを投じようとするクラブを見て、潮時と悟ったであろうカンテの退団は理解できます。マフレズは意外でしたが、ベテランといわれるようになったアタッカーにとって、アル・アハリが提示した最長4年の契約と4500万ポンドともいわれる法外な年俸は断れないものだったのでしょう。

カンテの後釜は、カイセドかロメオ・ラヴィアか。マフレズの穴を埋めるタレントとして、バルサのハフィーニャ、クリスタル・パレスのマイケル・オリーズ、ブライトンのエンシーソらの名前が挙がっていますが、目下のところはベルナルド・シウヴァやカイル・ウォーカーの引き留めのほうが忙しいようです。

ジョアン・カンセロとラポルテにも退団の噂があるなかで、コヴァチッチ以外の新戦力獲得は、ライプツィヒのグヴァルディオルぐらいしか具体的なアクションが報じられていません。ペップ就任以来、マン・シティがこれほど後手にまわるのを見るのは初めてです。サウジ勢の急襲は、名将の想像を上回る手強さだったのでしょうか。

トレブルを達成した最強チームに主力は残るはずと考えた指揮官とスタッフに対して、選手たちのほうは「トレブルを達成したから次に行こう」と思ったのかもしれません。「マンチェスター・イブニングニュース」の記者たちは、開幕直前の戦力ダウンについて「不慣れな状況に直面」と報じています。プレミアリーグの緒戦まで2週間。どうなるか、見てみましょう。


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