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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

デクラン・ライス&ザハ…主軸を失ったウェストハムとクリスタル・パレスが、ようやく後釜候補を獲得!

昨季プレミアリーグで11位のクリスタル・パレスと、14位のウェストハム。サウスロンドンとイーストロンドンのクラブには、いくつかの共通項があります。プレミアリーグに復帰してから11年めを迎えるイーグルスに対して、ハマーズは12年め。百戦錬磨の英国系マネージャーが指揮を執り、30代のベテランが最終ラインを支えているチームです。

両者ともに、この夏は絶対的な存在を失いました。ウィルフリード・ザハはガラタサライ、デクラン・ライスはアーセナル。彼らに加えて退団したベテランの穴埋めが必要ですが、いずれもマーケットでの動きが停滞しています。イーグルスが獲得したのは、ボーンマスからフリーで引き入れたジェファーソン・レルマのみ。ハマーズは未だ即戦力を獲っていない唯一のクラブです。

このままでは残留争い必至…苦しい状況に追い込まれていた2つのクラブは、プレミアリーグの開幕まで1週間となって、ようやく視界が開けてきました。クリスタル・パレスは2人めの新戦力の入団を発表。ウェストハムも、初のサインに近づいていると報じられています。

サウスロンドンに居場所を移したのは、フラメンゴで頭角を現した逸材マテウス・フランサ。19歳のアタッカ―が残した公式戦トータル54試合9ゴールという数字は、もの足りなく感じられるかもしれませんが、2年で7人の監督を招聘した不安定なチームで奮闘した結果であることを添えておきましょう。

彼の強みは、左右の足から同じクオリティで繰り出せるキラーパスと、複数のマーカーをあっさり抜き去るドリブルです。182センチでフィジカルが強く、プレミアリーグの屈強なDFを苦にしないでしょう。トップ下、偽9番、左右のウイングをこなすヤングスターは、ザハの後継者というにはあまりにも多芸です。

ブラジルで報じられている移籍金は、総額2160万ポンド(約39億円)。事実なら、出色のお買い得案件に化ける可能性があります。マルティネッリのアーセナル入団以来のワクワク感。いきなりレギュラーも充分ありえるのではないかと思います。

一方、ハマーズが獲得間近と報じられているのは、アヤックスのエドソン・アルバレス。母国メキシコの名門アメリカ(ややこしい…)でキャリアをスタートさせたセントラルMFは、2019年にアヤックスに移籍し、CLデビュー戦ゴールという鮮烈な自己紹介が話題となりました。現在は25歳で、エールディヴィジ優勝2回、CL出場31試合と経験値も申し分ありません。

クレバーなポジショニングとボール奪取力を武器とするアンカーは、ドルトムント移籍が破談になり、デクラン・ライスを失ったチームにチャンスがまわってきました。この夏のハマーズは、プレミアリーグの経験重視のモイーズ監督と国外に目を向けるシュタイテンTDの確執が話題になっていますが、3500万ポンド(約63億円)以上といわれる本件はTD主導のディールです。

巨大な穴が埋まるかどうかはともかく、ザハとデクラン・ライスのポジションをカバーするタレントを押さえられたのは収穫です。クリスタル・パレスもウェストハムも大きく前進したかと思われたのですが…成長が期待されていたタレントの退団話があるのも両者の共通項です。

ホジソン監督のチームは、21歳のマイケル・オリーズにチェルシーが忍び寄っています。本人の合意を取り付けたブルーズのオファーは、2590万ポンド(約47億円)。これを拒否しても、バイアウト条項にある3460万ポンド(約63億円)を突き付けられたらジ・エンドです。マン・シティも興味ありと伝えられており、すんなり残留という着地は考えにくい状況になっています。

モイーズ監督のほうは、1年前に連れてきたジャンルカ・スカマッカをアタランタに持っていかれました。サッスオーロに支払った移籍金は3050万ポンド、売却で回収できそうのは2160万ポンドとアドオン430万ポンド。イニシャルから10%がサッスオーロに渡るので、残り4年の減価償却をゼロにはできなかったということになります。

イーグルスもハマーズも、さらなる補強を進めなければ、下を見ながら過ごす日々が始まります。デッドラインデーまで2週間。より心配なのは、ヨーロッパリーグを戦える選手層とは思えないイーストロンドンですが…。(エドソン・アルバレス 写真著作者/Carlo Bruil Fotografie)


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