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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「バイエルンとトッテナムは移籍合意、しかしハリー・ケインは残留の可能性が高まっている」って…?

「バイエルン・ミュンヘンとトッテナムが8600万ポンド(約158億円)とアドオンで合意」。現地メディアが一斉に報道するのを見て、彼はついにノースロンドンに別れを告げるのかと思いました。しかしどのメディアも、「ハリー・ケインが移籍する」とはいっていません

「ハリー・ ケインは躊躇しており、バイエルンもそれを認識していると確認した。バイエルンとトッテナムは基本合意に至ったというのに」(「スカイドイツ」フロリアン・プレッテンベルク記者)

「ハリー・ケインが今シーズン、トッテナムに残る可能性が高まっている。現時点では、まだ待ちの段階であり、発展途上といえる状況である。ケインの契約はあと1年残っている。トッテナムは新しい契約を結ぶべく、あらゆる手を尽くしている」(「スカイスポーツニュース」ポール・ギルモア記者)

「シャフタール・ドネツクとのフレンドリーマッチを観るために、トッテナム・ホットスパー・スタジアムに足を運ぶと、そこでハリー・ケインが4ゴールを挙げた。終盤に交代したとき、全員が立ち上がり、あの有名なハリー・ケインの歌『he’s one of our own』を合唱した。彼はファンが自分をどれだけ思っているかを再認識したはずだ」(「スカイスポーツニュース」ジェームズ・グリーン記者)

「バイエルンとトッテナムがハリー・ケイン獲得で基本合意に達した。デヴィッド・オーンスタインが報じている。あとは選手次第だ。長い交渉だったが、ケインはすぐに最終決断を下さなければならない」(ファブリツィオ・ロマーノ)

「この夏、ケインはバイエルンに移籍したいと考えていたかもしれない。しかし今、現実に直面して、考えを変えたのかもしれない。それはそれで構わない。よくあることだ。ある日、何かを考えたら、次の日に真逆になる」「おもしろい移籍話を楽しんでいるわれわれにとって、今回の結末はもの足りないものになるだろう。しかし、ケインがバイエルンを断るのは、人として理解できる決断だ」(「アスレティック」ニック・ミラー記者)

プレミアリーグで213ゴールを積み上げたストライカーは、スパーズに残るという選択肢を捨てていないようです。ダニエル・レヴィ会長がついに折れて、クラブの宝をフリーで失うリスクを回避すると決断したにも関わらず。

ブンデスリーガで11連覇を果たしたバイエルンは、欧州主要リーグで最もトロフィーに近いクラブ。オッケーのひとことで、これまでのキャリアで足りなかったものを手に入れることができそうです。国内だけでなく、ビッグイヤーという夢を叶えられるかもしれません。当然、サラリーもUP。外野から見る限り、断る理由は見当たりません

ところが、「スカイスポーツニュース」の記者たちは、むしろ残留の可能性が高まったといっています。彼が移籍を思いとどまる理由は、3つぐらいしかありません。ポステコグルーの考え方に共感した。サポーターの愛情に心を動かされた。開幕直前に移籍するのはハイリスクと感じた…。直近の報道から推察すると、クラブが合意した時期が遅すぎると考えている可能性が高そうです。

とはいえ、ここまで話が進んだら、シンプルに残留とはいかないでしょう。レヴィ会長が拒否し続けたなら、「残るけど契約延長はしない」というスタンスをキープできます。しかし、クラブがフリーで手離すリスクを嫌った今は、1年残って移籍金ゼロでプレミアリーグのライバルクラブに移籍したいとはいえないでしょう。

彼がスパーズに残る場合は、紳士協定を結ぶのではないでしょうか。たとえば、「契約を1年延長して、来年の夏に5000万ポンド以上のオファーがあれば、本人の意志を尊重する」といった約束です。ドイツに渡ってビッグタイトルをめざすか、プレミアリーグの最多ゴールという栄誉を取るか。いや、もちろん、「スパーズで両方を叶える」という未来もありえるのですが…。


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