2026.07.24 移籍ニュース2026-27移籍ニュース
移籍金1億ポンド超えが続出!プレミアリーグの人件費高騰は今後も続くのか?
プレミアリーグのトランスファーマーケットの相場は、過去10年で劇的に変化しました。2016年の夏の総支出は11億6000万ポンド。9年後の2025年には、31億9000万ポンドに増加しています。2016年に売上総額が世界一だったマンチェスター・ユナイテッドは5億6500万ポンドで、昨年のレアル・マドリードは9億9500万ポンド。売上より人件費のほうが、伸び率が高くなっています。
フットボールのプレーヤーの価値は、どこから高騰したのか。過去の移籍騒動を調べてみると、50年前も多分にクレイジーだったという結論に行き着きます。イングランドで、移籍金が初めて100万ポンドを超えたのは1978年。ノッティンガム・フォレストがバーミンガムから獲得したトレヴァー・フランシスは、移籍初年度からチャンピオンズカップ連覇に貢献した選手です。
100万と聞いて、笑う人もいるでしょう。しかし現在のレートに換算すると、1億7300万ポンドに相当するビッグディールです。1982年に、ボカ・ジュニアーズからバルセロナに乗り込んだディエゴ・マラドーナは300万ポンド。1992年にACミランがトリノからレンティーニを引き抜いたとき、1300万ポンドという巨額の移籍金が社会を揺るがす大騒動となりました。
バチカンの公式メディア「オッセルヴァトーレ・ロマーノ」は、「労働の尊厳に対する冒涜」という痛烈な言葉で非難したのですが、1996年にブラックバーンからニューカッスルに移籍したアラン・シアラーは、1500万ポンドでリーグレコードを塗り替えました。2001年にユーヴェからエル・ブランコに向かったジネディーネ・ジダンは、4820万ポンドという驚愕の価格でした。
その後のレアル・マドリードとマンチェスター・ユナイテッドは、移籍金を高騰させた主犯といっていいでしょう。2009年のクリスティアーノ・ロナウドは8000万ポンド。2013年のガレス・ベイルは、9100万ポンドと報じられました。テレビ放映権料が膨張したプレミアリーグは、2016年にオールド・トラフォードに復帰したポグバの9300万ポンドが物議を醸しています。
ジャック・グリーリッシュがリーグで初の1億ポンドとなった2021年まで、移籍金の総額がさほど上がらなかったのは、コロナ禍によってマッチデー収入が激減したからです。チェルシーが獲得したエンソ・フェルナンデスの1億ポンド超えがトリガーだったかのように、カイセドとデクラン・ライスが大台を突破した2023年から、相場が一変した感があります。
2021-22シーズンは12億ポンドだった夏の総支出は、2022-23シーズンに19億を超え、2023-24シーズンは24億、2024-25シーズンは20億。31億ポンドの昨年は、イサクとヴィルツを引き入れたレッズがリーダーでした。トナーリやモーガン・ロジャースに、デクラン・ライス、カイセド、ヴィルツらと同等の価値があるのかといったスポーツ観点の議論は、意味をなさないでしょう。
すべては選手を保有している側の言い値で、あるクラブが払えないとバンザイしたら、別なクラブにさらわれるだけです。個別のディールに上限額を設定しているアーセナルとマン・ユナイテッドは、青天井(空が青いのが語源で、シャツの色ではありません)のクラブより的確な補強ができるのか。スカッドの値段と順位の関係は、リーグを楽しむ視点のひとつになりえます。
デッドラインデーまで5週間ですが、さらなる1億ポンド超えはあるのか。ブラッドリー・バルコラ、アレックス・スコット、ブルーノ・ギマランイス…!テレビ放映権料はもはや頭打ちで、シーズンチケットの大幅な単価UPは望めず、売上拡大策はスポンサー開拓とアップセルぐらいしかないでしょう。移籍金高騰の流れを止められるのは、UEFAとFAの圧力ぐらいでしょうね…。
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