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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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パリNGでもロンドンはOK!? アーセナルのイカルディ(&ワンダ・ナラ)獲得話はやっぱり心配…!

パリ・サンジェルマンにレンタルされ、公式戦31試合20ゴール4アシスト、リーグアンでは20試合12ゴール3アシスト。過去2シーズンのチャンピオンズリーグで12戦9発とゴールを量産しており、オーバメヤンの代役として申し分ない数字を残しています。アルゼンチン人FWマウロ・イカルディ。「ザ・サン」「デイリー・メール」「フットボール・ロンドン」など現地メディアが、アーセナルがインテルにスワップを持ちかけていると報じていますが、プレミアリーグ参入に前向きと伝えられる点取り屋獲得は実現するのでしょうか。最大の懸念は、代理人を務める年上の奥様ワンダ・ナラさんの過激なトークという声もありますが…。

2016-17シーズンのセリエAでは34試合24ゴール、翌シーズンは34試合29ゴール。インテルの最前線に君臨していたエースが居場所を失ったのは、2019年の夏でした。契約延長交渉がうまく進まず、2月にキャプテンマークを剥奪されたイカルディは、ロメウ・ルカクの入団によって背番号9もポジションも手離すことになり、パリで巻き返す道を選びました。出遅れたカバーニの定位置をベンチにする活躍によって、7000万ユーロの買い取りオプションが行使されるかと思いきや、ここでもピッチ外で働く力学によって微妙な立場に追い込まれてしまいます。

「ガゼッタ・デロ・スポルト」によると、入団直後に「パリ移籍は最悪のチョイスだった」と語ったワンダ・ナラさんが、自らの仕事や子どもの教育環境を理由にイタリア復帰を画策したとのこと。「トゥヘル監督の長期的な構想に入っていない」ことを理由に、レオナルドSDにセリエAに戻らせてくれと伝えたと報じられています。パリがイカルディ獲得を諦めたのは、パフォーマンスが気に入らなかったからではないでしょう。インテル復帰となる元キャプテンは、同郷のラウタロ・マルティネスのバルセロナ行きが話題になっている古巣と関係修復できるのでしょうか。アントニオ・コンテ監督は、ルカクと同様に前線に張るタイプではなく、オーバメヤンのようなスピードと機動力を取りたいのではないかと思われます。

ストライカー同士のスワップは、インテルには前向きな話でも、アーセナルにとっては苦渋の決断でしょう。プレミアリーグでの素晴らしい実績に加えて、チームメイトを大事にするポジティブキャラも魅力のオーバメヤンに対して、インテルやパリで揉めたと伝えられるイカルディがチームのカルチャーやスタイルになじめるかは大きな懸念材料です。いや、ご本人よりも気になるのは、ワンダ・ナラさんの存在です。パリにNGを出した方が、曇天がデフォルトのロンドンに、レストランのアタリハズレが大きいロンドンに、獰猛なマスコミが常に牙を剥いているロンドンに耐えられるでしょうか。ご本人がプレミアリーグに魅力を感じていても、パートナーがそっぽを向いた瞬間に、すべてが終わってしまいそうです。

「イングランドなんて、くそったれ」「歩いているだけで、殺されるかと思った」「食べる物は何でもまずかった」…つい先日、アルゼンチンのテレビ番組でイギリスの印象を問われ、辛辣な表現でこき下ろしたホルヘリーナ・ディ・マリアさんを思い出すと、「イタリアに帰りたいと家族がいった」という理由で買い取りオプションが立ち消えとなった選手は、触らぬが吉なのではないかと憂いてしまいます。素晴らしいストライカーであるのは間違いないのですが…。ここはひとつ、「説得の必要がある選手の獲得は望んでいない」と明言しているアルテタ監督のセンサーを信じましょう。「説得の必要があるご家族がいる選手の」「説得の必要がある代理人を抱える選手の」も、加えていただいて。(マウロ・イカルディ 写真著作者/Вячеслав Евдокимов)


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