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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brazil2014】沈黙のバロンドール…トマス・ミュラーのハットトリックでドイツ圧勝!

ここ数年、ユーロでもワールドカップでも、クリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガルはドイツにまったく歯が立ちません。ワールドカップ予選のプレーオフで当たったスウェーデンとのゲームのように、昨年のバロンドールが爆発すれば強そうにみえるポルトガルですが、組織的で守備が堅いチームが相手となると、とたんに決定力が影を潜めます。この対戦は、私のなかでは「ドイツがどう勝ち、ポルトガルがどう負けるか」だったのですが、終わってみれば、ポルトガルにとって最悪の着地でした。4-0という点差もさることながら、痛かったのはペペのレッドカードとコエントランの負傷です。ポルトガルは守備の軸を失った状態で、次戦、日韓ワールドカップでグループリーグ敗退のきっかけを作られた、やっかいなアメリカとのゲームを戦わなければなりません。

8分に左から突破して放ったシュートが、この日のクリスティアーノ・ロナウドが唯一、光を放った瞬間でした。10分には、ペレイラがゲッツェを引き倒し、PKをトマス・ミュラーに決められてしまい、ポルトガルはさっそく劣勢です。先日のイタリアとイングランドの試合は、組織的なイタリアサッカーと、個人の集まりでしかなかったプレミアリーグの面々との差を痛感させられましたが、この日のドイツとポルトガルの差のほうが大きかったという印象です。

唯一、同点に追いつくチャンスだった25分のナニのシュートがゴール左上に外れ、32分のCKをフンメルスにヘッドで決められ2点差となると、ポルトガルは最悪の結末へと一気に転がり始めます。37分、トマス・ミュラーとの小競り合いで頭突きをかましたペペがレッドカード。46分には、トニ・クロースのパスから中央で敵のクリアを拾ったトマス・ミュラーがこの日2点め。GKノイヤーが統率する鉄壁守備のドイツ相手に、前半で3-0となっては、もはや勝ち目はありません。

後半は、フンメルスとコエントランがケガでピッチを去るという、両者にとって痛いアクシデントが発生。エジル、トニ・クロース、ケディラとパスの供給源が多く、速攻、サイド攻撃、ゲッツェの突破など攻撃が多彩なドイツに対して、クリスティアーノ・ロナウドのドリブルとプレースキック以外には、単発のミドルしか打開策がないポルトガル。78分、シュールレが右サイドで完全にフリーとなり、クロスをGKが弾いたところをトマス・ミュラーが右足で押し込み、ハットトリックを達成すると、10人のチームに巻き返す術はありませんでした。

昨季、チャンピオンズリーグで次々とプレミアリーグ勢を撃破したバイエルン・ミュンヘンの影がちらつくドイツより、マンチェスター・ユナイテッドの黄金期を創ったクリスティアーノ・ロナウドとナニがいるポルトガルにより親近感が湧くのですが、中盤にタレントが揃うドイツに正面からぶつかったら勝ち目はないですね。ポルトガルが勝つなら、あえてラインを低くとってドイツの攻撃を呼び込み、裏のスペースをカウンターで徹底的に狙うといったサッカーのほうがよかったように思います。プレミアリーグで中堅クラブに負け続けたボロボロのマンチェスター・ユナイテッドが、バイエルン・ミュンヘンとのチャンピオンズリーグでエヴラのミドルで先制し、マンジュキッチにすかさず同点にされるまでのたった1分、夢をみたあのサッカーです。

うーん、それにしても痛い。レギュラーとサブに力の差があるポルトガルは、ベストコンディションにはまだ遠いクリスティアーノ・ロナウドと急造DFラインでは、次戦アメリカに勝てないのではないでしょうか。同じく初戦で負けはしたものの、得失点差を最少に留め、ほぼベストメンバーで戦える日本やイングランドよりも厳しい状況であることは間違いありません。

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