【Brazil2014】終了直前のミドルはポスト直撃!ブラジルを追い詰めたチリ、PK戦に散る…。
ジュリオ・セーザル、ダヴィド・ルイス、オスカル、フェルナンジーニョ、ラミレス、ウィリアンと、現役のプレミアリーグ所属選手とプレミアリーグ経験者を合わせると6人もいるブラジルに親近感がありながら、試合を観ているうちに、いつしかチリを応援していました。サポーターの後押しを存分に受け、先に点を奪えば主導権を完全に握れるはずのブラジルは、フッキとネイマールを中心に試合開始直後から攻勢。外からのクロスでチリの中央をこじ開けようとします。ラッキーな先制ゴールは18分。左からのCKをネイマールが蹴り、チアゴ・シウバがヘッドで角度を変えると、ボールは右ポスト際、今季からチアゴ・シウバとパリでコンビを組むダヴィド・ルイスに向かっていきます。最後にボールに触れたのはチリのDFで、オウンゴールでしたが、記録はダヴィド・ルイスのゴール。幸運な一発で、ブラジルにますますエンジンがかかるものと思われましたが、ここからチリが踏ん張ります。
26分のネイマールのドリブルシュートが枠を外れると、32分、ブラジルに痛恨のミス。マルセロのスローインを受けたフッキが、リターンでマルセロに戻そうとしたパスをバルガスにダイレクトで中に入れられると、そこにいたのはアレクシス・サンチェス。GKジュリオ・セーザルしかいないゴールは、シュートコースに困らない状態。バルサのストライカーは、冷静に左隅を選んでシュートを流し込み、あっけなく同点です。ブラジルはすかさず勝ち越しを狙い、ネイマールのヘッドやダニエウ・アウヴェスの強烈なミドルがチリのゴールを襲いますが、DFとGKが必死にブロック。あれだけラッシュをかけての前半1-1は、ブラジルにとっては想定外でしょう。後半、優勝候補の運動量が落ち、チリがボールを持つ時間が長くなります。
55分、ウイングのようにチリの右サイドを脅かす左SBマルセロが、逆サイドにピンポイントのクロスをフィード。フッキが右肩でトラップし、GKブラボのポジションをみてクロスのシュートを流し込みますが、判定はハンド。しかもフッキにはイエローカード。ウェブ主審のジャッジは、一瞬歓喜に沸いたブラジルにとって厳しいものでした。最大の勝ち越しチャンスでリードを奪えなかったブラジルは、その後もチリに勝る決定機を得ながら、フッキやネイマールがラストパスを活かせず。シュートはことごとくGKブラボに止められ、90分を終えてもスコアは動きません。
ブラジルにとっては、やりたくなかった延長戦。両チームとも疲れで足が止まり、丁寧な組み立てができずに自陣でのファールも増え、30分の攻防は直接FKとミドルシュートの応酬となります。ブラジルは、チャンスの数と同じくらいのピンチにさらされますが、さすがブラジル、ここぞというシーンでは、ジュリオ・セーザル、ダヴィド・ルイス、チアゴ・シウバが冷静に対処し、ジャイアントキリングの可能性を最小限に抑えます。しかし120分、チリがクライマックスを演出。ビダルに代わって入ったピニージャの右足シュートがジュリオ・セーザルの指先を襲い、GKを破って決勝ゴールと思われたボールの行方はクロスバー。チリは最大のチャンスをものにできず、ゲームはPK戦に突入します。
プレミアリーグでそのキックを観ている限りでは、ダヴィド・ルイスはPKを外さないはず。危ないのはネイマール…と思って観ていたPK戦は、ジュリオ・セーザルが大活躍。GKが2本ストップすれば、大概のPK戦は勝てるものですが、ブラジルもフッキとウィリアンが決められず、勝負は5人めのキッカーに委ねられます。先に蹴ったネイマールが決めると、ハラのキックは右ポスト!ブラジル、辛勝。最後の最後でしぶとかったチリを振り切り、ベスト8でハメス・ロドリゲスのコロンビアと戦うことになりました。
フィニッシュが甘かったブラジルが追い詰められた一戦でしたが、ここはチリの強さを称えたいと思います。スペイン戦の完勝といい、力を出し切った今日のゲームといい、最高に近いワールドカップだったのではないでしょうか。アレクシス・サンチェスは、もうしばらく観ていたいFWでした。いや、今季、プレミアリーグに来ていただければ毎週、観れますね。どうなったんでしたっけ、リヴァプールやアーセナルとのお話。(フッキ 写真著作者/Голубович Дмитрий)
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