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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014】デシャン監督のスタメンは失敗…切り札を投入したラスト30分の2発で、フランス辛勝!

アーセナルのヴェンゲル監督が、フランスやアフリカの若手を活用してチーム作りに成功して以来、プレミアリーグの上位クラブがこぞってスカウトに力を入れ始め、現在のプレミアリーグにはフランスやナイジェリアの選手が数多く在籍しています。フランスのスタメンには、GKロリス、コシールニー、ドビュッシー、エヴラ、最前線のジルーと、プレミアリーグ所属選手が5人。カバイェも昨季途中まではニューカッスルでプレイしており、ベンチにはサコ、サニャ、シソコ、シュナイデルラン、ロイク・レミーがいます。ナイジェリアは、DFヨボ、中盤の軸ミケル、アタッカーのオデムウィンギー、モーゼス。控えのアメオビもプレミアリーグで、普段見慣れている選手たちのマッチアップは、観ているほうも力が入ります。

この試合のスタメン編成で悩んだといわれているデシャン監督ですが、いちばんの悩みどころは前線だったのではないでしょうか。ベンゼマのワントップでいくのか、ジルーを使うのか。ポストプレーがうまく、ニアサイドに飛び込んでワンタッチでゴールを決められるジルーと、中盤の選手と連携しながら、中央を崩せるベンゼマが両方入ると、ゴールへの期待値が上がる代わりに、守備が甘いベンゼマのエリアから敵の侵入を許す形も増えてしまいます。

結局、この日はベンゼマ、ジルー、ヴァルブエナというアタッカー陣で点を獲りにいったフランスでしたが、前半の出来は今ひとつ。プレミアリーグのストークで活躍するオデムウィンギーの動きがよく、サイドでアドバンテージをとられ、前半20分まではナイジェリア優勢。危険なクロスが何度もフランスのゴール前を脅かします。19分には、ムサの左からのクロスにゴール前で抜け出したエメニケが、GKロリスより一瞬早く触ってゴールに軽くプッシュ。ナイジェリア先制かと思われたこのシーンは、きわどいジャッジながらオフサイド。直後の22分、フランスが逆襲。ポグバからのパスを受けたヴァルブエナが右サイドでフリーになり、絶妙の折り返しをポグバがボレー!強烈なシュートは、しかしGKエニェアマの正面を突き、CKに逃れられてこちらも先制はなりません。

この後も、オデムウィンギーとムサでサイドを脅かすナイジェリアと、ポグバとマチュイディで組立て、右からのドビュッシーの攻め上がりを活かしてゴールを狙うフランスはまったくの互角。よりゴール前に迫ってDFに圧力をかけているのはナイジェリアです。ここまで、ジルーとベンゼマの名前が1度も出てこないのが、フランスの課題。機能していないふたりのFWを活かす手立てがなければ、最後までゴールは奪えず、敵の攻撃の脅威にさらされ続けるでしょう。後半に入っても、流れは変わりません。54分に、マチュイディがオナジを踏みつけたプレイがイエローカードで済んだのは幸運でした。同様のプレイで、韓国と戦ったベルギーのデフールは、一発でピッチを締め出されています。フランス、ピンチ。62分、ついにデシャン監督が動きました。プレミアリーグでみせる大胆な飛び出しは影を潜め、窮屈そうにプレイしているジルーを諦め、左サイドのスペシャリスト、グリーズマン投入。この交代で、ベンゼマのプレイに迫力が戻ってきました。

70分、ベンゼマとグリーズマンのパス交換からベンゼマがGKと1対1。背番号10はシュートをGKに当ててしまい、ゴールに転がったボールはモーゼスが大きくクリアして、ナイジェリアはピンチをしのぎますが、ベンゼマはその3分後にも惜しいシュートを放っており、ゴールに近い位置に入ったことで、プレイしやすくなったのは明らかです。フランスに流れが傾いた79分、ついにスコアが動きます。ヴァルブエナのCKに飛び出したGKエニェアマがボールを弾ききれず、手に触れたために却って合わせやすいスピードになったボールが、ファーにいたポグバの頭にぴったり。ポグバは、丁寧に枠に飛ばすだけ。ここまで、マン・オブ・ザ・マッチをもらってもおかしくない活躍を見せていたエニェアマの軽率なミスで、フランスが1-0とリードしました。

残り10分で、冷静に守るコシールニーとヴァランのフランスCBコンビを崩すのは至難の業。攻めあぐむナイジェリアに、フランスがとどめを刺したのは、追加タイム1分。ショートコーナーからヴァルブエナがゴールライン際に抜け出し、ニアに走り込んだグリーズマンに合わせると、交錯したDFヨボにボールが当たってオウンゴール。得点はいずれもセットプレイからというきわどいゲームを拾ったフランスが、ベスト8進出を決め、この後日本時間5時から戦うドイツを待つ格好となりました。

それにしても、グリーズマン、いいですね。以前から、リヴァプールやアーセナルなどのプレミアリーグ勢が注目しているウィンガーですが、噂どおりレアル・ソシエダを出るのでしょうか。一方で、アトレティコ・マドリードがアーセナルのカソルラを30億円弱で狙っているという話もあるので、ヴェンゲル監督がカソルラを出し、フレンチ・コネクション強化に走っても不思議はありません。おお、この話は長くなりそう。この先のプレミアリーグ移籍ニュースに場を移しましょう。もとい、フランスはピンチをしのぎました。次戦のデシャン監督は、スタメンで迷うこともないでしょう。ラスト30分のフランスなら、ドイツに勝っても何の不思議もありません。(アントワーヌ・グリーズマン 写真著作者/Ketari)

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“【Brazil2014】デシャン監督のスタメンは失敗…切り札を投入したラスト30分の2発で、フランス辛勝!” への2件のフィードバック

  1. あああ より:

    W杯ってやっぱり審判や判定が話題になることが多いですね笑
    今回も御多分にもれずと言うことですが、キエッリーニとチチャリートは好感がもてるコメントしてますね笑
    ルガノやウルグアイ大統領はかなり恥ずかしいですけど・・

    あと、フランスがナスリを外したのは正解だったと思いますか?
    今回は騒動があまりないので正解だったとは思いますが。
    ジダンが憧れの選手だった僕としては仏代表には頑張ってほしいです

  2. makoto より:

    あああさん>
    ナスリ外しは正解じゃないでしょうか。セルフィッシュな選手には機会を与えない、という強烈なメッセージとして伝わり、チームがまとまったと思います。これも、デシャン流マネジメントのひとつでしょう。

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