イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アダム・ララナがリヴァプール入団間近!セインツ解体がプレミアリーグの移籍金高騰を招く!?

サウサンプトン解体劇場第3弾は、かねてからリヴァプール入団が噂されていたイングランド代表MFのアダム・ララナ。イギリスメディア「スカイスポーツ」が、ララナが既にメディカルチェックを受けているという代理人のコメントを紹介しており、いよいよ発表間近です。昨季逃したプレミアリーグ優勝を実現するために、スアレスの穴を埋めきって、かつ薄い中盤を強化しなければならないリヴァプールにとっては、セインツの選手はリッキー・リー・ランバートに続いて2人め。マンチェスター・ユナイテッドのルーク・ショー獲得と合わせると、昨季のプレミアリーグを沸かせたセインツからは3人が出ていくことになります。いや、ポチェッティーノ監督のトッテナム移籍を含めれば、4人ですね。ナサニエル・クライン、デヤン・ロブレン、ガストン・ラミレス、ジェイ・ロドリゲスにも、プレミアリーグのトップクラブや国外からの注目が集まっており、ロナルド・クーマン新監督の新生セインツは、どんな顔ぶれになるのか見当もつきません。

26歳で選手としての全盛期に入ろうとしているララナの移籍金は2500万ポンド(約43億3000万円)といわれており、並べると、19歳のルーク・ショーの3000万ポンドが割高にみえます。先日、「穴は埋まった!ルーク・ショーとエレーラ、マンチェスター・ユナイテッド入団決定!」という記事を書いたところ、多くの方から「マンチェスター・ユナイテッドがセインツとルーク・ショーに払う移籍金とサラリーが高すぎる」という声をいただきましたが、イギリスのマスコミでも、「19歳に払う史上最高額」ということで話題になっています。今後の展開にもよりますが、イングランド人の将来性ある選手が多いセインツ解体の話題性も相まって、マンチェスター・ユナイテッドのルーク・ショー高値獲得が、イングランド人選手の獲得相場やサラリー高騰を引き起こしてしまう可能性は否定できません。

本ブログに寄せられたコメントは、マンチェスター・ユナイテッドサポーターの好感度は概ね高く、「昨季は失敗したけれど、今季の補強は期待が持てそう」。他クラブサポーター、もしくは中立的な方からは、主に「移籍金よりも16万ポンド(約2770万円)といわれるサラリーが高すぎて、今後の移籍市場に悪影響があるのでは?」という指摘がありました。私の見解は、プレミアリーグカラーの紺色の帽子をかぶっていえば、「あくまでも全体観として、争奪戦激化によるサラリーや年棒の高騰化は憂慮すべき」ですが、マンチェスター・ユナイテッドの赤い帽子をかぶれば、「過去のマンチェスター・ユナイテッドにもあったこと。どうしても獲りたいポジションには払う額」という認識です。2002年に、当時の相場では天文学的だった3000万ポンドを23歳のリオ・ファーディナンドにかけており、2004年には18歳のルーニーに2560万ポンド。2003年に同じく18歳のクリスティアーノ・ロナウドに払った1220万ポンドも、実績を考えたら高かったでしょうね。それぞれ、「将来性を見込んで張った」移籍金でした。

問題は、「19歳」ということをどこまで重視するか、でしょう。年齢を外していえば、「イングランド代表のレギュラーを争う左SBの移籍話」。週給1600万ポンドは、マンチェスター・ユナイテッドのレギュラーDFにおいては相場です(それが高い、という他クラブ比較からの指摘もあるとは思われますが)。高めの移籍金を払い、ここは勝負とギャンブルして失敗する可能性があるのは、年齢に関係なく起こりえること。マンチェスター・ユナイテッドでは、ベーロンやファビアン・バルテスでも痛い目をみています。要は、金額に見合う価値があるかどうか。私は、ルーク・ショーは、発展途上だけに20代半ばの選手と比べれば失敗するリスクは高いとは思いますが、ギャンブルする価値のある選手だと思います。移籍金の高騰という観点でいえば、リヴァプールのララナ獲得と同等くらいで収められればよかった、とは思いますが、サラリーも含め、これで他が吊り上がるという力学は働かないのではないでしょうか。

ただし、これらは、現状の全体相場観を是とした場合の「応援しているクラブの補強に対する評価」です。全体でいえば、むしろ各クラブの主力選手の移籍金とサラリーの高騰が心配です。トップラインが上がることこそ、全体の高騰につながりますので。以前に「世界のサッカー選手・年収ランキングトップ20」という記事で、プレミアリーグの選手が半数を占めると書きましたが、上位をあるレベルで抑え、どこかで歯止めをかけないと、いずれはクラブ経営に深刻な負担がかかってくると思われます。さすがにルーニーは、貢献度見合いで考えると高すぎますね…。こちらのほうがむしろ、気になります。

話がリヴァプールとララナからそれましたので、元に戻しましょう。ララナ獲得で、リヴァプールの中盤構成には選択肢が増え、ロジャース監督が敷く敵の弱点に対応したフォーメーション選びや、試合途中での戦術変更はよりシャープになると思われます。あとは、スアレス問題解決と、層が薄い「守れるセンターMF」が急務ですね。今回のララナの件は、リヴァプールサポーターのみなさんに、「いい補強じゃないですか。おめでとうございます!」と拍手を送りたいお話です。

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“アダム・ララナがリヴァプール入団間近!セインツ解体がプレミアリーグの移籍金高騰を招く!?” への10件のフィードバック

  1. パックン より:

    移籍金、サラリー共に十代では史上最高額の選手。
    今後数年はショーについて回る代名詞となりそうです。
    プレミア好きとしては過度の期待と重圧が成長の妨げにならない事を願うばかり。
    過去にそういった選手達を何人も観てきましたから。

  2. あああ より:

    守れるセンターMFとやらはエムレジャンなんじゃないですか?
    ルーカスもいますしセントラルの補強は誰かが出て行かない限りもうないと思いますよ

    —–
    2500万ポンドとは中々の値段ですね。
    この値段だと超一流のMFもとれたので、イングランド人だからとはいえ高すぎますね。
    リバポの補強大丈夫か?

  3. makoto より:

    パックンさん>
    確かに、プレッシャーかかるのは、気になりますね。

    こーこさん>
    エムレジャンはいい補強だったと思いますが、CLがあるなか、数は足りますかね?昨季のアーセナルは極端な例ですが、ケガ人が重なったときに起用できるMFがもう1枚、いたほうがいいと思います。安価な30代のベテランでもよいので。

    あああさん>
    イングランド人ということに加え、サウサンプトンの選手は人気なので、値が上がりがちですね。

  4. マテウス より:

    初めまして。
    セインツもアトレティコも解体が始まってますね。セインツは中堅だからあるていど仕方ない部分のあると思いますが
    アトレティコはもうちょっとどうにかならないんですかね~。リーグ優勝してCL決勝まで行ったのに・・・
    ところで、ルークショーの週給が1600万ポンドになってますよ~

  5. londres nord より:

    ルーク・ショーは、10代でイングランドの平均生涯賃金を稼いだ最初のフットボール選手になりました。凄いプレッシャーで、逆に可哀そう。

  6. こーこ より:

    ジェラードアレンヘンダーソンルーカスエムレジャンみんな中盤はどこでもこなせる選手たちです
    3センターの一角としてならコウチーニョとおそらくララーナも可能
    ここにあえてベンチ要因を加えるよりもエンリケが復帰できるか分からない左SBとコロやアッガーが出ていくかもしれないCB
    スアレスの去就に関係なくサイドのアタッカーをもう一枚
    余裕があれば信頼の出来る2ndGK
    今夏はこれで十分数は揃うと思います

  7. オーヘンダーソン より:

    ララーナ獲得間近は素直に嬉しいです。あとは中盤よりサイドバックだと思います。消耗の激しいポジションですし、エンリケ、ジョンソンはやはりケガが心配です。それからスアレス、、、のかわりはいません。なんとか戻るまで、(例の癖の改善も含むて)現状メンバーの奮起を期待します。

  8. ルーカスLOVE より:

    はじめまして!!
    中立的な立場から意見されておられるこのブログをいつも楽しく読ませていただいている者です。
    ララナは少し高くない?シャキリはどぉ?と色々言いたいこともありますがララナ加入は素直に嬉しいです。

    ルーク・ショーは正直羨ましいですがww
    これからもブログの更新を楽しみにしております。

  9. money より:

    シティやPSGあたりに対して、
    「移籍金や選手人件費の急激な高騰は、サッカー界にとってよくない!」
    と批判する(少なくとも、私には批判しているようにしか見えない)記事をよく見ますが
    最近のユナイテッドこそ、異常だと思います。
    ルークショーの移籍金は妥当かもしれませんが、給与は凄まじい(DFの選手で言うと、コンパニより高いと推定されている!!)
    それから、アンデルエレーラの移籍金も尋常じゃないと思います。
    金満チェルシーのセスク獲得の移籍金より高い訳ですから。
    特別若いわけでもなく、英国人プレミアム価格は関係なく、ネイマールのようにやかつてのベッカムのような選手としての能力以外の“付加価値”が高い選手でもない。
    今のフロントは大丈夫なのか?と、少し不安になります。
    まあ、ルークショー獲得の件で、チェルシーやシティを打ち負かす程 の資金力はあるのだから、大きく落ちぶれることはないでしょうけどね

  10. money より:

    シティやPSGあたりに対して、
    「移籍金や選手人件費の急激な高騰は、サッカー界にとってよくない!」
    と批判する(少なくとも、私には批判しているようにしか見えない)記事をよく見ますが
    最近のユナイテッドこそ、異常だと思います。
    ルークショーの移籍金は妥当かもしれませんが、給与は凄まじい(DFの選手で言うと、コンパニより高いと推定されている!!)
    それから、アンデルエレーラの移籍金も尋常じゃないと思います。
    金満チェルシーのセスク獲得の移籍金より高い訳ですから。
    特別若いわけでもなく、英国人プレミアム価格は関係なく、ネイマールのようにやかつてのベッカムのような選手としての能力以外の“付加価値”が高い選手でもない。
    今のフロントは大丈夫なのか?と、少し不安になります。
    まあ、ルークショー獲得の件で、チェルシーやシティを打ち負かす程 の資金力はあるのだから、大きく落ちぶれることはないでしょうけどね

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