おめでとう、ベルギー!素晴らしかったカウンター2発&アルデルヴァイレルトの絶品クリア!
プレミアリーグアシスト王のデブライネ、16ゴールのルカク、最強ドリブラーのアザールが健在のベルギーは、ティーレマンスがスタメンに抜擢されています。WBにはシャドリとムニエ、アンカーはヴィツェル、3バックにアルデルヴァイレルト、コンパニ、フェルトンゲン。ゴールマウスのクルトワは、ロリスとともにベストイレブン候補の守護神です。開始早々の4分、ベルギーが最初のチャンスを活かしました。中央で縦パスを受けたルカクが、左のシャドリを走らせたスルーパスが秀逸でした。GKとDFの間に出たクロスに飛び込んだのは、右サイドからスプリントしたムニエ。3バックの前をあれだけ空けては、ルカクにやられても仕方がありません。
その後もルカクを止められないイングランド。12分に右に出たストライカーが、逆サイドのデブライネにラストパスを出すと、触れたはずの守備陣が後ろに逸らしてしまい、デブライネのノーステップシュートはピックフォードがかろうじてセーブ。ハリー・ケインとコンパニが競ったボールが右に流れ、トリッピアーが左足でゴール前に浮かしたチャンスは、ロフタス=チークのヘッドがクルトワの正面です。17分にデブライネのスルーパスで抜け出しかけたルカクは、タッチミス。ロフタス=チークの巧みなドリブルで得た19分のCKは、マグワイアの打点の高いヘディングがGKの正面です。
24分、エリック・ダイアーの素晴らしいロングフィードが前線のスターリングに届くと、落としを叩いたハリー・ケインのボレーはわずかに左。ここまで目立たなかったアザールが中に斬り込んだ30分のアタックは、ポストに入ったルカクがティーレマンスに打たせるも、強烈な一撃はDFに当たってしまいます。デブライネのパスからボックスに入ったアザールの右足シュートは、ジョン・ストーンズがブロックしました。35分のCKを、デブライネがボックスの外にいたティーレマンスに通すと、ゴール左に上がったボールをバイシクルで狙ったのはアルデルヴァイレルト。決定的なシーンでしたが、ボールは惜しくもクロスバーすれすれを越えていきます。
足を痛めたシャドリがヴェルマーレンに後を譲り、WBにフェルトンゲンが入っています。46分にルカクとジョン・ストーンズが向き合ったマンチェスターダービーは、左足のシュートにCBが足を出してCKに逃れました。前半は1-0。サウスゲート監督は、ダニー・ローズとスターリングを下げ、ラシュフォードとリンガードのマン・ユナイテッドコンビを投入しました。51分にトリッピアーが危険なFKを中に入れると、フェルトンゲンがジョン・ストーンズの前でクリア。スローインをボックス右で受けたリンガードのシュートは、ファーポストの外に抜けていきます。デブライネのスルーパスでピックフォードの前に躍り出たルカクは、またもトラップミス。2点獲れば得点王に並ぶストライカーは、プレミアリーグなら決めているチャンスを活かすことができません。
60分、ルカクに代わってメルテンス。これによって、6ゴールのハリー・ケインが得点王に近づきました。イングランドが徐々に押し始め、ベルギーは得意のカウンター狙いです。69分、エリック・ダイアーがラシュフォードとのワンツーで完全に抜け出し、クルトワの動きをみてチップキックで狙うと、カバーに入ったアルデルヴァイレルトが枠に入りながらスライディングで掻き出しました。セットプレーで競り勝っているエリック・ダイアーとマグワイアが、ヘディングをコントロールできれば追いつけるはずです。
77分、ティーレマンスが下がってデンベレ登場。直後、デブライネとメルテンスが仕掛けたカウンターは、左のメルテンスが逆サイドに浮かしたボールを、ムニエがジャストミートのボレー。このピンチはピックフォードが右手で弾き出すビッグセーブでしのぎましたが、82分にデブライネのスルーパスでアザールがひとり旅となると、さすがの守護神も止められません。10番がニアに突き刺した瞬間、イングランドの熱い夏が終わりました。
アザールがフィル・ジョーンズの裏に入ったのを見て、プレミアリーグじゃなくてよかったと思いましたが、プレミアリーグだったらよかったのにと思われた方も相当数いたのではないでしょうか。私のMVPは、エリック・ダイアーのフィニッシュを体を投げ出してクリアしたアルデルヴァイレルトです。蹴り出した後もボールを目で追い、何事もなかったように立ち上がるあたりがいかにもトビー。あのシーンが、ターニングポイントでした。同点にしていれば、イングランドはリスクをとってラインを上げる必要はなく、ベルギーのカウンターを簡単には許さなかったでしょう
速いアタックは素晴らしかったものの、相変わらず中盤の守備が緩かったベルギー。セットプレーは脅威ながら、今までと同様にハリー・ケインのシュートが少なく、決定機を活かせなかったイングランド。よくも悪くも、今大会の両者らしさが感じられた一戦でした。
過去最高の3位で大会を終えたベルギーのみなさん、おめでとうございます。次につながるベスト4進出を果たしたサッカーの母国にとっても、いいステージだったのではないでしょうか。イングランドがクロアチアに負けた翌日、500万人が会社を病欠したため、ラッシュアワーのアンダーグラウンドは快適だったと聞きましたが、明日は日曜日です。今夜は、いつもより苦いエールを存分に呷っていただければと思います。さあ、いよいよファイナル。応援するのは、もちろんポール・ポグバです。
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パナマ、チュニジア相手に得点を重ねたケインとルカクの雑魚専対決はどっちが勝つのか楽しみでしたが、流石強豪相手に両者、点を取れずでしたね。
イングランドはくじ運に恵まれただけでベスト16レベルだと思います。
結局強豪相手には勝てませんでしたね。
コロンビア戦も物議を醸す判定でしたし。
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アルベルヴァイレルトのスーパークリアがあったお陰で単なる消化試合ではなく、まさしく『3位決定戦』という裏決勝戦が成立したなーと。
この試合をリヴァプールのなかなかしんどいプレシーズンマッチをタブレット観戦にしてダブルヘッダーで観た甲斐がありました!
イングランドはW杯を通じて中盤の底上げとアタッカー強化という明確な課題が出たことが大収穫、ベルギーは現メンバーにティーレメンスをはじめとした次世代ワンダーキッド連中がが上手くハマれば2年後のユーロ制覇も断然現実味を帯びてくるなと、そんことを思わされた好ゲームでした!
今大会イングランドのセットピースを無失点に抑えきったのはベルギーのみ。コンパニ、フェルトンゲン、アルデルワイレルトのEPL3人衆を賞賛すべきでしょう。スパーズファンとしては、デンベレ投入からほどなくしてのデレアリ投入には思わず笑ってしまいました。
ベルギーは序盤はポゼッションでパスをつなぎ倒し、後半はカウンター志向にシフト。イングランドは相変わらず鈍重な攻めでしたが、セットプレーには迫力がありました。特にマグワイア、強すぎです。結局ベルギーが上手く試合をコントロールして終わってしまいましたが、4年後には両チームが戦力・戦術共にさらに進化・深化した形にぶつかることを期待したいですね。
個人的にイングランドがくじ運に恵まれたわけではなく、ドイツやアルゼンチンを下した確かな実力を持つチームが勝ちあがってきただけだと思うので、今回の結果は前向きに受け止められるものだと思っています。