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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ゲームの流れを変えたのはブカヨ・サカ!イングランドが久々の3ゴールでドイツにドロー決着!

「フットボールに契約は関係ない。監督は3年、4年、5年と契約を結べるけど、結果を出せなければ、袂を分かつことになる。なぜ、私だけ違うといえる?何があっても契約が守ってくれると考えるような傲慢な人間ではない」(ガレス・サウスゲート)

「簡単にいえば、イングランドはドイツに勝たなければならない。そうすれば、これからの2ヵ月がさらに楽しくなる。これほど何も乗っかっていない試合はめったにない」(「スカイスポーツニュース」ロブ・ドーセット)

トロフィーも昇格・降格も、何もかかっていない一戦。しかし、イングランド代表監督は背水の陣です。ウェンブリーにドイツを迎えたネーションズリーグのラストゲームをノーゴールで惨敗しようものなら、「ガレスゲートOUT」のチャントが止まらなくなってしまいます。

ポープ、エリック・ダイアー、マグワイア、リース・ジェームズ、ベリンガム、デクラン・ライス、スターリング、フォーデン、ハリー・ケイン。サウスゲート監督は、1-0で敗れたイタリア戦のスタメンから、9人を残しています。CBにジョン・ストーンズ、左のWBはルーク・ショー!今季プレミアリーグで出場2試合のレフティの抜擢と、マグワイアへの信頼は、敗れた際に議論になるでしょう。

序盤は低調だったイングランド。時折速攻を仕掛けるものの、決定的なパスが通らず、ドイツのサイドアタックのほうが可能性が感じられます。11分、ホフマンの落としをダイレクトで叩いたギュンドアンのミドルは、ポープが挙げた手の先を抜けていきました。

18分のサネのFKは壁にヒット。イングランドが決定機を得たのは25分でした。デクラン・ライスのパスで抜けたスターリングが、切り返しから左足でシュート。決まったかと思った瞬間、シュテーゲンが素晴らしいセービングで右に弾き出しました。

2分後、ゴール前の空中戦から右に浮いたボールを、ハリー・ケインがボレー。ファーに飛んだボールは、ポストの外に切れていきます。激痛のアクシデントは35分、ジョン・ストーンズが足を痛めて座り込んでしまい、無念のリタイア。3バックの右に入ったのはカイル・ウォーカーです。

44分、サイドからのパスでボックス左に走り込んだスターリングは、余裕がないフィニッシュがシュテーゲンの正面にいってしまいました。前半は0-0。後半に入り、先に決めたのはドイツでした。マグワイアから奪取したムシアラが、ボックス右からドリブルで突破を図ると、マグワイアの足がつま先にかかって転倒。オンフィールドレビューの結果は、母国を応援していた誰もが覚悟したPKです。

ギュンドアンが右隅に流し込んで0-1。イングランドの反撃はクロスの精度を欠き、ドイツのカウンンターのほうがいい形になっています。66分、フォーデンとスターリングが下がり、サカとメイソン・マウント。ドイツが追加点を奪ったのは、この直後です。

ボックスの右手前でキープしたカイ・ハヴェルツが、完璧なコントロールショットを左隅へ。0-2で残り20分となったとき、イングランド人の大半が負けると思ったでしょう。しかし71分、リース・ジェイムズが右から入れた高速クロスがファーに流れ、フリーのルーク・ショーが冷静に胸でトラップ。GKの股を抜いたシュートは、ズーレがクリアする前にラインを越えていました。

さらに75分、右にいたサカが中央に斬り込んで短いラストパス。メイソン・マウントの鋭いダイレクトショットが右隅に突き刺さり、イングランドは同点に追いつきました。逆転ゴールのきっかけを作ったのは、またもサカです。81分、右から中央に転がした18番の意図はワンツー。リターンを出そうとしたベリンガムがシュロッターベックに踏まれ、ハリー・ケインの強烈なPKがゴールの左上に決まりました。

鮮やかな逆転勝ちという見出しは、87分のポープのファンブルで「撃ち合いの末のドロー」に格下げとなりました。ニャブリのミドルを前にこぼすと、カイ・ハヴェルツが左足のアウトでプッシュ。イングランドの最後の猛攻は実らず、サウスゲート監督のチームは6試合ぶりの勝利を得らませんでした。

ルーク・ショー、メイソン・マウント、ブカヨ・サカ。指揮官の用兵が当たりました。ゲームの流れを変えたガナーズのウインガーは、ワールドカップの初戦のキックオフをピッチの上で迎えられるのではないでしょうか。強敵から3点を奪ったゲームは、目標の大会につながる有意義なテストになったのではないかと思います。

イラン、アメリカ、ウェールズと戦うイングランドは、今日のメンバーをベースとしてカタールに向かうのでしょう。ジョン・ストーンズの負傷によって空いた席には、出場停止だったグリーリッシュが戻ってくるので、やはりトレント・アレクサンダー=アーノルドの復活はなさそうです。

ユーロ2020は準優勝。次の目標はもちろんトロフィーです。与しやすい相手が揃ったグループステージでゴールを量産し、いい雰囲気でノックアウトラウンドを戦っていただければと思います。


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