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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

エメリよりも低い勝率、少ないシュート…メディアが指摘する「アルテタがゴール欠乏症に陥った理由」

ミケル・アルテタ監督が就任してからの28試合は13勝6分9敗で、勝率は46.4%。最初の28試合を17勝5分6敗で終えたウナイ・エメリの60.7%を大きく下回っています。得点は41対60、失点は31対38で、シュート数は267対345。イギリスメディア「90min」がまとめたデータをまっすぐ読み解くと、「守備力の向上によって失点を抑えたものの、それ以上にゴールが減ってしまっている」となります。今季プレミアリーグは4勝4敗、直近の4試合はわずか1ゴール。ELのダンドーク戦とモルデ戦でトータル7ゴールをゲットしたために目立たなくなっていますが、プレミアリーグにおけるゴール欠乏症は深刻です。

4節のシェフィールド・ユナイテッド戦の64分にニコラ・ペペが決めてから、6時間26分もオープンプレーでのゴールなし。8試合で9ゴールはプレミアリーグ15位で、1試合消化が少ないアストン・ヴィラの半分です。オーバメヤン、ラカゼット、エンケティアのシュート数を足すと22本で、ヴィラの主将ジャック・グリーリッシュと同じ本数しか打てていません。最もシュートが多いのは、12本のブカヨ・サカ。レギュラーに定着した19歳の1発が、中盤の選手が決めた唯一のゴールです。オーバメヤンのクロスは17本で、チームNo.1の27本を入れているウィリアンよりも10本少なく、ゴールゲッターとしてもウイングとしても力を発揮しているとはいえません。

オーバメヤンがカットインするシーンが少なく、ウィリアンも右サイドに縛られている現状について、「90min」のザック・キャンベル記者は、「アーセナルのプレーヤーは、攻撃の流動性と意外性を失うほど、彼らの形をキープすることに集中している」と指摘しています。ヨーロッパリーグでは、ウィロックやニコラ・ペペをボックスに走り込ませてゴールを決めているチームが、プレミアリーグで守りやすいアタックに終始してしまうのはなぜでしょうか。

ヴィラ戦で見せた限界をレポートした記者は、「アルテタは、彼の最高の選手のスキルセットを最大化するために、オーバメヤンに中央に移し、ブカヨサカに左サイドをまかせることを検討する必要がある」と主張。スペースを見つけるのがうまく、ラインの裏を突けるストライカーを真ん中に配して中盤の攻め上がりを促せば、流動性と意外性を同時に取り戻すことができるのではないでしょうか。

ガブリエウ・マガリャンイスの加入で安定した守備は、CBの前をカバーするトーマス・パーティーがフィット感を高めれば、今季プレミアリーグで3番めに多い1試合あたりのシュートブロック4本という数字も落ち着かせることができるでしょう。さらに改善を図るためには、奪われた後のチェックのスピードを上げる必要があります。素早いプレッシングによって前で奪うシーンを増やせれば、DFの視界から消えるのがうまいオーバメヤンにボールを預け、カウンターを仕掛けられるようになるはずです。

昨季プレミアリーグにおけるカウンターからのゴールは、ビッグ6で最少の2本に留まっており、2020-21シーズンは未だゼロです。メスト・エジルという創造力を捨てたのは、中盤の守備の強度を高め、速いアタックでゴールを重ねるフットボールを志向したからと理解しています。アルテタ監督と選手たちには、「ウナイ・エメリのチームよりも、守備が安定してゴールも量産できるようになった」といわれる日が来ることを期待しています。


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