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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

スパーズは弱点強化、ガナーズは補強失敗…ユーヴェの動きで差がついたノースロンドンの明暗。

プレミアリーグ24節を終えて勝ち点36。アーセナルとトッテナムが並んでいます。とはいえ、アントニオ・コンテ監督のほうがアルテタ監督より1試合消化が少なく、有利なポジションをキープ。20試合を戦ったスパーズは、24試合のチェルシーとの勝ち点差が11で、4連勝すればロンドンのライバルをまくって3位にジャンプアップとなります。

ノースロンドンの2チームは、移籍市場における立ち回りが対照的でした。アダマ・トラオレとルイス・ディアスを取り逃がしたスパーズは、デッドラインデーに必死にリカバー。エンドンベレ、ロ・チェルソ、ブライアン・ヒル、デル・アリを放出し、クルゼフスキとベンタンクールを引き入れました。余剰戦力を整理し、懸案だった右のアウトサイドと中盤センターをゲットという着地は、戦力強化を求めていた指揮官も納得でしょう。

ユヴェントスに助けられたスパーズに対して、アーセナルはいじめられました。最重要ターゲットだったフィオレンティーナのFWドゥシャン・ヴラホヴィッチをかっさらわれ、アルトゥールは「代役を確保できなかった」という理由で売ってもらえず。デッドラインデーのユーヴェの動きを見ると、「ベンタンクールとアーロン・ラムジーは出すんかーい!」とツッコミを入れたくなります。

ユーヴェといえば、アルバロ・モラタもアーセナル行きが噂されながら動かなかったひとりです。レアル・ソシエダのアレクサンデル・イサクもNGで、バルサに入団したオーバメヤンの後釜確保は失敗。コラシナツとチャンバースを放出し、バログン、パブロ・マリ、メートランド=ナイルズをローン移籍させたクラブは、新戦力ゼロでプレミアリーグの再開を待っています。

最前線は、ラカゼットとエンケティアという夏に契約切れのコンビのみ。実績充分のラカゼットはいいとして、プレミアリーグ42試合5ゴールのエンケティアへの期待を膨らませるのはリスキーです。最終ラインも、CBが2人離脱したら、冨安健洋がセンターで右にセドリクという心もとない布陣になります。現地メディアを見ると、「TOP4フィニッシュが遠のいた」「オーバメヤンの高額サラリーを間引いたのが唯一の成功」といった悲観的な論調が目立っています。

アルテタ監督とエドゥTDは、「プレミアリーグしかない後半戦は現状のスカッドで戦える」と判断したのでしょうか。パニックバイに走らず、本格的な補強を先送りしたのは評価すべきなのかもしれませんが、層の薄さはやはり気になります。そんななかで、私が秘かに期待しているのは、マルティネッリとニコラ・ペペのセンター起用です。

古くからのファンにわかりやすくいえば、「マルティネッリのベルカンプ化」「ニコラ・ペペのファン・ペルシ化」。20歳のブラジル人をラカゼットと組ませる4-4-2や、偽9番として最前線に配する4-2-3-1は、スミス・ロウとサカのカットインを促すおもしろいシステムになる可能性があります。右サイドをまかせると守備が不安なニコラ・ペペも、ゴールに近い位置に置けば、瞬発力とシュート力を活かせるのではないかと思います。

FAカップを失い、残り試合は17。冬のマーケットを経てスリムになったチームは、どんな戦い方でCL出場権をめざすのでしょうか。2022年になってからは未勝利で、マン・シティ戦でサカが決めた後は4試合連続ノーゴール。堅守ウルヴスとのアウェイゲームという厳しいリスタートで、ベテランストライカーと若いアタッカーたちは、オーバメヤンを忘れさせてくれるゴールを決められるでしょうか。評論家の見立ては、「スパーズ優勢」ですが…!


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“スパーズは弱点強化、ガナーズは補強失敗…ユーヴェの動きで差がついたノースロンドンの明暗。” への1件のコメント

  1. テツグナ より:

    CFが中央に留まらずサイドに流れて2列目からの飛び出しを促すのはヴェンゲル時代からの伝統みたいなのなのでイメージが膨らみますね。ただ、マルティネリを例えるならベルカンプではなくアンリかリュングベリだと思います。

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