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マン・シティ戦の直前になぜ先発させたのか…現地メディアがサカとサリバの影響力をレポート!

コミュニティ・シールドでマンチェスター・シティを倒し、ボーンマス戦までの10試合は8勝2分。アウェイでは無敗どころか、失点すらなかったアーセナルがチャンピオンズリーグでランスに敗れました。サカのインターセプトからジェズスが決めて先制したものの、ラヤのキックをカットされて追いつかれ、不安定だった左サイドを突かれて逆転ゴールを許してしまいました。

この試合で気になったのは、アルテタ監督の用兵です。ジョルジーニョ、エンケティア、ファビオ・ヴィエイラがいたにも関わらず、直前に負傷していたサカとデクラン・ライスを先発で起用。とりわけサカは、0-4で快勝したボーンマス戦で、足を引きずりながらベンチに下がったばかりでした。

ジェズスのゴールをアシストしたウインガーが、ピッチに座り込んだのは34分。筋肉系のトラブルでプレー続行不可能となり、ファヴィオ・ヴィエイラに後を譲りました。PSV戦に続く連勝となれば、グループステージ突破に近づくゲームだけに、サカを使いたい気持ちは普段ならわかります。しかし今回は、4日後にペップとの決戦が控える特別な週です。

現在のアーセナルにおいて、最も影響力が大きい選手はブカヨ・サカとウィリアム・サリバです。サカがいる試合の勝率は60%、いないと45.5%。1試合あたりの獲得ポイントは1.9対1.5、ゴール数も1.8対1.5と不在時はパワーダウンしてしまいます。最も大きな差はファイナルサードにおけるパス本数で、61.3本と50.9本。7番がいないとチャンスが減るといい切っていいでしょう。

サリバに関する数字も紹介しましょう。昨季プレミアリーグで彼がいた3月中旬までは、マン・シティを5ポイントリード。リタイアしてからは5勝3分3敗とペースダウンし、逆に5ポイント差を付けられてしまいました。「アスレティック」によると、1対1で無類の強さを発揮するCBが先発した試合は34戦26勝。勝率76.5%と1試合あたりの獲得ポイント2.44は、クラブ史上最高です。

2022-23シーズンのマッチレースに敗れ、キーマンを失う痛みを思い知ったはずの指揮官は、万全ではなかったサカをなぜ先発させたのでしょうか。ランス戦は、サカ不在のBプランを開発する機会と位置づけ、劣勢になったら投入としてもよかったのではないかと思います。何しろ今週末は、ロドリがいないチームと戦える絶好のチャンスなのですから。

サカのスタッツを紹介した「スカイスポーツ」のサム・ブリッツ記者は、もうひとつ興味深い数字を拾っています。今季のプレミアリーグにおけるSBとの1対1の回数を見ると、サカは101回で、クルゼフスキの81回とジェレミー・ドクの66回を抑えてぶっちぎりのTOP。2試合欠場のマルティネッリも62回を記録し、三笘薫を3つ上回る4位にランクインしています。

今のガナーズは、サカ、マルティネッリ、サリバが揃えば欧州でも戦えるチームで、彼らを欠くとまあまあ強いチームに格下げとなってしまうのでしょう。同じ失敗を繰り返したくない今季は、Bプランのレベルアップを図る必要があります。ジョルジーニョやファビオ・ヴィエイラ、スミス・ロウらが出場した試合で勝利を重ねられれば、ビッグタイトルに手が届くはずです。

とまあ、体温が低い外野からの目線でいろいろ書いてまいりましたが、本人から「足は大丈夫だから、CLは出してほしい」といわれたら、やめとけとはいいづらいでしょうね。アルテタ監督が「後悔していない」といったのは、そんな舞台裏があったからなのかもしれません。今はただ、週末のキックオフに彼の姿があることを、ひたすら願うしかありません。


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