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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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先制はプリシッチ!枠に打たせなかったチェルシー、敵地マドリードで納得のドロー!

プレミアリーグでTOP4争いを続けるチェルシーが、9年ぶり2度めのビッグイヤーをめざします。レアル・マドリードと戦うチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、会場はエスタディオ・アルフレッド・ディ・ステファノ。トゥヘル監督の11人は、守備重視のチョイスに見えます。GKメンディ、DFリュディガー、チアゴ・シウヴァ、クリステンセン、WBアスピリクエタ、チルウェル。センターにジョルジーニョ&カンテ、前線はメイソン・マウント、プリシッチ、ヴェルナーです。

立ち上がりから中盤のせめぎ合いが続き、5分にヴェルナーから始まったカウンターはシュートに至らず。ジョルジーニョは、いつになく速いロングフィードを左右に入れています。メイソン・マウントが左からドリブルで突破を図ったのは10分。切り返しを入れて放ったシュートはブロックされて逆サイドに浮き上がり、プリシッチが頭で折り返すと、中央にフリーで飛び込んだヴェルナーのボレーはクルトワが足で弾くビッグセーブでしのぎました。

これが合図だったかのように、プレミアリーグのクラブが攻勢。14分にリュディガーがラインの裏に浮かすと、左から抜け出したプリシッチがクルトワと1対1になりました。GKをかわしたウインガーが冷静にネットに突き刺し、チェルシーが貴重なアウェイゴールをゲット。ジダン監督はカルバアルとマルセロのポジションを下げ、アウェイチームの速いアタックを止めて反撃に転じようとしています。23分、ベンゼマが左足で放った強烈なミドルは右のポストにヒット。チェルシーのカウンターはヴェルナーが周囲と合わず、パスがズレてフィニッシュに持ち込めません。

雨が激しくなってきました。29分、エル・ブランコのショートコーナー。マルセロが右に浮かしたボールをカゼミーロとミリトンが頭でつなぎ、中央に浮いたボールをベンゼマがワントラップボレーで叩き込みました。32分のトニ・クロースのミドルは右にアウト。35分に右から仕掛けたプリシッチが中央のヴェルナーにクロスを入れると、ボールは頭をかすめて逆サイドに流れていきます。41分に右から上がったヴェルナーは、強引なシュートを右に外してしまいました。前半は1-1。速攻狙いのブルーズは、ヴェルナーと他のアタッカーの連携がネックになっている感があります。

後半が始まり、最初の決定機はチェルシー。47分にマルセロのミスパスをカットし、カンテがボックス右のヴェルナーに縦パスを通すと、右足のシュートはDFに当たってCKです。50分のホームチームの速攻は、左から上がったベンゼマが遠めから打ったシュートがクロスバーの上。カンテがMFと最終ラインの間に入ってもらおうとしていますが、3バックは楔を入れるタイミングを見出せずにいます。ボールを支配しているのか、持たされているのか。60分に右サイドをスプリントしたカンテは、トニ・クロースにファールで止められました。

65分、ヴィニシウスに代わって古巣対決のアザールがピッチへ。トゥヘル監督はヴェルナー、アスピリクエタ、プリシッチを下げ、リース・ジェームズ、カイ・ハヴェルツ、ツィエクを投入する3枚代えです。前に出られなくなっていた青いシャツは、サイドアタックを仕掛けられるようになりましたが、ナチョ、ヴァラン、ミリトンの対応は的確でシュートシーンを創れません。75分のレアル・マドリードの波状攻撃は、ベンゼマとマルセロの連打を青い壁がブロック。79分のツィエクのFKは、クルトワがコースを読んでいました

87分のトニ・クロースのミドルからCKになり、ヴァランのヘッドはチルウェルに当たってポストの右。アウェイゴールを持ち帰ってのドローという結果は、チェルシーにとって悪くありません。レアル・マドリードはシュートレンジにボールを運べず、オンターゲット1対5のままタイムアップ。両者ともに守備の堅さが目を引いた一戦でした。

チェルシーの中盤とサイドは、危険なパスの出どころとなるトニ・クロースとモドリッチのコースをうまくつぶし、ヴィニシウスやアザールを消すことに成功しました。勝ちにいくならジルーにクロスを集めるという手もありましたが、トゥヘル監督は負けないことを重視し、カイ・ハヴェルツのキープ力を選んだのでしょう。

セカンドレグのミッションはシンプルで、とにかくクリーンシート。ゴールシーン以外に枠に打たせなかった守備陣が強度をキープできれば、トゥヘル監督は「異なるクラブで2シーズン連続ファイナル進出」という史上初の記録に近づきます。悩ましいのは前の3人ですね。守備も考慮してメイソン・マウントは入れるとして、プリシッチかツィエクか、ヴェルナーをどうするか…。カウンターを考えると、ライプツィヒでは輝いていた11番に期待したくなるのもわかります。セカンドレグは5月5日。アドバンテージを得たトゥヘル監督の戦術に注目しましょう。


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“先制はプリシッチ!枠に打たせなかったチェルシー、敵地マドリードで納得のドロー!” への1件のコメント

  1. n より:

    流れにのった前半に2点が取れれば最高の展開でしたが、クルトワの壁が厚かったですね。ゴールの神様に見放されたヴェルナー、このレベルの試合の、あのチャンスに決められないのは致命傷になりかねません。ベンゼマのアタックが見事だっただけに悔やまれます。仮に裏のスペースへ飛び出しても外しそうなので、信頼しきれない味方のパスがチグハグ、囮に使われているような気さえしますし、ツィエクや、ジルー、エイブラハムにももっとチャンスをと思ってしまいます。ともあれ、悪くない結果なので、次節に期待します。

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