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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マリーナ・グラノフスカヤは8月退任…主力の離脱続出のチェルシーに訪れる最も短く難しい夏。

「今いえるのは、気持ちよく働ける素晴らしい関係だったということ。決定を下す他の2人にとっても、そうであることを願っている。小さな単位でコミュニケーションを取り、責任を担える体制をアップデートできていた。うまくいけば、このままでいられるかもしれない。しかし私はそのことに影響を与えられない。そうなるかどうかの情報もない」

チームを強化していくうえで、マリーナ・グラノフスカヤCEOの存在は、とてつもなく大きかったのでしょう。トーマス・トゥヘル監督は、不安を隠すことなく、これまでの体制を維持してほしいといっています。しかし、6月から始動したトッド・ベイリーの新体制は、新たなディレクターを招聘する方向に舵を切ったようです。

「フットボール・ロンドン」「デイリー・メール」など複数のメディアが、ロマン・アブラモヴィッチの右腕として10年を過ごしたマリーナ・グラノフスカヤは勇退すると伝えています。2010年にオーナー代行、2013年から経営ボードに加わり、2014年にはCEOに就任。選手たちの求心力とスカウティングの手腕を称えた「ザ・タイムズ」は、「フットボール界で最も強い女性」と表現しています。

ビザの失効でオーナーがイギリスに渡航できなくなった2018年、ビジネス誌「フォーブス」が「国際スポーツにおけるパワフルウーマン」のランキングで5位に選出。2021年12月には、イタリアメディア「トゥットスポーツ」が主催するゴールデンボーイ賞のなかで「ヨーロッパサッカーのベストクラブディレクター」を受賞しました。

プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、クラブワールドカップ…彼女が経営のトップに君臨した過去10年の間に、チェルシーはすべてのタイトルを獲得しました。ロシアのウクライナ侵攻がなければ、今も変わらずクラブの未来を指し示していたはずです。トッド・ベイリーとコンソーシアムの買収後も、同じ役割を担う予定だったロシア系カナダ人の運命を変えたのは、イギリス政府でした。

「アブラモヴィッチの下でチェルシーに関わってきた人々は、スタンフォード・ブリッジ革命の一部であってはならない」。デジタル・カルチャー・メディア・スポーツ省のジュリアン・ナイト委員長のひと声で、1997年から前オーナーとともに働いていた女性は、最初に出ていかなければならない人物になってしまいました。退任は8月。最後の仕事は、チームを強化するべくトーマス・トゥヘル監督に預けられる2億ポンドの支出の監視です。

大きな柱を失うチェルシーに、最も難しい夏が訪れようとしています。アントニオ・リュディガーは、レアル・マドリードと4年契約を締結。ダニー・ドリンクウォーターとアンドレアス・クリステンセンも退団が決まっており、セサル・アスピリクエタとマルコス・アロンソとの契約も今月末で満了です。

ロメウ・ルカクはインテル復帰を懇願。マンチェスター・ユナイテッドがエンゴロ・カンテ獲得を目論んでおり、エヴァートンのフランク・ランパードはコナー・ギャラガ―とビリー・ギルモアをほしがっているようです。ルベン・ロフタス=チークの獲得を画策中といわれているのは、ラツィオのマウリツィオ・サッリ。アルマンド・ブロヤはウェストハムのターゲットと報じられています。

獲得候補と目されているのは、セビージャDFジュール・クンデ、RBライプツィヒのDFグヴァルディオル、プレミアリーグではリシャルリソン、ククレジャ、ウスマン・デンベレ…。これほど大規模な刷新となれば、名将トゥヘルといえども、ロケットスタートとはいかないでしょう。指揮官にとっても、2022年の夏は、あまりにも短く困難な季節になるかもしれません。


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