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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

日本戦は最前線で沈黙…現地記者が問う「カイ・ハヴェルツのベストポジションは?」

何しろプレミアリーグが好きなもので、ワールドカップが始まってからも、普段見ている選手たちに目がいってしまいます。ブカヨ・サカとリシャルリソンは、初戦で2ゴール。ブラジルの9番が決めたバイシクルは、天晴れのひとことです。ワールドカップ初ゴールを決めたグリーリッシュが、脳性麻痺を患う少年と約束したパフォーマンスにも心を動かされました。

歴史的勝利に沸いたドイツVS日本では、アーセナルの最終ラインで高評価を得た冨安健洋と、ブライトンのサポーターの心をつかみ始めた三笘薫が活躍しました。中盤をコントロールしたイルカイ・ギュンドアンは、やはりワールドクラス。彼がもうしばらくいたら、1-2の逆転勝利は実現しなかったかもしれません。

心配なのは、チェルシーの前線の選手たちです。クロアチアとスコアレスドローだったモロッコのツィエクは、積極的なプレスが目を引いたものの、得意のクロスとFKはすべて味方に合わず。イラン戦でゴールを決めたスターリングは、アメリカ戦では消える時間が長く、迷いを感じさせるチェルシーでのプレイがオーバーラップしました。

メイソン・マウントも、昨季プレミアリーグにおける素晴らしいパフォーマンスを知る者には、もの足りなく映ります。アメリカ戦の前半終了間際のミドルは、マット・ターナーのビッグセーブに阻まれました。まずまずの出来といえるのは、イングランド戦でシュートをバーに当てたプリシッチぐらいではないでしょうか。

チェルシーの選手で最も気になったのは、日本戦で何もできなかったカイ・ハヴェルツです。ハイライトといえるのは、オフサイドで取り消しとなった前半終了間際のゴールシーンだけで、シュートを1本も記録せずに79分に交代となりました。

吉田や板倉をかわせず、左右に流れて入れたクロスが通ったのは1回のみ。ムシアラやトーマス・ミュラーとの連携も良好とはいえませんでした。「7100ポンドの補強に対するソリューションが必要」と見出しを立てた「フットボールロンドン」のアダム・ニュートン記者は、「才能とポテンシャルに疑いの余地はないが、ベストポジションについては議論がある」といっています。

レヴァークーゼン時代に、「マルカ」のインタビューで好きなポジションを聞かれたカイ・ハヴェルツの答えは、「8番、右のインサイド」。クラシックな10番ではないと自己分析しつつ、で「ボールを足元に置いてプレイするのが好き」「より多くボールを持てるセンターがいい」といっています。

ランパードの頃はトップ下か右サイドだったドイツ代表は、トゥヘルのチームでは「最前線7割、トップ下3割」にシフトしました。29試合8ゴール3アシストだった昨季プレミアリーグでは、最前線で7ゴールを決めているものの、「フィットしなかったルカクに代わってゴールを量産」といわれるほどのインパクトはありませんでした。

今季公式戦で、トップで先発した6試合は3ゴール。トップ下と右サイドでは11試合1ゴールで、アシストはゼロ。どのポジションでも、今ひとつといわれて終わる可能性があります。「ポジションの問題には、とてもナーバスになっている」とこぼしたオールラウンダーは、最適な居場所を見つけることができるでしょうか。現地記者は、こんな表現で彼の境遇を語っています。

「ハヴェルツという謎の解読は、グレアム・ポッターにまかされることになった。ランパードは、成功するまでに時間が足りなかった。トゥヘルが見つけた方法は中途半端で、確かな解決策ではなかった。ドイツ代表監督のハンス・フリックでさえ、現在のワールドカップで苦戦している」

チェルシーの新監督は、誰もが納得する答えを出すことができるのでしょうか。いや、その前に、スペイン戦のハンジ・フリックの起用法を見てみましょう。「9番のポジションはとても気に入っている。ストライカーとして、ゴールを決めなければならないこともわかっている」。23歳のアタッカーは、「最前線でベストを尽くす」と決意を新たにしています。


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