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ハイプレスを取り戻せ!「テレグラフ」の記者が語る「ユルゲン・クロップ監督の巻き返しプラン」

プレミアリーグ2022-23シーズンが開幕した頃、「サディオ・マネの退団によって、リヴァプールは弱体化した」とは、考えないようにしていました。サラー、フィルミーノ、マネの最強フロントスリーが大好きで、10番の退団がショックだったため、意地を張っていたのだと思います。ルイス・ディアスとダルウィン・ヌニェスがいるじゃないか、変化をポジティブに捉えよう、と。

しかし今、「テレグラフ」のクリス・バスコム記者に事実を突き付けられると、マネの存在の大きさを認めるしかありません。「プレスの修正、中盤の見直し、高い位置でのプレイ…ユルゲン・クロップはどうやってリヴァプールを再生させるのか?」と題された記事は、レッズ停滞の最大の理由が、ハイプレスの強度が落ちたことにあると指摘しています。

プレミアリーグで28勝8分2敗。マン・シティと1ポイント差の2位だった昨季は、ハイプレスが最も機能したシーズンでした。敵陣のゴールラインから40m以内でのボール奪取が、90分あたりで11.7回。過去5年で、これを上回った年はありません。

今季は、前年を大きく下回る8.8回。開幕からの14試合を比較して、ボールを奪ったエリアと回数がわかるMapを見ると、左サイドの激減が一目瞭然です。2021-22シーズンのマネは、開幕から14試合を左サイドで7ゴール、CFを任された後半戦の9試合も7ゴール。サラー&ボビーとのトリオだけでなく、左にルイス・ディアスが入り、自らが最前線という布陣も機能していました。

今季のリヴァプールはマネを失ったうえに、運動量豊富なルイス・ディアスとハイプレス戦術に忠実なディオゴ・ジョッタも長期離脱となっています。マネショックは一時的なもので、2人のフォワードの復帰とダルウィン・ヌニェスのさらなるフィットによって、強力なプレスを取り戻せると信じましょう。

ただしそれが実現するのは、負傷者がトップフォームを取り戻す3月以降です。巻き返しを期す指揮官は、短期的な課題解決策を講じなければなりません。「テレグラフ」の記者は、「クロップ監督は、冬のトレーニング キャンプの多くの時間を、これまでうまくいかなかった理由を示すビデオを見せることに費やした」と伝えています。

ドバイでのセッションを経て、マンチェスター・シティとぶつかったカラバオカップ4回戦は、プレスの見直しの効果が感じられたゲームでした。ファビオ・カルヴァーリョやダルウィン・ヌニェスが左のフルバックやアンカーを押し込めれば、今までより前で奪取できるようになり、ファビーニョやCBの負担は減るでしょう。

ファン・ダイクは徐々に過去の強度を取り戻しつつあり、コナテ、マティプ、ナビ・ケイタが復帰。マン・シティ戦で途中出場のチェンバレンは、アグレッシブなプレイを見せてくれました。現有戦力が基本戦術を思い出したら、指揮官の次なる仕事は冬のマーケットにおける戦力強化です。

補強したいのは、ファビオ・カルヴァーリョ、ダルウィン・ヌニェス、フィルミーノ、サラーしか起用できない前線と、ナビ・ケイタの再離脱やミルナーの電池切れの懸念を払拭する中盤でしょう。ジュード・ベリンガムは、来るとしても夏。ソフィアン・アムラバトやエンソ・フェルナンデスを獲得できればいいのですが…。

リヴァプールにはもうひとり、復活してほしい選手がいます。今季プレミアリーグで未だアシストゼロのトレント・アレクサンダー=アーノルド。ハイプレスによって重心が前にシフトすれば、得意のクロスがダルウィン・ヌニェスの頭に合うシーンが増えるでしょう。再開初戦は敵地でアストン・ヴィラ。強いレッズとの再会を期待しています。


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